デジタル不動産(仮想不動産)の売買と不動産賃貸業ができるサービス
この記事ではこんな内容を書いています。
- デジタル空間の土地としての不動産
- デジタル空間に建てる建造物の不動産
- The Sandboxのメタバース空間での不動産売買
先日、といっても数ヶ月前の話だが、、、「デジタル不動産」というニュースを見た。
仮想空間上の不動産というのは20年近く前に、Second Lifeで登場しているので、まったく新しいというわけではないが、こうした昔からあるものが今はブロックチェーン、NFTという仕組みによって勢いを増している。技術的な話に加えて、パンデミックによって仮想空間への関心が高まったのもある。
目次
これが仮想不動産?
ニュースではTopiaというサイトの話だった。
間取りみたいな画像があって、そこに何やら配置している。単に何かを配置するだけではなく、人とのコミュニケーションもとれるようになっている。そうした空間を提供するサービスがTopia。イメージはこんな感じ。
仮想空間という意味では、不動産とも言えるとは思うが、なんか違う気がする……。
ほかにもTaobao Maker Festival(タオバオ・メーカー・フェスティバル)というタオバオ主催の展覧会で、アーティストがNFT化したデジタルな建造物を展示していた。そして、それが販売されているという話がついこの間あった。詳しくはこちら。
Huang Heshan said, “I originally thought that the concepts of blockchain and NFT would be very complicated, and it would be very troublesome to operate,
これもリアルな世界なら建造物なので不動産ということになるが、バーチャル空間でやってしまうと不動産なの? という感がある。ただ、仮想空間上に建てられる、という話なので、そういう意味では不動産という気もする。NFT化されているので、仮にコピーされたとしても真の所有者は自分というのは証明できる。
でも、単に理解できていないだけかもしれないが、やっぱりただの作品であって絵や音楽といったものと何が違うのよ……という気はする。
現実世界と同じように限られた空間上の場所という意味での不動産、つまりは不動な財産でデジタルなものはないのかと思ったら、やっぱりあった。
メタバース(仮想空間)上のデジタル不動産(仮想不動産)売買
メタバース(ここでは不特定多数とやりとりできる仮想空間という意味で使う)上に区画が割り当てられ、それを所有できるというサービスがある。
その1つがThe Sandbox(仮想空間でいろいろ楽しむゲーム。概要をつかむには「あつ森」みたいなイメージでいいかと思う)のLANDというもの。バーチャルの土地。
ちなみに、The SandboxのLANDは2019年12月に最初の販売が行われ、4時間で完売。
最初のLANDプレセールでは、The Sandbox メタバースの3千点以上の土地を公開しました。 3,000LANDの全てがわずか4時間で完売した
仮想空間であればいくらでも土地を広げられてしまうので、初めにLANDの大きさは決められている。それらの一部を段階的に売り出している。2021年7月現在でもまだ売りに出されていない地域はあるので、興味のある人は参加してみるのは面白いかも。
ただ、NFTのやりとりになるので、まだまだハードルは高いものと思う。といっても、すでに多くの人が参加していてなかなか手に入らない、その他の問題(Botがいて邪魔してくるとか、ガス代だけ取られて終わりとか)もあるのが現状のようだ。
メタバースでの不動産業が可能
The Sandboxのサイト(Medium)を見ると、所有したLANDは他人に貸し出せるという記載もある。現実世界の不動産賃貸業と同じようなことができるというわけだ。
「借りてどうするのよ……?」という疑問がわくかもしれないが、そのLANDに行かないとできないサービスやゲームなどをつくることができる。なので、ショッピングセンターを所有してそこにテナントを入れるとか、テーマパークを所有してそこにいろいろと呼び込むといったところだろうか。
さまざまなデジタル不動産(仮想不動産)
The Sandbox以外にもDecentralandやcryptovoxelsといったところで、同様な形で不動産が売買されている。
不動産以外の収益化方法
この記事を書いた前日(2021年7月22日)には、The Sandboxでは第5.5弾のセールがあったようで、その中にはミュージシャンのためのLANDもある。ブロックチェーンをうまく使って、従来の枠組みとは別な形でミュージシャンが収益化できるような仕組みに取り組んでいるので、そうした面での収益化の可能性はある。
他にも、ゲーム、人との交流などなどいろいろとあり得る。
仮想不動産上で使えるアイテムも売買がやりとりされている。
まとめ
ということで、面白いなと思ったので仮想空間における不動産に関して触れてみた。
いろんな分野でいろんな進化が進んでいるので、自分のやりたいこと・好きなことがどんな形で実現できるかも可能性がかなり広がっている感がある。
もちろん、注目されても人気がなくなって途中で終わる、問題が噴出して頓挫、収益化できずにただの趣味、ということで終わってしまうこともある。
実際、調べていてMARC.SPACEという仮想空間上の不動産に関するサービスを見つけたのだが、今はサービスを停止しているものと思う。2018年にリリースしたものの、今はドメインがなくなっているからだ。以下の見込みがあったようだが残念。
MARK.SPACE が展開する仮想現実の世界市場は、Zion Market Researchによると、2022 年までに総収益高 268 億 9,000 万ドルの規模に達すると見込まれています
引用: ブロックチェーンベースの仮想空間 MARK.SPACE が住宅区域をオープン|MARK.SPACE PTE. LTD.のプレスリリース
そうした現実はあれど、 チャンスが増えていることは事実だろう。