イミテーション・ゲームのあらすじとチューリングの成功とビジネスの関係
今回はあなたのビジネスにも関係してくるであろう、こんな話を紹介したい。アカデミー賞にノミネートされたイミテーション・ゲームという映画だ。ありがたいことに、初めて試写会というものに参加できて、一般公開前に見ることができた。
画像:GAGAの公式ページ
映画が始まる前に、チューリングの本を翻訳している服部圭さんの解説を聞くことができたこともあって、非常に面白く映画を見ることができた。
ネタバレにならないように気をつけたつもりだが、責任はとれないので、まだ見ていない人で絶対にネタバレはイヤだという人は読まない方がいいかと思う。
目次
イミテーション・ゲームの舞台は第二次世界大戦のイギリス
1939年、第二次世界大戦中のイギリス。国中から選りすぐりの頭の切れる男たちがある施設に集結した。集まったのはチェスのチャンピオンや言語学者、数学者などの”賢い”連中だ。
全員が揃うと、男たちを集めた人物が開口一番に言い放ったのはこれだ。
「これから話すことを一言でももらせば、反逆罪で死刑だ」
国家機密の重大プロジェクトがスタートした瞬間だった。
集められた男たちは、当時、ドイツ軍に苦戦していたイギリス軍が招集した頭脳集団なのだ。彼らが呼ばれた背景は、当時、解読不可能とされていたドイツ軍が開発した暗号にある。
エニグマという機械が弾き出す暗号の組みわせ数はなんと10の18乗以上。(100万 x 100万 x 100万以上)10人が1日24時間働き続けても、全ての組み合せを調べ終わるまでにかかる時間は、2000万年・・・。
到底、解読は不可能とされていたが、その暗号を解読しなければ、イギリス軍は敗北してしまうほど軍は追い詰められていた。
水面下で行なわれていたこと
男たちは、チームで暗号解読に臨んでいた。毎日、タイムリミットに追われながら、何とか暗号を解読しようと躍起になっていた。選りすぐりの頭脳が暗号解読に有効だろうと思われる方法に懸命に取り組むが、一向に成果は出なかった。
それでも、諦めずに朝から晩まで紙と鉛筆を使ってアルファベットと格闘している中、一人、単独行動をする変わった人物がいた。数学者として名高いアラン・チューリングだ。現代のコンピュータの元となるチューリングマシンをという機械を開発した人物だ。
チューリングは、なにやら紙に書いて図を描いては、壁に貼るということを延々繰り返していた。あげくの果てには、なにやら機械を作るから部品を買ってくれと、億単位のお金を軍から出させていた。
それを見た同僚からは、当然のように
「皆、一生懸命やっているのに、お前は一人で何をしている!」
と、激しく責められた。
それでも、チューリングは意に介することなく、作業を続けていた。機械に対抗できるのは、機械だけだという信念を貫きながら。
繰り返される失敗
チューリングを除く男たちは、変わらず今までのやり方で、暗号解読に取り組んでいたが、なかなかうまくいかなかった。これで解読できるかも?という淡い期待を抱いては崩れる、ということを何度も繰り返していた。
あまり詳しく書いてしまうと、ネタバレになっしてまうので、結論を急ぐことにするが、結局はチューリングが正しかったことになる。今までの延長で考えていたことでは暗号は解読できなかったのだ。最終的には、チームでチューリングの機械を作り、エニグマの解読を実現した。
ちなみに、チューリングの貢献により、2年以上、戦争の終結が早まったとされている。今のコンピュータの元を作ったのもチューリングであり、今の生活があるのはチューリングのおかげといっても過言ではないだろうと思う。
イミテーション・ゲームから分かるビジネスの秘訣
さて、だいぶ端折ってしまったが、ビジネスをやろうという人にとっても、このストーリーだけでもいろいろと分かることがある。
- 結果が出るか確実に分からない中でも、諦めずに続けるということ。
- 他人からなんと言われようとも、信念を貫き、諦めずに続けるということ。
- 信念を持ちながらも、独りよがりになるのではなく、他人との協力の中で相乗効果を発揮させること。
など。
会社員をやりながら副業でビジネスを始める人の中には、生活がかかっていないせいもあってか、すぐに諦めるケースがよくある。なので、こうしたメンタリティはとても重要だと思っている。
結果が出るか確実に分からない中でも、諦めずに続ける
どうせだめならやらずに諦めるより、やってみて諦めるほうがいいように思える。もちろん、失敗したときに失うものを考えた上で、だが。どうせ何もしなくても、時間だけは確実に経過するのだから、チャレンジしてみるのは価値があるのでは?と思う。
他人からなんと言われようとも、信念を貫き、諦めずに続ける
エレノア・ルーズベルトが非常に素晴らしい言葉を遺してくれている。
あなたの心が正しいと思うことをやりなさい。どっちにしても、批判されるのだから。
エレノア・ルーズベルト
信念を持ちながらも、独りよがりになるのではなく、他人との協力の中で相乗効果を発揮させる
他人からなんと言われても諦めないというのは、独りよがりになるということではない。中傷は無視しなさいということ。建設的な批判には、耳を傾けたほうがいいに決まっている。一人だと見えないことがあるので、良からぬ方向に進んでしまうこともある。
まとめ
性的マイノリティのことを考えた映画とも言えるし、軍事機密のためにチューリングの功績が広まっていなかったという歴史の闇のようなことを考える映画とも言える。いろんなテーマが描かれていて本当に面白い。そして、ビジネスにも通じることがいろいろと学べるいい映画なので、見ていただくといいかと思う。お勧めだ。
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From:@ksaito54 広尾のスタバより