iPhone、Androidのテザリングとは?セキュリティと料金、接続方法(WiFi、Bluetooth、USB)の比較

iPhone、Androidのテザリングとは?料金、セキュリティと注意点

スマホにPCや他のスマホ、タブレットなどを接続してネットにつなげられるのがテザリング(正確にはスマホでなくてもいいのだが、だいたいがスマホをモデム、ルーターのようにしてネット接続するのが一般的)。

このサイトでは、ノマドワーカーや、会社員が会社帰りや出社前にカフェ、出張先のホテルでネットにつなげるといった状況を想定しており、モバイルルーターを持っていることが前提。なので、あまりテザリングは使わないとは思うが、状況によっては必要になることもあるので、まとめている。

そもそもテザリングとは

Wikipediaによると、テザリングとは、こう書かれている。

通信端末を内蔵したモバイルコンピューター(携帯電話回線に接続されたスマートフォンなど)を外付けモデムのように用いて、他のコンピューター等をインターネットに接続することである。

引用:Wikipedia

要はネット回線が用意されている家やオフィスでなくても、携帯電話の回線につながっているiPhoneやAndroidがあれば、どこでもパソコンでネットができるようになるということだ。便利ではある一方で制約もあるので、無制限に快適に使えるようにはならない。

テザリングにかかる制限

スマホから先のインターネット回線に関しては、3G回線、4G回線(LTE)なら暗号化される。なので、問題ないと考えていいと思うが、スマホと端末(PCや他のスマホ、タブレット)の接続方法は考慮する必要があるだろう。

携帯電話の回線を使うので、WiFiでネット接続したスマホではテザリングできない

テザリングのイメージ図
テザリングは携帯電話の回線を使う

通常、テザリングする場合には、スマホの回線は3G回線か4G回線(LTE、ドコモならXi)になる。なので、例えば、0002softbankなど、携帯キャリアが用意しているアクセスポイントにスマホを接続して、テザリングすることはできない。

やってみると分かるが、スマホがWiFiでネット接続しているときにテザリングしようとすると、WiFiかテザリングどっちかにしろ、というアラートが出る(iOSの場合)。なので、通常、テザリングをするということは、3G回線か4G回線(LTE)での通信になる。

なお、USB接続のテザリングだとエラー画面は出ないので、接続できているように思えるが、実際にはできていない。IPアドレスを確認したり、スピードを計測したりすると分かる。また、3G、4G(LTE、Xi)回線を使わない設定にすると(モバイルデータ通信をオフにする)接続できなくなる。あくまで、iOS8でiPhone6の場合ではあるが、他でも同じだろうと推測できる。

スマホがWiFiでネット接続しているとテザリングはできない
iPhone(iOS8)をWiFiでネット接続した状態でテザリングしようとするとアラートが出る

何とかがんばれば抜け道はあるのかもしれないが、そこまでしてテザリングしなくてもいいのではと思う。それに通常では使えないようにしているわけだから利用規約に反するかもしれない。

ちなみにWiFiは本来はWi-Fiとハイフンが入るのだけれど、分かると思うので無視してWiFiとしている。

データ通信量による速度制限。

今のスマホは高速で通信できるデータ量の上限を超えるとかなり遅くなってしまうので、テザリングしすぎで上限を超える可能性がある。メールやチャットを使うくらいなら使えると思うが、だいぶ遅く感じるので、使いにくくなる。

高速通信ができるデータ量の上限は契約によるので一概に言えない。私はそこまで使わないので、月2GBのソフトバンクのプランにしていた。

今はMVNOに変えて月3GBにしていて、テザリングはできない仕様になってしまった。スマホの料金プランや機種によってはテザリングができなくなることもあるので注意したい。

