起業ネタを探すなら「無駄」に注目するといい? 秀逸な事例3つ
世の中にある無駄をなくすというのは価値あることであり、それがビジネスになることもある。ここ最近は、こちらでも書いたとおり、先進国ではサーキュラーエコノミーと呼ばれるような流れもある。
ただ、価値というのは人それぞれあるので絶対的な基準はないと思うのだけれど、多くの人に共通することはある。それが冒頭の無駄をなくすということ。こちらでもいくつかご紹介したが、さらにいくつか別なビジネスがあるので、そちらを取り上げてみたい。
せっかく売れたのにキャンセルされるというのはビジネスをやっているものとしては痛いこと。これが飲食店などで、コストをかけて材料も準備したのにいきなりキャンセルなんてやられると無駄になってしまう。事業としても無駄が出るし、何より食べ物の無駄。
あるいはこちら。
こうして廃棄物がアイデア1つでヒット商品に変わった3つの事例
廃棄物。通常なら捨ててしまうのが廃棄物だ。場合によっては捨てるのにお金がかかることもある。 が、一方で価値のないゴミが突如、価値ある商品に変わることもある。お金をかけて処分していたのが、一変してしまうというわけだ。 そんな発想の転換に成功した事例がいくつかあるので、それらをピックアップしてみた。
起業ネタとしてこの無駄をなくすという観点は1つの良いポイントになるものと思うので、事例として以下の3つを取り上げてみたい。
- 破棄野菜をクレヨン化(おやさいクレヨン)
- サンプル品の高確度マッチング(aircatalog )
- 売れ残りの再販売(Optoro)
目次
破棄野菜をクレヨン化(おやさいクレヨン)
おやさいクレヨンのサイトの画面キャプチャ
無駄に捨てられていた野菜を活用した「おやさいクレヨン」。mizuiro株式会社という青森の会社が手がけている商品。
このクレヨンは野菜と米の油からできていて、こちらのおやさいクレヨンの商品案内ページにあるとおり、規格外で捨てられてしまう野菜や、出荷のときにカットされる部分をメインに使っていて無駄になっていた野菜をうまく活用している
安全性が高く無駄をなくすというような形での教育にも良いなど、理由はいくつかあるだろうけれども、どんどん売れているとのこと。
他にも、花からつくったクレヨンや米からつくったクレヨン、野菜の粘土など他の商品もいくつかあって、いずれも環境や安全性に配慮している。
日経ビジネスの記事によると、2017年8月期の基準で売上は6000万円だそうだ。
また、同記事によると、創業者のほうれん草を茹でているときににじみ出た緑色を見たときに起業の構想ができたそうだ。そこからクレヨンに発想が飛ぶことは普通はなさそうな気がするので、普段から何かしら考えていた結果かなと思える。
サンプル品の高確度マッチング(aircatalog )
aircatalogのサイトより画面のキャプチャ
自社商品のサンプルを配布している企業は、濃い見込み客、つまりは購入につながる可能性が高い人に使ってほしいもの。
が、実際には、なかなかそうもいかず単にサンプルだけ手にしたいいわゆるサンプルゲッターと呼ばれる人に持っていかれるとか、今の時代は転売目的で手にする輩もいるとのこと。
企業にとってはそこに無駄が発生しているし、その商品が欲しいと思える人にとってみたら機会ロスとも言える。
それを解決しようとするのがaircatalogというサービス。
aircatalogにオフラインの店舗や施設にサンプルがたくさん登録されていて、そこにサンプルを登録することでマッチングしてくれる。
また、見込み客がサンプルを使って気に入ったら、その施設から買うこともできるというのはaircatalogの特長の1つかと思う。
- 商品を販売したい企業は結果につながりやすい見込み客にサンプルを配布できる
- サンプルを置く施設は利用者に追加でサービスができるうえに販売もできるので売上にもつながる
- 消費者は自分に合った商品を見つけられる
ということで関わる人たちが皆嬉しくなるような仕組みで秀逸だなと思える。
売れ残りの再販売(Optoro)
optoroのサイトより画面キャプチャ
ネットショップの売れ残りや返品された商品を再販するのがOptoro。2010年に創業しているアメリカの会社。
それを独自の技術で再販にこぎつけて利益を得ている。場合によっては修理することもあるようだ。
売れないのはやがて破棄されるのがオチだろうから、必要な人に届けられて商品として復活して利益につながるならそれに越したことはない。売る側も買う側も両方にとってプラスになる。
なお、商品の売れ行きというのは売り方によっても大きく変わるもの。大ベストセラーとなっている本、7つの習慣は一度絶版になっているほどなので、その影響度の大きさは分かるかと思う(もちろん、売れないものは何しても売れないということもある)。
身の回りの無駄を洗い出してみると起業につながるネタがある?
物理的に破棄してしまっている商品があるとか、ロスが大きいとか無駄といってもいろんな観点から考えられる。
冒頭でもお伝えしたとおり、他にもこうした事例はいくつかあって、いろんなビジネスが生まれている。
こうして廃棄物がアイデア1つでヒット商品に変わった3つの事例
廃棄物。通常なら捨ててしまうのが廃棄物だ。場合によっては捨てるのにお金がかかることもある。 が、一方で価値のないゴミが突如、価値ある商品に変わることもある。お金をかけて処分していたのが、一変してしまうというわけだ。 そんな発想の転換に成功した事例がいくつかあるので、それらをピックアップしてみた。
せっかく売れたのにキャンセルされるというのはビジネスをやっているものとしては痛いこと。これが飲食店などで、コストをかけて材料も準備したのにいきなりキャンセルなんてやられると無駄になってしまう。事業としても無駄が出るし、何より食べ物の無駄。
また、このような形での無駄をなくすというのは先進国なら時流にのっているとも言える。
サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)というのが注目されているというアクセンチュアの記事を読んだ。 サーキュラーというのは循環するという意味。ここでの意味は、大量生産→大量消費→大量破棄というのではなく、一度作ったものを長く使って壊れたら修理、修理できない状態になったら素材を再利用といったように、
逆にこちらの「不便益」のように無駄があるところに価値があるなんてのもあるので、無駄をなくすことに固執することはないのだけれど、起業ネタの1つの観点としては有効かなとは思える。
“不便益”という概念がある。不便益システム研究所によると、 不・便益ではありません。不便の益 (benefit of inconvienience) です。 不便で良かったこと、ありませんか? 引用:不便益システム研究所