元トリンプ社長、吉越さんのデッドライン仕事術の本質と活用のための4つのポイント

トリンプ吉越さんのデッドライン仕事術の4つのポイント

プロブロガーの作家、立花岳志さんの主催するツナゲルアカデミーという講座の一部として吉越浩一郎さんの話を聞く機会があった。
吉越さんは、トリンプインターナショナルジャパンの社長を務めた19年間。19期連続増収増益で100億円の売上を500億円にし、なおかつ残業ゼロを実現させた名経営者だ。
話を聞いて印象に残ったことは、大きく以下の3つ。
1.やるからにはトップを狙う
2.デッドライン
3.計画について
それぞれについてシェアしたい。

1.やるからにはトップを狙う

話の最初に話されていたのが意識について。
やるからにはトップを狙うという言葉が印象的だった。吉越さんの話を見聞きしていると、それを楽しんでやっているように思えた。
無理にやるのではなくて、楽しくやる。一度きりの人生をどう生きるのか?という思想が、奥さんがフランス人ということもあってヨーロッパの考えに影響を大きく受けているなと思えた。

ヨーロッパでは定年が65歳までに延びるなんて言われたら大変な反対の騒ぎだそうだ。一方で日本では雇用が嬉しいという声が飛び交う。何のために生きているのか?このあたりの考えが、日本の滅私奉公的な考えより、人生を楽しむ、というところに根ざしているように思えた。

2.デッドライン

吉越さんの話でよく出てくるのがデッドラインというい言葉。何冊か書籍としてもその考え、方法論は世に出されており、吉越さんといえばデッドラインというくらいになっているように思える。デッドラインは単に期限を決めるだけと思っており、理解が不足していた。もちろん、そこがポイントではあるのだが、目的や効果を理解していなかったなと思えた。吉越さんから直接、話を聞くことで理解が深まり、これなら自分に効果的に取り入れられるのでは?と思えたので、それをシェアしたい。

2−1.吉越さんのデッドライン仕事術とは?

誰が、何を、いつまでにやるかを決めること。期限は長くても1週間。トリンプ時代は、1週間以上かかるものについては、スケジュール表が必要だった。

2−2.目的

時間を切って効率よく無駄なく仕事を進めるため。その背景には、ワークライフバランスの考えがある。
日本においては、滅私奉公的な考えが根付いており、会社に全勢力を尽くすことが良しとされる風潮があるように思える。でも、吉越さんの考えはそうではない。
会社に人生を尽くすなんてことはしない。家庭を築いて遊びも充実させて、仕事をゲームのように捉え、人生を満喫する。というようなヨーロッパの考えが根底にある。なので、日本のように残業が当たり前で、時間を捧げることが美徳のような考えはない。時間をどれだけ投資したかではなくて、どれだけの結果を出せたかが重要という考えがある。

そこで、デッドラインという考え方が有効になる。期限を切ってそれを守ることによって仕事の時間が減って自分の時間が増えるからだ。それに、体力や気力などがあってこそ、能力が発揮される。ダラダラやって時間を緩く使っていたり、無駄なことをして時間を浪費していては効率よく結果を出せない。

2−3.デッドラインを決めて守ることのメリット

時間が決まっているため、ダラダラしていられない。だから、いかに効率よくやるかを考えるようになる。また、時間を無駄にしないために、判断、決断する力が養われる。迷っていたらどんどん時間がなくなるからだ。結果として、スケジュールを守れ、無駄が排除され、人の成長につながりその人の能力もアップする。

2−4.ポイント(個人的な意見)

デッドラインに関してはデメリットも当然あると思える。個人的には、厳しすぎる決め事はマイナスになりかねないと思っているからだ。
例えば、

  • 取り決めを守るためについ不正をしてしまう
  • 失敗を怖れてチャレンジしたくなくなる
  • 一人の場合、他人の目がないと自分を管理することがとても難しい
  • 守れないと自己嫌悪に陥る、あるいは人から責められ、失敗を怖れるようになり、行動が止まってしまう
  • 結果を出すことではなくて、デッドラインを守ることが目的になってしまう

など、間違った方向に進んでしまう恐れがあるということ。
なので、うまくデッドラインを活用するために以下の4点がポイントになると思った。

目的を意識し続けて結果にフォーカスすることを肝に銘じる

手段が目的かしてしまうのを防ぐ必要がある。不正をしても意味がないということを悟る必要がある。

一人でやるなら自分を責めない

組織ならメンバー同士の信頼関係を築いた上で実施し、相手を非難しない。よく言われる人格を否定しないという考え。

真剣に、でもゲーム感覚で

一人でやっている場合、誰も見ていないのでついだらけてしまうことがある。チームで動く場合には人の目があるので、動くけれども一人だとつい遊んでしまう、ということがある。なので、真剣さをきっちりもって適度な緊張は必要。一方、あまりにもギチギチになってしまうと心身に悪影響となるので、ゲーム感覚で楽しみながらという視点があるといい。

いきなりできるものではなくて少しずつできるようになるということ

デッドラインを決めて守るというのは、能力的には誰にだってできること。でも、言うは易く行うは難しであり、なかなかそれができないもの。なので、いきなり完璧にできるとは考えずに、少しずつできるようになっていくものと捉えて最初は簡単に。徐々に負荷をかけていくようにする。

3.費用対効果の高い計画の立て方

計画は綿密に立てる必要があるか、おおまかでいいか?当然、人の特性もあるので、一概には言えないとは思うが、先を完全に予想することは不可能。想定されることを全て対応するためには、膨大な選択肢を検討する必要がある。しかし、そのほとんどは実際には起こらなかったり、そのときに考えれば済むようなこともある。計画は6割くらいで十分というのが吉越さんの考え。

個人的にもやりながら考える傾向が強く、始めからいろいろと考えて計画通りにことを進めるのはあまり得意ではない。考えている暇があったら、やれることから動きたくなってしまうのである。なので、自分のやり方を進めていこうと思えた。

何にどう応用するか?

私の場合、会社員ではなく会社をもっていても、従業員がいるわけではない。なので、一人のことが多く、ついダラダラやってしまうことがある。それを、デッドラインをうまく活用することで乗り越えられるようにしたい。いつもいきなり大きくやろうとするので、少しずつやっていければと思った。最初は難しいので、徐々に慣れていくようにして。

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