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女帝・奥田浩美さんの本「人生は見切り発車でうまくいく」で分かったすごさ

奥田浩美さんの人生は見切り発車でうまくいく講演

立花岳志さんのツナゲルアカデミーにて、奥田浩美さんの講演を聴いた。

奥田さんはITを軸に最先端の大規模イベントの開催、運営や、限界集落にITを浸透させる取り組みを行なっている方。ちなみに、女帝と呼ばれているのは、日本においてスタートアップという言葉が騒がれる黎明期にスタートアップのイベントなどの活動をし始めており、TechCrunchやMash up AwardなどITのスタートアップ系の主要イベントに関わるなど、大きな影響力があるということと、その慕われるキャラクターから。

人生は見切り発車でうまくいくという本の内容をもとに講演をしていただいた。ポイントは、講演の最後に提示してくれたガンジーのメッセージである

世界に変化を望むのであれば、自らが変化となれ。
ガンジー

ということ。

動くことの重要性を教えてくれた講演だった。そして、人生は見切り発車でうまくいくの本では読み取れなかった奥田さんの考えていることを知ることができ、そのすごさを知ることができた。社会をより良くしていくということをよく考え、実行されている大変素晴らしく、すごいなと思えた。

奥田さんのバックグラウンド

奥田さんの発想の原点になっているだろうと思えるバックグラウンドがある。当たり前だと思っている前提が覆るような体験をしてきていて、それが根底にあるように思えた。なので、講演の初めで話したいただいた話は重要な意味を持つと思えた。

その一つが亀の卵の話。奥田さんは子供の頃、鹿児島は屋久島に住んでいた。その頃の体験だ。

屋久島では亀が卵を産んだとき、1/3くらいの量の卵をとって、お年寄りや妊婦さんに売り歩くことがあったそうだ。こんな話を聞くと、人によっては亀がかわいそうだとか、亀の卵を食べるなんて・・・というマイナスの印象を抱く人も多いように思える。確かにその部分だけを知るとそう思えなくもないし、自然な反応かもしれない。

しかし実際は、お金儲けのために亀の卵を失敬するのではなく、得られたお金を亀の卵がもっと育つようにと亀の保護活動に使われていたのである。亀の卵を産卵したそばからとってしまうという行為は一見するとひどい行為だと考えられがちだが、その理由を知ると、決してひどいことではないと思えるようになる。同じ現象も、ものの見方によって解釈は代わり得るということ。

奥田さんがインド留学をした体験は講演の中では具体的にはなかったが、異文化でこれまでの常識を強烈にひっくり返されたように思う。

奥田さんの話を聞いていると、誰もが持っている思い込みとして存在している何らかの前提を覆すことで、柔軟な発想につなげているように思えた。

動く基準は「かっこいい」と思えるか

奥田浩美さんの人生は見切り発車でうまくいく

奥田さんの動く基準は、他人も自分もかっこいいと思えるようなこと。

自分がかっこいいと思うということは、やりたいと思えることであり、情熱も持てることである可能性も高い。他人からかっこいいと思われるためには、私利私欲のためにやることではなく、社会のためになるということ。

なぜ、かっこいいを基準にするといいのか?その理由は3つ。

1つは、何かしらやろうと思ったら困難はつきものであり、その困難を乗り越えるには、自分がやりたいと思え、情熱がないと難しいから。”かっこいい”という言葉の捉え方は人それぞれかもしれないが、奥田さんの考える”かっこいい”には、情熱や強い思いが含まれているということ。

2つ目は、後悔しないようにするため。
これがやりたいという理想を初めから低くしてしまうと、後から振り返ってあのとき本当はもっと・・・なんて後悔につながってしまうことがある。なので、これがいい!と強く思えてやりたいと思えることから考えていく。無理があれば、基準を少しずつ下げていくこともあるとは思うが、初めから基準を低くしているのと、高く設定して検討した結果、低くするのとでは大きな差がある。

3つ目は、社会のためになることであれば、協力者が現れやすいから。
自分の個人的な野望をいくら宣言しても協力してくれる人はいない。他人の私利私欲に付き合う人などそうはいないのだから。他人からかっこいいと思われるということは、その人の私利私欲が目的ということは基本ないだろう。共感が生まれるような社会性のあることでないと、他人からはかっこいいとは思われないはず。

これが奥田さんのいう”かっこいい”の例

奥田さんが取り組んでいるプロジェクトの一つである高齢者とIT。高齢者に基本的な機器の使い方を教えることで、人々の抱える課題を解決して社会貢献していくというプロジェクトがある。

例えば、徳島や鹿児島の限界集落でのIT活用の例。限界集落によっては、公共の福祉では限界があるそうだ。人数の限られている職員が限界集落の人たち全員を支えることはリソース的に無理がある。なので、住民同士でうまく助け合いながら生活するためにIT機器を活用しようという試みを行なっている。