テザリングにかかる料金

どんな契約かによるので一概には言えないが、ソフトバンクならスマ放題というプランに入っていれば、テザリングの料金は発生しない(この記事の更新時点。変わることはあるので要注意)。

auのテザリング料金

こちらのauのテザリングオプションのページによると、こうなっている。

auのテザリング料金2019年1月現在
auのテザリング料金(2019年1月現在)。タップorクリックすると拡大

ドコモのテザリング料金

基本は追加料金不要でテザリングが使える。ただ、ウルトラパックというデータ通信量を大量に設定しているプランの場合、有料が前提となっていて、今は無料キャンペーンということでとりあえずは無料で使えている、という状況。なので、今後、有料になる可能性はある。

ウルトラパックをご契約のお客さまがテザリングをご利用の場合、これまでは2018年4月から月額1,000円(税抜)の定額料が必要となることを予定しておりましたが、2016年9月のウルトラパック提供開始後の利用状況から、現時点で当社ネットワーク設備に対し大きな影響が発生していないこと等から、テザリング利用料の無料化を、終了期限を定めずに延長することといたしました。※1
これにより、ウルトラパックをご契約のお客さまは、2018年4月以降もお申込み不要、定額料無料でテザリングをご利用いただけます。

 
〜中略〜
 

※1 2018年4月1日(日曜)以降、キャンペーンを終了する場合は、事前にお知らせいたします。

引用: 報道発表資料 : (お知らせ)ウルトラパックのテザリング無料キャンペーンを延長 | お知らせ | NTTドコモ

ドコモの公式情報はこちらのドコモのテザリングの注意事項が記載されたページを参考にしたいところだが、いつもわかりにくい。

ソフトバンクのテザリング料金

こちらのソフトバンクのテザリングオプションのページによると、こうなっている。

ソフトバンクのテザリング料金2019年〜

ソフトバンクのテザリング料金(注意事項)2019年〜
ソフトバンクのテザリング料金。画像をタップorクリックすると拡大

Y!mobileのテザリング料金

こちらのY!mobileのテザリングオプションのページによると、機種によって使える、使えない、申し込み要不要があるようだ。

Y!mobileのテザリング料金

MVNO(格安SIM)のテザリング料金

MVNO(格安SIM)の場合は別途量金が発生することはないと思っていいが、使うスマホによってはそもそもテザリングができないこともあるので注意。詳しくはこちらのSIMチェンジといサイトが参考になる。

テザリングのセキュリティ

テザリングで考慮するセキュリティ
テザリングで考慮するセキュリティの部分

スマホから先の通信は傍受されても解析できないはずだし、そもそも対策のしようがないので、考えるのは、PCとスマホの接続部分。説明が面倒なので、スマホに接続してPCでネット接続するケースを想定する。

そう狙われることもないと思うので、そこまで心配する必要はないとは思うが、あらかじめ分かっていて対策できることはやっておいて損はない。

結論から言うとセキュリティはUSB接続のテザリングが最も安全。PCのバッテリーの持ちが気にならなければUSB接続がいということになる。

WiFiでテザリングはパスワード次第でまず安全

WiFiで接続する場合には普通はWEP、WPA、WPA2という方式で接続する。こちらで書いたとおり、WPA2が最も安全だが、WPA2パーソナル(PSK)の接続になるので、事前にパスワードを決めておく必要がある。そのパスワードが強固なら問題は少ない。

ノマドなら知らないとまずいカフェや外出先でのWiFiネットセキュリティ対策

ノマドワークスタイルに限らず外でネットに接続して何かしらやるなら、考えておく必要があるのがWiFiのネットセキュリティ対策(初稿:2015年6月4日、更新:2017年10月19日)。

ただ、ソフトバンクのテザリング設定( iPhone )のページを見ると、STEP7に、90秒以内にiPhoneとPCを接続しなくてはならないとある。

iPhoneのWiFiテザリング接続は90秒以内に接続する必要がある
iPhoneのWiFiテザリング接続は90秒以内に接続する必要がある

となると、そこまで強固なパスワードを設定しても、入力が追いつかないかもしれない。

Bluetoothでテザリングは危ない?

