一風変わった「死」に関する代行業3つ、散骨代行、葬儀参列代行、墓参り代行

一風変わった「死」に関する代行業3つ、散骨代行、葬儀参列代行、墓参り代行

うまくいくビジネスのやり方として「人の嫌がることをやる」というのがある※。起業する上でも副業をする上でもうまくいく観点の1つ。

その代表例が代行業。家事代行サービスなんてのは利用したこともあるし、旅行代理店も面倒な手続きをやってくれると言える。

そんな代行業のなかでも、あまり一般的とは思えないような一味違った代行サービスをご紹介したい。「死」に関する次の3つの代行サービスだ。

  1. 散骨代行
  2. 墓参り代行
  3. 葬儀参列代行

※さすがに補足はいらないと思うけれども、人に嫌がらせをして、という意味ではないのは当たり前の話。人の家の前に穴をほって埋めるから金を払えなんてのはただの迷惑行為なわけだし。そうではなくて、やらないといけないけど億劫だとか、面倒だとか苦手でやりたくないとか、よくわからないとか、あるいは気分的にやりくないとかそういう類のもの。

散骨代行サービス

遺骨を海などにまくあの「散骨」を代行するサービスがある。

ちなみに散骨自体は別に許可がなくてもできるようなので、やろうと思えば自分で散骨することはできる。

ただ、やりたいけど気持ちの面でちょっと……という人は多いものと思う。もちろん、そうでない人もいるけれども、これは家事代行も同じこと。事業としてみたときに大切なのは需要があるかどうか。

散骨代行に関してはテレビでも放映されており、この記事を書いている時点では需要が伸びている分野だそうだ。検索すると広告がバンバン出るわけでいろんな業者がしのぎを削っていそうだ。

散骨代行が伸びている理由

では、なぜ散骨代行が伸びているのだろうか?

散骨すること自体は資格がいるとかそういのうはなく、一般人がやっても違法にはならない(条例で禁止されている地域はある)。ただ、注意点もいくつかある。

そうしたこともあって、散骨代行は伸びているようだ。その理由をまとめると次の3つ。

  1. 骨を細かく砕くプロセスに難がある(実は毒性が強く危険な場合もある)
  2. 場所選びや実際にまくまでに手間がかかることがある
  3. 墓を建てるコストの問題

骨を細かく砕くプロセスに難がある(実は毒性が強く危険な場合もある)

その1つが骨を細かく砕かなければならないということ。具体的な基準値はないようだが、一般的には2〜3ミリくらいにするようだ。

細かく砕く必要があるのは人骨だと認識されないようにするため。人骨がその辺に落ちていたら大問題になってしまう。

細かく砕くだけなら適当に道具を使えばやれるとは思うが、気分的にやりたくないという人はいるだろう。

そして、それ以前の問題として、高温で焼かれた人骨には毒性の強い六価クロムが基準値の300倍もあるそうだ(※)。

散骨のため遺骨を粉末に、下町の粉骨工場を見学したより。一方、こちらの「遺骨には六価クロムという有害物質が含まれていると聞きましたが大丈夫でしょうか?」という散骨代行サービスの業者のページによると遺骨に必ず六価クロムがあるとは限らないようだ。なので、六価クロムが含まれていることがあるという認識が正しいように思う。

また、まく場所は基本的にはどこでもいいとはいえ、近隣住民がいるとなると難しいこともある。もし、海にまくとしても沖に出て散骨するとなると船を用意しなくてはならない。

こうした背景もあって自分でやるより代行してもらったほうがいいというわけだ。

墓を建てるコストの問題

あとはお墓を建てるとなると、100万年単位でかかるわけでそれなりの費用がかかる。また、都心ならそもそも場所がないということもあり、より一層高くなるかもしれない。

墓石はなく位牌だけが収められているだけ、なんて形の墓ならないのと散骨してもたいして変わらないのでは? と考える人もいるかもしれない。

もちろん、個人が生前に散骨にしてくれと言っていたなんてケースもあるので、一概にコストの問題とは言えないが。

副業でやる人もいる墓参り代行

単に墓参りするだけでなく掃除をしたり、草むしりをしたり、場合によっては墓の補修をしたり、クリーニングしたりと付帯するサービスもいろいろだ。

5000円くらいからあるようで、リピートしている人もいる。

頼む人は体力的にきつくなってきた高齢者がメインらしいが、海外に移住した人や海外まではいかなくても遠方に住んでいる人など、さまざまなケースがあるとのこと。

ちなみに墓のクリーニング業はフランチャイズもあるようだし、代行業で調べると無数のサービスが出てくるのもわかる。それだけ需要のあるビジネスということになるのだろう。

墓参りを他人にやってもらうなんて……という人もいるとは思うが、自分がどう思おうと、やってほしい人はいる限りはビジネスとして成り立つ。

葬儀参列代行

葬儀の参列代行なんてのもある。

どんな人が頼むんだろうかと思ったら代行業者のサイトにはお客様の声として以下のような記載があった。

息子の葬儀で会社関係者として参列してもらいました。
ずっと定職に就くことがなかった息子ですが、ご近所や親戚からの目もあるので、会社関係者の方として14名代理の方をお願いしました。上司、同僚、部下、取引先とそれぞれお願いしたおかげで亡くなった息子も、残された家族も恥ずかしくない葬儀が出来たと思っています。有難うございました。
 
祖父の葬儀で代理出席をお願いしました。
生前、元気なときは演歌を歌うことが大好きな祖父で、人が集まる時や、お友達や孫である私とカラオケを楽しんでいました。最後のお別れも大好きだった演歌を歌って送り出してあげたいと考えたのですが、お友達も他界された方が多く…。明るい雰囲気にしたかったので思い切って葬儀の代理出席を頼みました。皆で祖父の好きだった歌を歌ったことでより強く祖父との思い出を思い出すことが出来ました。ありがとうございました。

引用: 葬式代理出席

いろんな需要があるもの。

料金は業者や何をするかによって変わるとは思うが、上記の引用元の例だと1人1万円だそうだ。 

まとめ

散骨代行が面白いなと思って他のも追加しているので、やたら分量に差はあるけれども、ビジネスとしてこんなものもあるということ。

分野が分野だけにやりたいやりたくないとか、情緒的な話、モラルの話は特に重要にはなりそうだが、事業として見たときには収益性の期待できる分野かなとは思える。

ちなみに葬儀屋が儲かる理由を現役の人から聞いた話はこちら。

田舎の葬儀屋はこうして利益を出す。意外な利益の源泉を当事者から聞いた

彼岸の時期に墓参りに行こうと思い実家に帰った。 家で昼ご飯を食べ終わり、くつろいでいたところ、たまたま親戚のおじさんがやってきた(よくある架空の人物ではなく本当に親戚。叔父)。 そのおじさんは葬儀屋で働いている。地元の高校を卒業してずっと地域の金融機関で働いていたのだが、いつの間にか葬儀屋に転職していた(詳しい事情は知らない)。 私が子供の頃に比較的高級な車に乗っていたので、バブルの頃は羽振りがよかったんだな……と今になって思う。ただ、時代の流れにそのまま乗っているような気がしていて、どこにでもいそうな普通のおじさんという印象だった。

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