即戦力よりすごい?尋常ではない就職活動で内定を勝ち取った学生
あなたが会社を経営している、あるいは人事を担当しているとして、こんな方法で採用面接を希望してこられたらどうだろう? かなり変わっている。クリエイティビティとも言えるが、まあ尋常ではない。
日本でも面白い就職活動をして内定を勝ち取り、就職にこぎ着けた学生がいるが、海外にもまた同じように面白い方法で就職を勝ち取った人がいる。
こんなアイデアと実行力があったら魅力的かも?
(初稿2014年11月30日、2016年2月1日更新)
目次
オーストラリアの学生がやったすごい就職活動
日本では即戦力の男、なんてページをつくって面接してやるぞというアピールで内定を勝ち取った人がいる。確かLIGに入社した(その1年前にも似たようなことをやった人がいたようだ)。
オーストラリアでは、また別の形で変わった就職活動をした学生がいる(2人組)。彼らがやったのは、就職したい会社にいる有名なクリエイティブ・ディレクターの「あるもの」を取ったこと。
そして、あろうことか脅迫状を送った。
彼らが取ったものと脅迫内容
彼らは著名なクリエイティブ・ディレクターの名前でドメインを取得したのだ。そして、こんな脅迫状を送りつけて、そのドメインにアクセスするように仕向けたのである。
結果、どうなったのか?10人の候補のうち7人が実際に面接すると言ってくれたそうだ。
そして、目と口だけが出る怪しい帽子をスッポリとかぶって会社の受付に行き、そのままの格好で面接したらしい。就職も決まった。
可能性を見る
何のつてもないところから、目当ての人たちと会って目的を達成する、何ともまあ見事である。ビジネスの世界は答えのない中、手探りでやって結果を出さないといけないので、ここまでできる人たちなら採用されるのも当然かもしれない。
個人的にはちょっと行き過ぎている感が否めないが、アイデアはとても面白い(脅迫のような形なら社員が社長を……といった内輪ネタみたいにやると、第三者に迷惑はかからないのでいいかなとは思う。実際、やったところもある。LIGは脅迫ではないが、社長が砂浜に埋まっていたし……)。
ただ、すごいなと思うのはアイデアではなく、その実行力だろう。たいていの場合、アイデアは出たとしてもここまで大胆なことはそうはできない。
一方で考えずに抗議するだけの学生も
以前、岩波書店が採用に関して発表したところ、クレームが来たそうだ。岩波書店が発表した内容は、岩波書店の著者の紹介か社員の紹介がない者は受け入れない、というもの。コネ採用のような制度にしたというわけだ。
すると、「不平等だ、コネの入社とは何事だ」といった具合に、クレームがあったそうだ。
抗議するのもいいが、工夫したほうがもっといい
個人的には、何を言っているのか意味が分からないところ。クレームを言う側が。もちろん、差別だったり行き過ぎたコネ入社はよくないようには思うが、公の機関ではない民間企業がそこまで言われるのか?という感覚だった。
そんなに就職したかったら文句言ってないで、何とかがんばって社員とつながりを作るとか、著者とつながりをつくるとか、考えて実行したらいいのでは?という意見があったようだが、まったくその通りだと思う。
本当に入りたいのならコネをつくる活動も就職試験の一環として捉えて何とかするのでは?とも思える。そこまでできないなら、結局その程度の入社希望意思ということだろう。要は自分が持っていないもので差をつけられるのがイヤなだけということに思える。
会社側もリスクがあるわけで、もしそれでそもそも人が集まらなかったり、良い人が来なかったらその会社が痛い目を見るだけの話。
立場を変えると
これは立場が反対になったらどうだろうか?
ふとご飯を食べに行こうと思って知り合いの店に行こうとしたら、近所の店があんたの知り合いの店に行くなんてズルい!ウチの店が選択肢にないなんて不平等だ!なんて言われているようにも思える。そんなこと言われても知るかよ……という感覚が普通だろう。
まとめ
オーストラリアの学生2人のように何のつてもなくても、キーマンに会って目的を達成している人もいるわけなのでちゃんとやれる人はやれる。
もちろん彼らのような人たちはそうはいないだろうし、誰でもできるようなことでもないだろう。また、彼らは優秀だから彼らのようなことをするのが良いというわけでもない。ここでのポイントは主体的に自分の頭で考えて動いていくということかと思える。
壁にぶち当たったら、それで思考停止してしまうのではなく、どうやったら先に進めるかを考えるようにしないと新しいことは何もできなくなる。ビジネスなんて計画どおりに行くことはまずない。必ずといっていいほど障害が起こるし、想定外のこともよく起こる。それで文句を言っていても何も始まらない。何ができるか選択肢を出して、最善と思えることを実行していくしかない。
こんなことを書きつつも、正直、学生時代の自分だったら間違いなく会社に文句を言ってそうな気がする……。でも、今はまったくそうは思わないので、人間は変わるもの。