それだけだと一見、高齢者にIT機器を普及させようというようなよくありそうな話に見えるが、もっと奥深い。

高齢者によって発見された新しいニーズ

高齢者にITを教えるのは無料。その代わり、フィードバックをもらえるようにしている。何が分かりにくい、使いにくいのかはもちろん、IT機器への前提がベンダーとは全く異なる人による、想定外の使い方など。それがIT機器の提供側にとっては新たなニーズの発見につながるなど、貴重な情報となり、価値が生まれビジネスが成り立っている。

例えば、想定外の使い方、つまりは今まで分からなかったニーズの例としてiPadの話があった。

80歳を超えたおばあちゃんが手にしたiPad。子供が耳の聞こえない人で、電話を使うわけにもいかず遠隔地にいる子供とのコミュニケーションをとるのは難しいことがった。そこにタブレットが登場することで、映像で手話でのやりとりができるようになってコミュニケーションの幅が広がった。

その後、iPadの操作を覚えていったおばあちゃんは、iPadで写真を撮れることが分かった。そこで、寝たきりになった同級生のところに行って写真を撮って、別の同級生のところに行って、撮った写真を見せながら会話に花を咲かせていた。ネットにつないでてはなくてリアルのコミュニケーションにiPadを活用した。IT機器ありき、機能ありきの頭では生まれにくい発想だろう。

さらに、近所のお店で見かけたスカーフの写真を撮って「あなたに似合うかもしれないから今度買ってこようか」といった話をするなど、iPadの通信機能云々は使わず、写真を中心としたコミュニケーションツールとして使っていた。こうした実際にどう使うのか?というのは、ベンダー側だけではなかなかいいのは生まれないように思えるし、新しいニーズを知るきっかけにもなる。例えば、この使い方からは買物代行の需要があるのでは?ということが分かる。

最先端技術の盲点を突く高齢者の力

そして、もう一つ。

高齢者にIT機器を使ってもらうことで、前提が覆ってしまうこともある。あるカンファレンスで絶賛だった次世代のウェアラブルデバイス。手のジェスチャーによって操作が可能になる画期的なデバイス。

ところが、高齢者に使ってもらったところ「使い物にならない」という声が。「そもそも人は空中に手をずっと置いておくなんて事はしないね、第一疲れるし」という前提が覆ってしまうような厳しい現実が露わになってまった。

ベンダー側は、今までできなかったことができるようになる画期的な技術など、つい技術の発展に目が向いてしまう。しかし、そもそも必要なのか?という根本的なことを忘れて没頭してしまうこともある。技術革新は大切なことだが、それを使う人間が必要としていなかったり、使いにくくては意味がない。

ベンダー側の前提では見えない視点

ただ、高齢者の意見は「使えない」という意見だけではなく、寝たきりの人に使ってもらうといいねというような意見もあった。研究室にいては気付けない視点だろう。ITありきで考えるのではなく、それを使う人がどう使うかということが重要だという当たり前といえば当たり前のことが分かる。

新しい価値交換の仕組み

価値交換の変換

そして、こうした高齢者とのやりとりによって貨幣の交換という価値交換ではなく、ナレッジの交換にって生じる価値の交換という新しい価値交換のモデルが生まれつつある。

高齢者からお金をとってIT機器の使い方を教えるというのは、おそらく成り立たない。お金を払ってまでIT教育を受けようという高齢者は稀だろうから。


でも、無料なら教えてもらおうという人も現れる。ただ、教える側も活動にはお金が必要。そこで、高齢者からは無料で教える代わりに、意見やどう使っているかなどのフィードバックを情報としてもらう。得られるフィードバックの声はそれが直接お金になるわけではないが、ベンダー側にとっては市場の声は価値がある。より良い製品開発に活用できたり、新しい需要が分かって新たな市場が作れるかもしれないのだから。

高齢者とのやりとりにはナレッジの交換という価値交換が行なわれ、ベンダーとのやりとりには貨幣による価値交換が行なわれることになる。非常に面白い取り組みだと思う。労働人口に入っていない高齢者たちが間接的に経済的な貢献につながることになる。

どう動いていくか

動けといっても、もちろん何も考えずに闇雲に動けということではない。やりながら改善していく必要があるし、自分自身が成長しながら動いていくことで目的が達成される。

そのために役立つのが、アウェイの場に身を置く機会をつくって違和感を感じるようにするこということ。

違和感を味わうということは、そこに自分に足りない要素があるから。違和感の正体が分かれば、自分に足りない要素が判明し、自分の持つ選択肢の幅が広がる。自分では分かっていない思い込みや気付いていないことが分かるので、今まで見えていなかったことが見えるようになるわけだ。だから、単に違和感を感じる場に身を置くのではなく、なぜ違和感を感じているのか?ということを考える必要がある。

