DNS、サーバー設定が正しいのにエラーで表示されない? トラブル一覧と対処法
自分でドメイン取って(独自ドメイン)、WordPressで自社メディアをつくった、個人のホームページ、店のページをつくった。でも、うまく動かない。
あるいは、最初はうまく動いていたのに、気がつくとエラーでページが開かなくなっていた……。ERR_NAME_NOT_RESOLVEDと表示される。あるいはメールの受信ができなくなっていた……。
などなど、さまざまなトラブルが起こることがある。
経験上、たいていのトラブルはレンタルサーバーのマニュアルどおりにできていなとか、時間がかかっているだけ、といったケース。でも、たまにDNSやネームサーバの設定は正しくしているはずなのに起こるトラブルがある。
少し前に、関わっているプロジェクトでserverHold、clientHoldというエラーで急に独自ドメインのメールが届かない、ページが開かないということが起こって対処したので、また起こったときの備忘録としてと経験のシェアという意味で記録しておく。
それ以外にもこれまで10年以上関わってきたなかで実際にトラブルが起こった例と、それにどう対処したか? ということも含めてまとめてみた。
※小規模ビジネスの事業者や個人、個人事業主がドメインを独自に取って、XSERVERとかさくらとかそういった一般的なレンタルサーバーを借りるというのが前提。
目次
突然ページが開かなくなった、メールが届かなくなった原因は?
ホームページが開かなくなったりメールが届かなくなったりする原因はいろいろとあると思うが、つい先日起こったのはいずれもドメインの問題。
具体的には次の2つのケースだった。
- 他の誰かがスパムをしていたのか分からないが、何らかの理由で止められてしまったケース(serverHoldエラー)
- メールアドレスの認証を無視してしまっていて止められてしまったケース(clientHoldエラー)
レジストラ(ドメインの登録をしている業者)によって止められていたエラー(この2つのエラーの詳細や対処法などは後述する)。
他にもこれまでいろんなエラーに遭遇してきたので、どんなエラーがあってどう原因を探るか? そして、どう対処するか? ということをお伝えする中で、そのエラーの対処法にもふれる。
ブログ、ページが開かないエラー原因の特定方法
考えられる原因は次のとおり。他にもあると思うが専門家ではないので、これまでの経験上で起こったケースをもとに羅列してみる。
- 通信の問題
- 不注意などのちょっとしたミス
- 一時的なサーバーの問題
- サーバーやドメインの設定関係のミス
- ドメインが止められてしまった
それぞれについて判定の方法とともに、もう少し詳しくみていこう。最初にページを開いてみてどんな表示になっているか確認する。
通信の問題でエラー
これは通信回線がおかしいなどの問題なので、自分だけ表示されないとか特定の人だけが表示されないというケース。
例えば、実はネットがつながっていなかった、なんてケース。そうそうないとは思うが、2017年にはGoogleが問題を起こしたなんてこともあった。
判定方法と対処法
単にネットが動いているか確認すれば分かる。以下のようなインターネット接続がありません、というようなエラーが典型的。
Wi-Fiでつなげていてそうなる場合には、スマホを持っているならスマホの電話回線で開いてみると簡単に問題が切り分けられる。
自分だけが動いていないというだけの話なので、特に対処法はない。
不注意などのちょっとしたミスでエラー
これは実は表示させるぺきページをアップロードしてなかったとか、入力ミスなど。あるいは、WordPressなどであれば、下書きのままで公開されていなかった、など。
判定方法と対処法
ページを開いてみて404というエラーはたいていこのケース。
ページがないから表示さないという当たり前の状況なので、ページを用意すればすぐに解消する。
一時的なサーバーの問題
サーバーがメンテナンス中で表示されないとか、何かしらの不具合で動作しなくなった場合。サーバーが動いていなので、エラーになるのも当然というわけだ。
あるいは、アクセスが集中して一時的に止められていることもある。サーバーのCPU負荷が大きいこともあるし、あまりないとは思うが、動画などの重いデータをダウンロードされていて転送量が膨大になっていることもある。
判定方法と対処法
メンテナンス中は違った表示になると思うが、アクセス集中などは503というエラーが出ることが多い。数字はなくても「Service Temporarily Unavailable」という表記があったら同じ。アクセスが続いている限りどうしようならない。どのくらいの期間、止められてしまうかは状況によるので一概にはいえない。
ほとぼりが冷めるまで待つくらいしかできない。緊急の場合には、別サーバーを用意して運用する。
