競合からお客さんを呼び込む秀逸なアイデアでネット集客に成功した事例

競合からお客さんを呼び込む秀逸なアイデアでネット集客に成功した事例

もし、競合からお客さんを獲得できる方法があったとしたらどうだろうか? しかも、競合に対してお客さんが不満をいだいているような状況のときに、スッと自分のところにお客さんを誘導できたとしたら……。

理想的で夢みたいな話に思えるけれども、実際にそれをやってのけたところがある。フランスのeBayだ。

スモールビジネスを手がける人にとっては大きな事業の事例なので、直接的には役に立つアイデアではないかもしれないが、大切なことを教えてくれる事例。

具体的には、商品の売り切れを利用した秀逸なアイデアなのだが、その動画をご紹介しようと思う。

競合の売り切れを活用した見事なアイデア

こちらのAdGangの記事によると、フランスのeBayがやったのはこんなキャンペーン。

Amazonなどのショッピングサイトで売り切れになっている商品があったらそのURLをeBayに送ることで、その商品が買えるようになるばかりでなく、なんと15%オフになるという内容。競合の売り切れという絶好の機会をうまく活用する素晴らしいアイデアだ。

実際のキャンペーンの様子

上記の動画でも触れているようにTwitterでトレンドのツイートNo.1になったそうだ。試しにTwitterを検索すると、こんなツイートがあるのが分かる。

フランス語で何言っているかまったく分からないのだけれど、eBayに対してハッシュタグをつけてツイートしているのが分かる。

こんな感じでeBayから返信もあったようだ。Googleの翻訳を使うと「こんにちは、あなたはクーポンコードのDMを受信するためのパブリックプロファイルを行くことができますか?ありがとうございました」と出た。なんとなく意味は分かる。

キャンペーンの結果は?

キャンペーンの結果、具体的にどのくらいの売上、利益になったかまでは分からないが、24時間で1000万インプレッション(1000万回表示されたということと考えていいと思う)、アクセスはキャンペーンを通して360%増(おそらく通常時のアクセスと比較して)になったそうだ。

これだけ注目されれば、相当数売れているはず。15%オフでどれだけ利益がなくなるのかは分からないが、eBayを使ってもらうきっかけになった可能性はある。

ちなみに、フランスにおけるeBayのユーザーは、France eCommerce Report 2016の27ページを見るとこうなっている。Average number of unique visitors in Q4, in thousands, 2015とあるので、2015年第4四半期の重複なしの訪問者数は、

  1. Amazon:19,361千人(約1900万人)
  2. Cdiscount:11,805千人(約1200万人)
  3. Franc:11,052千人(約1100万人)
  4. eBay:8,281千人(約800万人)
  5. Carrefour:7,105千人(約700万人)

ということだろう。

上記の数字は2015年の第4四半期の数字なので、今回の秀逸なキャンペーンの1年以上前の数字ではある。ただ、おそらくガラッとは変わっていないと思うので、4番目の位置にいるeBayにとっては利用者数獲得につながった可能性がありそうだ。

スモールビジネスの視点から

これを個人や零細企業がやるスモールビジネスで真似しようと思っても無理があるけれども、発想としては面白いし、なるほどと思える。

ポイントとして思うのは買いたいときにスムーズに買えることって大切だよね、ということだ。欲しいものを探して見つけたのに“売り切れ”となっていたら「えー!?」となるのは分かる。特に欲しいものであればあるほど、そうなるもの。

スムーズに買えるか? という観点から見ると、売り切れに限らず、使っているショッピングカートが古臭くて怪しいとか、入力が面倒だとか、欲しいとは思うんだけれど詳細が分からず決めかねている、なんてのも考えられるので、今のビジネスを改めて見直してみるのいい機会かもしれない。

これだけスマホが普及しててスマホで買う人がたくさんいるのに、PCでしか確認していなくてスマホで見たら操作しにくい……なんてことは意外とあるものだし。独自ショッピングカートで使いにくい、新たに会員登録しなくてはならず面倒なんてのはまだまだ見かける。

最初のコメントをしよう

必須

CAPTCHA