また、自分とは違う考えを持つ人、あるいは、あまり好きではないと思う人からもヒントが得られるので、積極的に自分とは違う人と会うといい。

自分とは違う人は反対意見を持っていて敵対しているように思えたり、好きじゃないなと思ってしまうこともある。だが、自分とは違うが故に、自分では思いつかないようなことを思いつく人だともいえる。

自分が壁にぶつかっているときは、自分では見えない視点、つまりは自分とは違う人の視点があると、突破口になることがある。だから、嫌いな人も自分が困難を乗り越える際に助けになる。

人間、つい毎回同じ、似たような人とつるみたくなるものだが、そこを敢えて「?」と思えるような人との出会いを大切にしていたのは、さすがだと思えた。

動くことでやりたいことも見つかる

女帝、奥田浩美さんの本「人生は見切り発車でうまくいく」

やりたいことが見つからない、分からないという人はたくさんいる。行動を重んじてどんどん動いていくことで、やりたいことが見つかるという効果も期待できる。

奥田さんの経験から言えるのは、ワクワクすることが直線で見つかったためしはないということ。無駄になるかもと思えるようなことも動いて紆余曲折を経て見つかっている。それに無駄かどうかは、そのときには判断できない。後々、振り返ったときに判断できるものだし、そもそもどう捉えるかでも変わる。(この辺りはアドラー心理学の自己決定性という考えと同じかと思う。)

動いていると、必ずといっていいほど困難が訪れる。たとえ、困難にぶつかっても諦めずに進んでいけることであれば、それが軸として自分の中に存在していることだと考えることもできる。動いてみることでやりたいことが見つかっていく、というのはそういうことだろう。

なお、奥田さんの場合、より速く世界が幸せになればいいという考えが軸にあるようだ。なので、ITというのはその手段の一つ。世界が幸せになるならITでなくても構わないそうだが、奥田さんの中では、ITがピッタリなので、ITに関連したことを続けているというように思えた。そして、それは頭で考えて分かったのではなく、行動していくうちにどんどん分かっていったように思える。

奥田さんが特別恵まれた環境にいたわけではない

奥田さんの親の介護という現実を最後に見せてくれた。また、子供の頃の話を聞いても、裕福で恵まれていた、なんてこともなかった。

結果を出している人は、特別だからと考えてしまう人もいるが、そうとも限らない。どう捉えて、どう動くか?がポイント。いつだって自分を制限しているのは自分。

感想

奥田浩美さんの「人生は見切り発車でうまくいく」

自分にとって印象的でなるほどと思えたのは、大きく3つ。

1つは、奥田さんの体験から来ていると思える、思い込み、前提とてっていることを超えることで新しい発想、価値が生まれるということが柱になっているのだろうということ。ものの見方をどう変えるかによって新しい価値が生まれたり、自分の成長につながったりするのだということだ。新しい価値が生まれるというのは、高齢者とITの例で分かるし、成長に関しては、自分と違う人(キライであっても)も大切にするという多様性を受け入れる寛容さと謙虚さで分かる。

もう1つは行動することについて。
なぜ、動くといいのか?動く基準は何なのか?どう動くといいのか?動くと何が起こるのか?といったことがなぜなのか?という理由とともに分かったのは、今後、自分に活かそうとするときに役立つのでとても良かった。

なるほど、確かに

世界に変化を望むのであれば、自らが変化となれ。
ガンジー

ということだ。

そして、3つ目は奥田さんの見ていることについて。

奥田さんが取り組んでいるIT支援は高齢者を対象としているというわけではないということ。実質、主に高齢者を対象にITの支援をしているのだが、ITに遅れをとっている人という括りの中に高齢者がいるということ。奥田さんが手助けしているのは、一見すると高齢者を対象としているように思えるが、実は本質的にはそうではなくて、ITに遅れをとっている人なのだ。

これは、ITの進化とそれを使う人間との間にあるギャップが広がっていくことの懸念からくるようだ。私たちは今は何ら不自由なくIT機器を使えているかもしれない。しかし、技術革新がどんどん進み、それを使う人間がそれに追いつけなくなっていったら、今の我々もITに遅れをとるようになる可能性があるということ。

個人的には信じがたいことをするなと思うが、フリック入力で論文書く学生がいるんだそうだ。スマホが中心になっている世代は、キーボードよりもフリック入力のほうが慣れているし、速いというわけだ。彼らが社会に出て世の中を引っ張っていくようになったとき、果たして我々はついていけるのか?30年後は我々もITに遅れをとる人間になっているかもしれない。

奥田さんのよく考えられた活動には脱帽した。見切り発車、行動、動く、という言葉だけだと「考える」ということをないがしろにしてしまいかねないなと思うが、奥田さんのやっていることを見る限り、しっかりと考えながら行動していることが分かる。主体的にやりたいことをやって動いていくからこそ、考えも進んでいくのだろうなと思えた。

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