ほかにもWordPressなんかだと設定ミスで500エラー(Internal Server Error)が起こることも。このあたりの詳細は、別のサイトに譲るのでトラブルにあっている人は検索してみるといい。
設定関係のミス
これはレンタルサーバーを使っていてDNSの設定やネームサーバーの設定がうまくいっていないときに起こる。設定して間もない状態でまだ設定内容が反映されていない場合にも起こる。
判定方法と対処法
コマンドラインを使う。Macならターミナル、Windowsならコマンドプロンプトを開いて以下のように打ち込む。
nslookup example.com
というように自分のドメインを入力してみると何かしら表示されるので、それを見て判断する。
nslookupコマンドをMacのターミナルで打つ
※今はnslookupは推奨されないようでdigを使うのがいいようだが、見にくいのでnslookupを使ってしまっている。ちなみにexample.comはテストとか例示用に用意されているドメイン名。
コマンドと言われてもよく分からないという場合やスマホで調べたいなんて場合は、こちらのCMANというサイトで調べることもできる。
CMANから画面キャプチャした画像
「ホスト名(FDQN)を指定してください」という欄にドメインを打ち込んで下にある「nslookup実行」というボタンを押す。
nslookupコマンドを打ち込んだ後の判断
コマンドを実行したときに以下のようになった場合。
ドメインの設定がうまくいっていないケース
server can’t find example.com: NXDOMAIN
というエラーがある場合、exmaple.comというドメインをどのサーバーで動かしたらいいかの設定がなされていない状況にある。表示させる内容が不明でエラーになるというわけだ。
この場合の原因は、次のどれかであることが多い。
- ネームサーバーなどの設定をまだしていない
- まだ設定が反映されていない
- ドメインが停止されている
一方、こんな形でIPアドレスが返ってきた場合は、example.comというドメインを動かすサーバーは指定されているということが分かる。
サーバーの設定がされていも、うまくいっていないケース
なので、サーバー側の設定がうまくいっていない。よくあるのがこれ。
- ネームサーバー、DNSの設定ミス。
先ほど書いた404のエラーや503のエラーの場合もあるので、前項もチェックしてみる必要はある。
ネームサーバーなどの設定をまだしていない
忘れていたという場合も含め、各業者が用意しているはずのマニュアルに沿って設定すれば解決する。
具体的な方法はドメインを取ったところやレンタルサーバーが用意しているマニュアルを見るのがいい。
私の場合には基本はVALUE DOMAINでドメインを管理していて、サーバーはXSERVERやさくらサーバーを使っていることが多い。
なので、ドメイン関連はVALUE DOMAIN(DNSの設定、ネームサーバーの設定)、サーバー関連はXSERVERやさくらのマニュアル(ネームサーバーのアドレスやサーバーのアドレス確認)を確認している。
まだ設定が反映されていない
いわゆるDNSの浸透問題(正しくやれば発生しない)。
上記のDNSやネームサーバーの設定をしても、即座に反映はされないもの。長くて10時間くらいかかったケースは今までにあるが、たいていは1時間もしないうちに動く。
なので、設定して間もないのなら待つのが対処法になる。
ドメインが停止されている
こちらに関しては大きなくくりで次に解説する。
ネームサーバー、DNSの設定ミス
こちらも、各レンタルサーバーで用意しているはずのマニュアルに沿って設定するのが早い。
本来動くはずのサーバーではないサーバーが動いていてたりしていることがある。
ドメインが止められてしまった
やっかいなのがこれ。いくつかエラーの種類はあるようだが、体験したのは次の2つ。
- serverHold
- clientHold
ドメインが止められているなどのエラーはWHOIS情報を見ると判断できる。
例えば、お名前.comのWhois検索というページなどで調べることができる。
お名前.comのページより
WHOIS情報を調べると、以下の画像のような結果が得られる。Domain StatusというところがclientHoldになっいてるのが分かる。これがserverHoldになっていることもある。問題なければ、okと表示される。
お名前.comのページより
ちなみに他のエラーこちらのICANNのページ(※)を見ると詳しく書かれているので、それ以外の表記があった場合には見てみると原因が分かるかと思う。
※EPP Status Codes | What Do They Mean, and Why Should I Know?
serverHoldエラーとは?
