身近な困りごとからの起業例、荷物持たずに出張できるDUFL

身近な困りごとからの起業例、荷物持たずに出張できるDUFL

起業、ビジネスというのは尽きることなくいろんなアイデアが生まれるから面白いもの。

起業のネタがないという人は多いけれども、ないというよりも見つけられないというほうが正確だろう。ちょっとした違いかもしれないが、存在しないのと見つけられないのとでは意味が違う。

ということで、こんなネタを見つけて起業した人がいるという例を。スモールビジネスとは言えないけれども、困りごとにフォーカスしてそれを解決する手段を提供することでビジネスにしたという話。

具体的には、出張の多い人の困りごとにフォーカスしたアイデアだ。言われてみれば、確かにこんなサービスがあってもいいと思えるものだ。

大きな荷物なしで出張ができるサービスDUFL

dufl
画像:DULFのページより

DUFLというアメリカ発のビジネスがある。これは出張に必要な着替えなどを倉庫に預けておいて、出張先に送り届けてくれるというサービス。CNET JAPANの記事によると、2016年中に日本にも上陸予定だそうだ。

服や靴などの旅の持ち物をDUFLに預けておいて、いざ出張となったときにアプリを使って指定の場所に荷物をパッキングして届けてくれる。スーツケースごと送られてくるそうだ。もちろん帰りも大きな荷物なしで楽に帰れる。出張の終わりにホテルにスーツケースを預けると、DUFLが回収してくれて倉庫にまた戻してくれる。服はちゃんとクリーニングしてくれる。

クラウドクローゼットと呼ぶそうだが、このネーミングは興味深い。物理的な倉庫があるんだからクラウドというのは違和感はあるのだけれど、クラウドという言葉のイメージからそれっぽさというか今風な感があるな〜と思える。

倉庫で預かります!と言われても新鮮味はないけれど、クラウドクローゼットと言われると、横文字ということもあってかすごそうに思える。典型的な横文字に弱い日本人みたいに思えるけれど……。

うまい集客方法

なお、集客先の口として企業の福利厚生と提携するように動いているそうだ。ビジネスパーソン一人一人にアプローチしていくのではなく、根っこから押えるのは賢い。しかも支払いはその会社が全部、あるいは少し負担してくれるというのだから素晴らしい限りだろう。こういうやり方はどんなビジネスにも関係してくる大切なやり方なので、いつも念頭に置いておきたいもの。

料金

ちなみに料金は保管料が月間9.95ドルだそうだ。そして、1回の利用料が99ドル。1ドル100円とすると、月額1000円の基本料金に、1回利用するごとに1万円といったところ。

高いか安いかはその人次第だが、ここまで払える人がお客さんなら客層は良さそうな気はする。

起業のきっかけは?

出張の多いビジネスパーソンなどは、出張先で必要な服の準備はもちろん、出張から帰ってきたら洗濯するかクリーニングに出すかしなくてはならない。それに、移動中は大きなスーツケースを持って移動しなくてはならないことも。

そこに注目して、面倒な準備や荷物の持ち歩きから解放できるサービスとして立ち上げたのがDUFL。

DUFLがどういう経緯でそこに気付いて起業したのかまでは分からないが、よくあるのは創業者自身が困っていたというケース。Dropboxなどがその例だろう。自分が使いにくい、もっとこうなればというものをサービスとして提供するというもの。

あるいは、知り合いが困っていてとか、目の前で起こったことをよく観察してみたらなんとものある。前者はぱっとは思い付かないけれど、後者はAirbnbなど。

こうしていろんなビジネスの創業の経緯を見ていると、起業ネタというのは身近に埋もれているものだよな、と思わされる。

応用範囲が広い

DUFLというサービスは、要するに荷物を預けておいてそれを必要なときに配達してくれて、必要なくなったらまた回収して保管しておいてくれるサービス。

なので、何も出張の多いビジネスパーソンだけが使うとは限らない。お客さんは他にも広がる。

ゴルフ、スキーなどの利用者

例えば、スポーツ。ゴルフ利用者は視野に入れているようだが、出張で利用するビジネスパーソンにも親和性が高そうで良さそうな気がする。

他にも、荷物の多くなるスキー、スノーボードなどのウィンタースポーツやサーフィンなどのマリンスポーツも当てはまるかもしれない。

あとは遠征の多いプロの選手も使えそうな気がする。いつも使う道具は預けるわけにはいかないだろうけれども、試合や練習ではないところで普段着る服やユニフォームは預けていてもいいような気はするので。

レンタル

自分のものを預けなくても、DUFLが用意するなんてことも考えられるが、利用者同士でシェアすることもてきるので、それを視野に入れているそうだ。

こうなってくると客層が変わるように思えるので、料金体系を変えないと難しそうな気はする。

広告、マーケティング手段として

さらに、試供品を一緒に送れるマーケティング手段としてDUFLを利用してもらおうという目論見もあるそうだ。

例えば、ゴルフのセットに新消品をお試しできるように入れるとか。近くの店の割引クーポンなんかも入れられる可能性はある。自分たちが広告枠を持てるということだ。

まとめ

ということで、身近なところに起業の機会は埋もれているものだなと思える。

また、1つのアイデアからどんどん広がりを見せるともある。今回のDUFLの場合、もともとの発想は出張の多い人が毎回、重いスーツケースを持ち歩く煩わしさ、パッキング、帰宅時の洗濯や片付けなどからの解放だった。でも、結局それって何だ?ということを考えていくとどんどん広がることが分かる。

ただ、今回の例は、構想の段階からでもある程度は分かることかなとは思うが、やってみたらお客さんが意外な使い方をしていて、それがビジネスになったなんて例もある。なので、事前にいろいろと考えるのもいいけれど、分からなければ、目の前にできることをやってみるというのも一つの手かなとは思える。

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