好きなことを仕事・ビジネスにしたいけど何が好きか分からない?だったらこの方法がお勧め
好きなことを仕事にする―。それができたらどれだけいいことかと思う人はたくさんいるんじゃないかと思える。
幸いなことに私は小さいながらも独立起業して好きなことができている実感はある。もちろん、まだまだやりたいことが全部できているわけではないけれど、会社員時代にたまに思っていた今日は会社に行きたくない……という感覚はない(そもそもいわゆるノマドワークなので、家でも、どこででもできるのだが)。会社の業務だからという理由で、やりたくもないことを無理にでもやらされるようなこともない。
私の場合、好きなことは1つは限らないので、このブログをはじめとしていろいろとやってはいるが、中には1つのことに集中している人もいる。
それが、タビオという靴下の会社を興した越智直正さんだ。
目次
靴下に愛情を注いで60年
写真:日経ビジネスONLINE
たまたま見た日経の記事ONLINEに、越智さんの記事があった。越智さんは、大阪の靴下屋で15歳の頃から丁稚奉公を始めたそうだ。
50年以上前、丁稚奉公先の大将によくこう言われたんです。
「音楽家や絵描きが自分の思いを形にしたら楽譜や絵になる。靴下には靴下屋の心や精神が表れるんや。靴下だと思うな、自分自身やと思え。いい靴下を作りたければ、人間を磨け。人格にふさわしい商品しか作れない」──。僕はこの大将の言葉で「自分もいい商品を作りたい」と強く願うようになりました。
こうしたこともあって、靴下にのめり込んで60年もの間、靴下一筋でやってきたとのこと。
靴下を頬にあてて噛む
興味深いというか、驚いたのは感触を確かめるために靴下を噛むということ。
丁稚時代、1カ月に半日しか休みがありませんでしたけど、たまの休日には阪急や大丸などあちこちの百貨店によく出かけました。どんな靴下が店に並び、売れているのかを見るだけでも勉強になったし、楽しかった。
当時の月給は1500円程度ですから、とてもではないが買えません。だからショーウインドーに飾ってある商品を出してもらって、店員さんの目を盗んでそっと靴下を頬に当てたり噛んだりして、感触を確かめたものです。売り場の女の子は驚いた顔をしていたけど、文句は言われなかった。ちょっとおかしい人と思われたかもしれませんな。
好きなことに“たまたま”出合ったから?
思うに好きなことなんてのは複数あるのが普通だし、天職というとずっとそれをやり続けるものとか、1つしかないと勝手に決めつける人もいるが、そんなことはないのでは?と思える。そんな都合良く見つかるなんて、後付けとしか思えないとも考えられるのだけれど。
また、マザーハウスの山口絵理子さんも言うように、 **いきなり好きなことが百発百中で見つかるとは思わないほうがいい。そんな都合良く、天職なんて見つからないのが自然だという考えもあるし、何かをやっていくうちに見えることなんてよくあること**。
マザーハウス山口絵理子さんの講演会まとめ| IDEASITY
勝手な想像だが、おそらく越智さんは靴下ではなく、それが料理だったとしても同じようになったような気がする。ここまで四六時中考えることなんてそうはできるとは思えないからだ。
なので、こうした物事に取り組む姿勢があったうえで、自分に合うこと(好きなこと)に出合う、この2つがあってはじめて好きなことができるんだろうなと思える。
本やセミナーでは好きなことは見つからない?
好きなことが分からない難民で本を読んだりセミナーやワークショップに出ていた自分としては、それより自分と向き合うこと、自分の考え、思いを整理することが大切だなと思える。もちろん、セミナーやワークショップも役立つこともあるとは思うが、あくまできっかけの1つと捉えたほうが適当だと思えるからだ。そんな急に見つかるような魔法はないと思うし。
自分の好きを探るには、アウトプットすることがお勧め
自分と向き合って自分を理解するためには、言葉にしてみることがお勧め。具体的には日記でもブログでもMediumでも何でもいいので書いてみるといい。しゃべることで整理される人もいるが、個人的には書くほうがいい。書くと文字が残るので読んでみて、ロジックがおかしかったり書いたことを見て新しい考えが浮かんだりするからだ。
自分の優位な感覚を知っておく
VAKという概念を知っておくといい。NLP(神経言語プログラミング)という心理学の中に出てくる概念でVはVisual(視覚)、AはAuditory(聴覚)、KはKinesthetic(触覚・体感覚)の意味。人によってVAKのうちどれが最も優位なのかが違ってくる。
何かを想像するときに、ビジュアルが思い浮かぶならV(視覚優位)が強く、感覚が思い浮かぶならK(体感覚優位)が強い。音が思い浮かぶならA(聴覚優位)が強い。ちなみに、V(視覚優位)とK(体感覚)が多く、A(聴覚)は少数。
注意したいのは、どれか1つに偏るのではなく、あくまで優位がどれかということ。そして、あくまでこんなのがあるよというアイデアの1つを提案しているだけ。
モーニングページという方法がお勧め
あとは、私がやって良かったのはモーニングページだ。
こちらの本に書かれている方法で、やり方はとても簡単。朝起きたらノート3ページ分に思っていることをただただ書くだけ。事実を書くだけではなくて、どんな気持ちだったか、何を思ったかなど、感情にフォーカスして見るといいだろう。自分の内面を見つめることだ。ここしばらく書いてはいないが、10冊分くらいは書いた。
アーティストやクリエイターが想像力を回復するとかそういったことが書かれているが、アーティストでなくても何ら問題ないと個人的には思える。本にもそう書いてある。
ちなみにB5サイズのノートだと30分以上かかると思うので、もっと小さくていいかなと思える。いきなりハードルを上げると書きにくくなるので、B6くらいのサイズで3ページ書けば十分かなと勝手に思っている。本では文字数は指定されていないし、目的は自分の思いを書き出すこと。
なお、時間も一緒に記録するようにしたところ、A5かB6くらいのサイズで私の場合、早くて15分平均で20分強、長くても30分強くらいで終わる。
まとめ
ということで好きなことを仕事にするビジネスにするということに関しては、好きなことに出合う、自分を見つめることは大切であるのは当然だが、物事に取り組む姿勢もまた大切だということ。
好きなことが分からない、情熱を持てることが分からないという人はけっこうな数がいるように思えるが、アウトプット、とりわけ文章を書いてみることはお勧め。あまり窮屈になってもしょうがないので、気楽に考えることも大切だろうけれど。