serverHoldに関しては、そのトップレベルドメイン(.com、.bizなどの単位)がスパムに使われることが多くて停止するケースがあるようだ。
なので、自分は何もしていなくても、他のスパマーのせいで止まる可能性があるのはものすごくやっかい。これに関しては、詳しく調査はしていないので実際のところは分からないが、「.xyz」ドメインが急に止まったなんて話は聞く。
実際に経験したのは、「.club」ドメインが急に停止になってしまってメールが届かなくなってしまったケース。それまで正常に動いていたのに急にエラーになってしまって何事かと思ったらserverHoldだった。
serverHoldエラーの対処法
serverHoldエラーに対処するにはいちいちレジストラとやりとりしないといけないようで非常に面倒(まずは、お名前.comなどのドメイン取ったところに相談するのがいいかと思う)。
トラブルが発生したときは、急ぎだったということもあり、ドメインを取って間もない時期で影響範囲も狭かったのでそのドメインは捨てた。そして、新たに別なドメインを取ってそちらで運用することにした。
ということで、個人的には.clubはよほどのことがない限り使わないし、xyzも体験者がいるので使わない。考えすぎかもしれないが、ドメインは前からあるgTLDが無難。例えば「.com」「.net」「.org」「.info」「.biz」など。あるいは最低でもccTLD。「.jp」などが無難に思える。
※gTLDはGeneric Top Level Domainで.comとか.orgとか.bizなど国によらないドメイン。.clubなどもgTLDだが新しくできたもの。ccTLDはCountry Code Top Level Domain。.jpなどの国別に用意されているドメイン。
clientHoldエラーとは?
ICANNのページを見ると、法的に問題があるとか支払いができていないとか、削除させられたとか何かしらのトラブルがあった場合のエラー。
実際に経験したのはメールアドレスの有効性認証というのを無視してしまったケース。
ドメインを管理しているところからドメインの所有者あてに登録されているメールアドレスが有効かどうかの確認メールが来るのだけれど、それを無視してしまってペナルティというような感じでドメインが停止されてしまうという話。
新規ドメインを取っただけでなはくドメインを他人から譲り受けた場合にも起こるので注意。
前者は2015年くらいにけっこう起こっていた問題で、私もやってしまったのだけれど、後者は関わっているプロジェクトでドメイン移管をしたあとに起こった問題。
やっかいなのが英語だけのメールが送れられてくることがあって、スパムとみなしてしまって見落としたり、迷惑メールになったりするケース。
実際、最近あったのは管理者が英語のメールを見落としていて、止まってしまったケース。分かりにくいのに突然やってくるので、かなりやっかいなエラーだ。
clientHoldエラーの対処法
上記の有効性認証のメールが見つかればラッキーで本文中のURLを開いて手続きをすればいい。たいていは期限が過ぎていてもなんとかなる。
自分のドメインやICANNなどでメールを検索すると見つかるかもしれない。実際に来ていたメールはこんな内容だった(分かりやすいように少し加工してある)。英語ではないケースもあるので、ケースバイケース。
件名:ICANN inter-registrant transfer
本文:
Dear registrant of example.com(引用注:サンプルドメインに変更)
In accordance with the Section II of the ICANN Inter-Registrar Transfer policy (see [https://www.icann.org/resources/pages/transfer-policy-2015-09-24-en]) we kindly ask you for your cooperation to allow/deny the following changes:
Requested changes to be made to the registered domain holder:
email aaa@aaa.com => bbb@bbb.com
If you would like to *proceed* with the changes to the domain name your *confirmation is required* by 2018-02-10 22:49:10.
After the above mentioned date (or in the event an involved party explicitly denies the request) the owner change will be considered failed and will not be executed. [Please note that both contacts must approve the requested change.]
If you would like the modifications to be carried out please click on the link below:
(引用注:実際にはここにリンクが掲載)
In case the changes have NOT been authorized by you please click on the following link to REJECT the owner change or modifications to the registrant contact.
(引用注:実際にはここにリンクが掲載)
More information can be found on our registrant change info page at the following link:
https://www.icann.org/resources/pages/transfer-policy-2016-06-01-en#II.A
All acting persons declare by clicking on any of aforesaid links that they are bound to the sponsoring registrars terms and conditions (as shown on the registrar website) as well as ICANN policies.
Best regards,
Your ICANN accredited registrar
まとめ
ということでページが開かない場合のパターンと内容、原因、対策に関してまとめてみた。
他にもエラーはさまざまあるとは思うが、10年やってきて起こったエラーはここで書いたこと以外は記憶にない。
トラブルが起こるとやっかいだが、解決できない問題はそうはないと思う。あなたのトラブル解決につながれば嬉しい限り。