渋谷の東急ホテルで見た、イタイ営業トーク

渋谷の東急ホテルより

先日、安藤美冬さんの話を聞く機会があった。聴衆の1人が安藤さんによく行く場所はどこですか?みたいな質問をしていて、それに対して安藤さんが答えたのが、渋谷の東急ホテルにあるエスタシオンカフェ。よく行っていたそうだ。

渋谷にいたら、安藤さんが「雰囲気の良いところで、お勧めですよ」みたいな話をしていたのを思い出したので、試しに来てみた。思ったよりも狭いが、確かに雰囲気としては良い感じで混雑もしていないし、Wi-Fiも無料で使えていいところだ。

突如やってきた会社員の男女

ここで一仕事しようと思って、席に座ってパソコンを開いていたら、スーツを来た男女がラウンジにやってきた。なにやら急ぎ足で緊張感が伝わってくる。ホテルの人が席を案内すると、

「ここで!」

と、機嫌が悪いのかこの人は?というような口調でぶっきらぼうに言い放った。従業員がかわいそうだなと思ってしまった。。。

その男女は下座に座って相手を待っているが、なかなか来ない。彼らが待っている間も、緊張感が伝わってくる。特に男のほうが真剣だ。

しばらくすると、ターゲットと思われる人物がやってきた。挨拶をして席に座ってもらうと、男はさっそく商談に入った。「うおぉぉー!決めるぜ-!」という勢いで男のほうが積極攻勢に入った。身振り手振りで一生懸命に話をしている。汗がこちらに飛んできそうな勢いである。

攻める男性サラリーマン

が、説明を受けている人は「ふーん」という感じで、その熱気が伝わっていない。頬杖をして、ただうなずくだけ。時折質問はするが、関心は薄そうだ。が、それに構わず攻める男。

ふと横を見ると、私の隣に座っている男女もまた、商談っぽい雰囲気だ。何の話かは良く分からないが、男性側が積極的に話している。こちらもビジネスの話なのか、相手を説得しようとしているように感じられた。しかし、女性は何か感づいているような雰囲気があり、怪しいなコイツ的な感じではぐらかしている。

おっと。そうこうしているうちに、前の男がカバンから新しい資料を取り出した!早口でまくしたてるが、相手はやっぱり「ふーん」という状態。頬杖はくずれない。その男ではなく資料を見て関心が薄そうに頷いている。

撃沈・・・その理由は?

結局、2組とも売り手側は勝利を収めることはできなかったようだ。正直、私は何の前提も分かっていないし、何を話しているかは分からないので、あくまで雰囲気ではある。が、その後、反省会をしていたので、失敗だったということは間違いなかった。

失敗の原因として共通しているなと思えたのが、売り込み過ぎということ。相手のニーズよりも自分のニーズを満たそうとしている感が第三者から見ても見て取れたように思う。あくまで感覚だけれど。これを売りたいから、何とか説得しようとしているような雰囲気があった。相手の関心のあることではなくて、自分の思う方向に持っていこうとしている。

残念ながら、こういうのは何かしらの形で相手に感づかれてしまうことが多い。売り込もうとしているのか、本当に良いと思って熱心にしゃべっているのかは、何となく分かることが多いもの。

うまくいく人の共通点

本当に相手を説得できる人は、説得というか何かその人に惹かれて提案に乗る、ということが多いような気がする。ちゃんと相手のことを考えた上で、自分はこうしたいと思っていて、あなたのこういうところに貢献できる、というような流れがしっかりしているのである。

自分の好きなこと、やりたいことをやっていると、独りよがりになってしまうリスクはあるが、情熱をもって話せる点はとてもいい。でも、ビジネスは相手あってこそのもの。なので、相手のニーズをくみ取らないと、うまくいかない。自分のやりたいことと相手の望んでいることが、うまく一致するように考えられれば、とても良い結果が生まれる。

そうはいっても、なかなかそう都合良くはいかないのでは?と思ってしまうかもしれないが、こういうときにはTOCの方法論を活用すると活路が見いだせることがある。情熱という感情的な要素と、TOCという思考ツールを使った論理的な要素をうまく組み合わせると、非常に協力だ。
TOCについてはまた別途、書いていこうと思う。

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