Bluetoothでテザリングする場合、Bluetooth経由でメールの内容が丸見えにに書かれているように、ペアリングする際に使われるPINコードが簡単な場合があるので、危険としている。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によると20文字以上のランダムなパスワードを推奨しているので、それ以上のものにしておけばいいだろう。

USBでテザリングは、まず安全

USBケーブルでPCとスマホを有線接続するため、第三者がデータを傍受することはまずできない。そのため安全と言える。

テザリングの接続方式(WiFi、Bluetooth 、USB)のメリットとデメリット

スマホやタブレットでのテザリングで使われる3つの接続に関して、それぞれメリット・デメリットをまとめてみよう。

Bluetoothテザリングのメリットとデメリット

Bluetoothでテザリングする際のメリットは、ワイヤレスで繋げられるのでコードが邪魔にならないし、USBのポートをふさぐこともないこと。ということ、PCの電池の消耗が少ないということ、そして複数台のPCやタブレット、他のスマホが接続できること。

デメリットは、通信のスピードが遅いこと。Bluetoothでのデータ通信の速度は2Mbpsなので、それ以上はどう頑張っても出ない。なので、複数台つなげたとしても、遅いのであまり意味はないだろう。

そして、セキュリティの項でも触れたとおり、簡単なパスワードで接続するとなると、パスワードを破られることになりかねない。

WiFiテザリングのメリットとデメリット

WiFiでつなげてテザリングする際のメリットは、Bluetoothと同じくワイヤレスでつなげられるので、USBのポートはふさがないし、コードが邪魔にならない。そして、複数台のPCやタブレット、スマホなどが接続できること。速度は、規格にもよるがIEEE 802.11bという1999年に制定された古い規格でも、データの転送速度は11Mbpsとなっている。

デメリットは、電池の消耗がBluetoothよりは激しいこと。セキュリティはUSBに比べると劣るが、ちゃんと強固なパスワードにしてWPA2で接続すれば、ます安全。

USBテザリングのメリットとデメリット

USBメリットは、速度が最も速い。USBの伝送速度はUSB2.0で480Mpbs、USB3.0で5Gbps(実質的には4GBps)なので、WiFiよりも断然速い。(USB1.0は12Mpbsだが、さすがにUSB1.0を使っているPCは使わないだろう)
また、USBケーブルで有線接続するので、データを傍受することはできないため、最も安全と言える。

デメリットは、1台しかつなげないこと、iPhoneの場合、iTunesががインストールされている必要があること、USBがつなげない機器は接続できないこと。

テザリング方法の比較(USB、WiFi、Bluetooth)

テザリングの方法について表でまとめるとこうなる。Bluetoothのメリットがあまりないように思えるが、PC以外のものと接続したい場合に使えることがある。

テザリング比較表(WiFi、Bluetooth、USB)
テザリングの接続方法による比較

テザリングのやり方、設定方法

設定方法は機種やOSの種類、バージョンにより変わるので、ヘルプなどを参考にするといい。例えば、iPhone(iOS6)の場合は、ソフトバンクのページを見ると分かる。iOSのバージョンの違ってもそれほど変わらないと思うので、設定できるはず。

まとめ

テザリングをするにはセキュリティの観点でも、スピードの観点でもUSB接続が最もいいことになるのでお勧め。

バッテリーが気になる場合にはセキュリティを考えるとWiFiで接続するのがいい。バッテリーがなくてどうしようもないなら、Bluetoothでという形がいいかと思う。

とはいえ、この記事内でもお伝えしたとおり、そもそも狙われるようなことは少ないとは思う。なので、あまり大げさに考えなくてもいいような気はする。httpsで通信するケースも増えているし。

ただ、起こってしまってからでは遅いわけで簡単できることならやっておいて損はないかと思う。空き巣の被害なんてそうは起こらないとは思うけれども、だからといって家の戸締まりをしない人はいないだろうし。

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