これ何の意味が……? でも売れる商品と売れる理由
一見すると、なんでこんな商品を売っているの? 売れるの? という商品がある。
大半が本当に売れずになくなっていくのだろうけど、残るのもあって、調べてみると「なるほど。確かにこれなら……」となるものがある。
一方で、やっぱりよく分からん……でも売れているという商品もある。
今回は、そういったうまくニーズをつかんだ商品とよく分からないが売れている(売れた)商品をピックアップしてみた。
目次
効果なしと謳っているのに売れる「薬」プラセプラス
プラセボ製薬というところが売っているプラセプラスという商品がある。
名前からして察しがつくと思うが、プラセボ=偽薬だ。
原材料は糖類とかそういうので、薬効成分は一切入っていないまさしく偽薬。ただの食品なので、もちろん口にしたところで害はない。
では、なぜこれが売れるのか?
主な需要は介護の現場。例えば、認知症の人が薬を飲みたがるケースがあるようで、そのときに本当の薬を勝手に飲ませるわけにはいかないことがある。
そんなときに、「薬」としてこのプラセプラスを飲ませるといったように利用されるようだ。
介護の現場では、本人をなだめようにも怒り出すようなケースもあるようで、対応に困ってしまうことがあり、そういうときに活躍する。
飲み薬だけでなく、湿布のような貼用薬もある。
10cmのタングステンの金属塊が3500ドル(約47万円)で売れている
2021年タングステンの塊が人気になって売れた。
Amazonでは4インチの立方体タングステンが3500ドル(1ドル135円換算で約47万円。)で売られていて、レビューもそこそこある。
バカ売れしているわけではないにしても、WSJの記事によると暗号資産界隈で人気が出たようだ。
QUARTZのGuides:#88 タングステンの道徳──若林恵という記事で若林さんが売れた背景などを考察している。
マーベル(マーベル・コミック)とか錬金術とか道徳とか、いろいろと考察されていて興味深い。
QUARTZの記事に日本語訳されたWSJの引用がある。それによると、暗号資産関連で有名なNeeraj K. Agrawalによる発信がきっかけとなって需要が跳ね上がったとのこと。
ちなみに、1インチは2.54cmなので、だいたい1辺10cmの立方体。タングステンの密度を調べると19.3g/㎠だった。
ということは、4インチのタングステン立方体は20kg近い重さになるので、見た目からは想像しがたい重さかと思う。
実用性ゼロどころか、むしろ邪魔になりそうな気がしてくるのだけれど、一部の金属マニアだけが買っているわけではないようでなかなか興味深い。
円周率100万桁表、素数15万個の本
3.14159265358979……というπの値を延々と100万桁文、書いているだけの本が売れている。
初めて売られたのは1996年。コミケでの自主出版からスタートとはいえ、販売を開始2022年で15刷目というのだからすごい。
こちらの不便益でも扱った素数物差も似たようなものかなとは思える。
2013年の3月に販売され、販売から約2年後の2015年の4月の段階で2万本以上売れたそうだ。
価格は577円でこれも素数。Amazonだと1279円になっていて、こちらも素数。
ちなみにAmazonで円周率100万桁の本のページを見ると、1億桁版があることに気づくと思う。100倍に増えているのがあるわけだ笑
さらには素数15万個という本もあって、この記事をかいている時点で評価は78件あって評価は4.5と高い。
まとめ
プラセプラスは需要があることを知った上で売り始めているので、他の2つとは経路が違う。
問題や課題を認識してそこにアプローチしてくいくのは、失敗しにくいやり方。
一方で、タングステンや円周率の本など、まったく予想だにしないところで売れるのもある。
真似したところで、売れるとは限らないけれども、何が売れるか分からないということだけは分かる。
売ってみて売れなかったとしても、リスクが大きくないならいろいろとやってみては? というのは言えそうだ。