シリコンバレーで言われるYOLO!の意味と、それに従った人の話
以前、世界一初任給の高い会社はここ、という記事を書いた。外資系の会社ということだったが、いくら年収が高くても、体を壊したり、まったやりがいないなどであれば、意味がないと考える人は多いのではと思う。
が、価値観は人それぞれなので、バリバリ働いてお金を稼ぐのは何ら問題ないと思うし、それで体調がくずれてもいいと思う人もいるかもしれない。問題なのは、本当は収入が欲しいのに、世の中お金じゃない、なんていって逃げてしまうことかと思う。
高給取りとして有名なゴールドマンサックスを経て、アメリカの大手投資会社に転職したあるいわゆるエリートのエピソードが非常に素晴らしいと思ったので、それをお伝えしたい。
目次
YOLO(You only live once)
origamiというサービスを提供している会社の代表である康井義貴さんがWIRED誌の中で知ったエピソード。ちなみに、origamiはアップルが選ぶBest of 2013にも選ばれた次世代のショッピングアプリ。KDDIなどがから5億円の資金を調達している。
ビーターというすごく仲のいい同僚がいたんです。
UCバークレー卒で、ゴールドマン・サックスを経由してDCMに来た秀才なのですが、ぼくが辞める半年ほど前に、『会社を辞めて音楽をやるんだ』と言い出したんです。ぼくはてっきりSpotifyか、もしくは当時流行っていたTurntable.fmにでも行くのか、あるいは自分で新しい音楽系のサーヴィスを立ち上げるのかと思っていたら、『違うよ、歌手になるんだよ!』と(笑)。思わず『何言ってるの?』と聞いたら、『YOLO!』と彼は言いました。YOLOって、You only live once、つまり人生は一度きりという意味なんですけど、『大事なのは人生をどう豊かに生きるかでしょ?』って、真顔で言うんです。
コイツ、なんてカッコイイんだと思いました(笑)。彼はいまもバーやストリートで歌っています。彼の存在は間違いなく、Origamiをスタートする大きなスイッチになりました。
WIRED VOL.12 P.87(出版社:コンデナスト・ジャパン)より
大事なのは人生をどう豊かに生きるかでしょ?
Photo:IYOLAH By Fahim Fadz.
あなたが、もし「大事なのは人生をどう豊かに生きるかでしょ?」と言われたら、何をするだろうか?
もちろん、現実的なこともあるので、いろいろと考える必要はあると思う。ただ、人生の終わり際になってあれをやっておけば・・・と後悔するのは避けたいものだろう。
また、やってみたら何とかなる、ということもあるし、全ての準備がそろってから、なんて思っていると時間だけが過ぎていって結局何も始まらない。
全ての準備が整うことはない
私自身、2007年に務めていた会社を辞めるときには、それがいいかどうかは分からないが、次のことなんて考えていなかった。そこにはもういられないという感覚があって出なければならないという意識と、後になって悔いが残らないように世界を周ってみたいという思いの両方の思いがあって退職した。なお、誤解のないように書いておくと、別に変な会社だったわけではなく、むしろ良い会社だなと思っていた。
残念ながら仕事の内容には関心を持てなかったが、感謝することばかりで、ありがたい限りだった。あの会社員生活があったからこそ今があるとも思っている。
23区内にある格安の寮に住まわせてもらって、荷物の受け取りは管理人さんがやってくれるし、クリーニングも寮から出せる、社員食堂で安く食事でき、徒歩10分で会社に行けて満員電車とは無縁、研修もしっかりやってくれたし、たいていが心のやさしい先輩と同僚だった。
ただ、心の声はそこではやっていけないということを叫んでいた。もともと、会社に定年まで務める気もなかったのも大きいかもしれない。
先の見えない中でもなんとかなっている
それでも、その後、自分で小さなビジネスを立ち上げて何とかなって今に至っている。なので、先を考えずに飛び込むのはお勧めはしないけれども、意外と何とかなるものだなと思える。何かを手放すと、何かが入ってくるのかもしれない。
一度きりの人生で、失敗を怖れて妥協するのか、取れるリスクは積極的にとって挑戦するのか、人それぞれの価値観に従って思い切り人生をドライブしたいもの。