少しの親切で売上アップしたマーケティング施策の事例、アイデア
ビジネスを始めたはいいものの、なかなか思ったように売れずにどうしたらいいか悩んでいる人は多い。いろいろやってみるけど、なかなかうまくいかない……。しかしながら、ちょっとしたアイデア1つで改善することもある。
スモールビジネスの例ではないが、例えば、アメリカのマヨネーズを売る会社がそうだ。その会社はマヨネーズを置いてくれているスーバーと組んで、ある仕掛けを施した。すると、初月から売上が44%アップしたそうだ。
一体、何をしたんだろうか?ヒントはレシートだ。
なお、この仕掛けをつくるのにそれなりの投資はしたようなので、個人が同じことを真似しようと思ったら厳しいとは思うが、大切なのはアイデアを生み出した考え方。なので、個人がやるようなビジネスにでも十分に応用は可能。
初月から売上44%増になった魔法のレシート
スーパーで買い物をするとレシートをもらえるのが普通だ。そのレシート1枚でなんと売り上げが44%アップしたという事例がある。仕掛けたのはマヨネーズの老舗メーカーHellmann’s。舞台は日本ではなく、ブラジル。3ヶ月間、実施したところ、初月からいきなりスーパーの売上が44%もアップしたそうだ(その後はどうなったかは不明だが)。
もちろん、普通のレシートではなくてちょっとした加工がなされたレシートなのだが、やったことはシンプル。
英語とポルトガル語ということもあってちょっと分かりにくいかもしれないが、ビジュアルで解説してくれているので、何となくは分かるかと思う。
顧客は何が欲しいか分かっていない
Hellmann’sがマーケティングの施策を行なった背景はこうだ。マヨネーズはいろんな食材と合わせて様々な料理ができるのだが、サンドイッチくらいしか使ってくれていなかった。そこで、いろんな料理に使ってもらうことでもっとマヨネーズを消費してもらおうと考えたのだ。
で、Hellmann’sが何をしたかと言えば、マヨネーズがショッピングカートに入っていたらレジでそれを関知するようなソフトを導入して、レシートにマヨネーズを使ったレシピを載せるという施策。
そうすることで、お客さんにとってはレシピが分かってありがたいという感情がわく。他のレシピも知りたくなってまたマヨネーズを買うかもしれないし、女性同士のクチコミでレシピが広まることもありえる。そうなれば、スーパーの売上も上がり、スーパーとしてもプラスになるし、マヨネーズの消費量も上がるだろうということだ。
売れない理由の一番は知らないから
商品やサービスが売れない原因としてよく言われるのは、それを知らないから。これは、そもそもその商品やサービス自体を知らないということはもちろん、使い方が分からないということも含まれる。
だから、今回の事例のように使い方を教えることで、売上が上がったわけだ。おそらくあなたにもそんな使い方ができるなら買う、なんて経験があるのではないだろうか?
少し前にカインズホームで店頭のポップをひと工夫したら、マジックハンドが急に売れたというのが話題になった。
ねとらぼの記事によると前年比2倍の売上になったそうだ。
2014年8月には、つかむ部分のグリップ力を強化した改良版を発売したのですが、従来と同じように洗濯・掃除用品として展開。しかし同年冬、商品の使い方をゆるいテイストで提案する「らららポップ」の一環として、「コタツから出なくてもリモコンが取れる」というポップとともにコタツ用品近くで展開してみたところ、良い売れ行きを見せたそうです。
2015年秋からは去年の37店舗から77店舗に増やし、再びこの方針で販売したところ、8月から11月中旬までの売上が2014年に比べて2倍強までに上がったといいます。
こうしたちょっとしたアイデアで売れる売れないの差が出るのはとても興味深い。ポイントはちょっとした親切心だろう。人の役に立とうという親切心でたくさん売れるなんてビジネスに取り組む者としては嬉しいことこの上ないように思える。当たり前のことだが、目先の売上に走ると忘れるので、こうしたビジネスの原点は常に頭に入れておきたい。