ビジネスがうまく行く人行かない人の違いが分かる3つのストーリー
今回は、あなたがビジネスに取り組む上できっと役に立つことをお伝えするために、3つの話をご紹介したい。
目黒のスタバでの出来事と、広島のある経営者の驚きの実話、そして、アメリカのシリコンバレーで有名な日本人起業家の話の3つだ。これだけでは、何の共通点があるか分からないとは思うが、ビジネスマインドを教えてくれる象徴的なストーリーだ。
目次
目黒スタバ事件
先日、目黒に行ったついでに目黒の権之助坂にあるスタバに行った。2015年の9月現在、目黒には駅前のテイクアウト専門を除いて、スタバは2店舗ある。両方とも今まで3回くらい行ったものの、空いていたためしがないので、混む印象があり、その日はダメ元で行ってみた。
すると、その日は珍しく7割くらいの埋まり具合で座ることができた。これはいいと思ってオーダーを済ませ、店の一番奥の席が空いていたので、その席に向かった。席と席の間隔がせまくて、けっこうキツキツな店舗なせいか、雰囲気はいいけど、あまり落ち着かない。
しばらくすると、一人の男性が(以降、おじさんAと呼ぶ)隣の隣の席に座ってきた。社員証らしきものを首から下げているので、おそらくは近くの会社に勤める会社員のようだ。まさかこのとき、後に悲劇が起こるなんておじさんAは予想だにしなかっただろう・・・。
もうしばらくすると、会社員と思える別の男性(おじさんB)が店に入ってきて、私の隣に座った。おじさんAと私の間にある席だ。その私の隣に座ったおじさんBは、テープルの端に飲み物をちょこんと置いてパソコンを広げて電話したり、メールを書いたりと仕事をしていた。
悲劇
そのとき、私の隣の隣にいたおじさんAが席を立った。
すると、、、
「バシャッ・・・!」
と音がした。
何だと思って私が隣を見ると同時に、
「あぁ・・・!」
と、明らかに不機嫌そうな声をおじさんBが出した。おじさんBの飲み物が全部こぼれてしまったのだ・・・。服や靴は濡れなかったようだが、まだほとんど飲んでいない飲み物はパーに。
おじさんAは平謝り。
おじさんA
「すみません・・・」
おじさんA
「何を頼まれましたか?同じ物を頼みますので・・・」
おじさんB
「え?まあしょうがないですよ・・・。とりありず店員を呼んできてください」
といった具合でやりとりをしていたのだが、おじさんBは「うわぁ、こいつ余計なことをやりやがった・・・」的な感じで、関わりたくなさそうにしていた。おじさんAの顔を一切、見ようとしない。
おじさんA VS おじさんB
おじさんAは、店員に飲み物をこぼしてしまったことを告げ、店員が来るのを待っている間も、
「申し訳ありません・・・」
と謝っていた。
が、おじさんBは、
「後は、店員がやりますんで・・・!」
と、これまた関わりたくなさそうに、相手が謝ってもピシャリと不機嫌そうに適当にあしらっていた。おじさんAがこぼしたとはいえ、何だか感じの悪い印象だった。
やがて店員がやってきて、おじさんA、B、店員であーだこーだと少しの間、やりとりがあった。その後、床は店員によって拭かれ、おじさんBの元に新しい飲み物がやってきた。
おじさんBは、悪者か?
一応、このおじさんはモデルさんであり、無関係・・・
おじさんBは飲み物をこぼされた被害者なのだが、感じの悪い印象があったので、たかだか飲み物こぼされたぐらいで、何をカリカリしてるのかと思ってしまった。
おじさんAがこぼしてしまったのは隣の席と間隔が狭いし、テーブルの端に飲み物が置かれていて不可抗力に近いような状況でもあったのでなおさらだ。むしろ、こんな狭い席にした店が悪いんじゃないか?なんて思ってしまった。
ところで、おじさんBは頻繁に電話をしていてどうやらトラブルがあったような感じだった。電話でへこへこしていた。トラブルがあって大変だから機嫌が悪いという気持ちは分かる。
が、自分が攻められているときはへこへこしているのに、おじさんAには強く出ているのは何なんだろう?と思った。こういう人とは関わりたくないなと思いながらも、自分の中にもこうした態度があるから目につくんだとも言える気がする・・・と思い、苦笑してしまった。
今回のこの事件があって、おじさんAも店員も、ぎくしゃくした雰囲気でイヤな思いをしただろう。誰一人としてプラスにはならなかったように思える。
こわもてのおじさんの車を凹ませたら・・・
一方、こんな話がある。
広島で広告関連の会社を経営している元劇団員の方の話だ。講演で話をする機会がよくあるようで、先日、大学で話をした中で、聞き手の反応の良かった内容をブログに書いてくれている。
話をさせていただいた中で、
学生皆さんのリアクションが大きかったのは、
19歳の時、車を運転中に無線をしていて、
前2台の車にオカマを掘った(後ろからぶつかった)経験があります。ぶつけた1台の車の方が少々こわもての若い方で、
社長を呼んでくると言われ、
このままお金をむしり取られるのではと
非常に恐怖を感じていました。すると、そこに社長さんが来られ、
社長 「保険入っているか・・・」
中本 「はい。」社長 「固いものは走れば凹むことがある、気にしなくていい」
中本 「えっ ありがとうございます」社長 「で、君は仕事は何をしているの・・・」
中本 「劇団に通いながらガソリンスタンドでアルバイトをしています」社長 「芸能人か?」
中本 「芸能人になれるように頑張っています!」社長 「劇団員という事は、公演とかするのか?」
中本 「来月本番があります」社長 「チケットはいくらか?」
中本 「1枚2000円です」社長 「わかった 15枚買おう!」
中本 「えっ ありがとうございます。」という事で、オカマを掘って3万円いただきました。
後ろからの衝突は、
100対0でぶつけた人が悪いです。私が100%悪いのですが、
私はとっても嬉しい思いをさせていただきました。私はその社長さんの影響を受け、
いつかは、自分もそのような立場になったら、
「固いものが走れば凹むこともある」
と言おうと心に決めていました。すると、10年後
ワゴン車が運転中の電話&わき見運転で、
私の車の横っ腹にぶつかってきました。そして私は、
「固いのもが走っていたら凹むことがあります、気にしないでください」
と言うと、相手はとてもビックリされ、
その会社の社長さんからもその対応にビックリされました。結果は・・・
保険で車は綺麗に直していただいて、
そして、そして、
その会社のビデオを制作させていただきました。それもドラマ仕立て大がかりのものでした。
恩返しというのがありますが、
僕は恩贈りという言葉も大事にしています。恩を返すのはもちろんですが、
恩をいただいたことを他の人に贈るという事。そんなこんなで楽しく生活しております。
そして、質疑応答で
「マイナスの言葉をまったく言われていなかったですが、
辛いことなどありませんか・・・」
とありましたので、「たぶんあるんでしょうけど、感情をコントロールできるように、
頑張っています。3日に1食の貧乏劇団生活に比べたら、本当に今はバブルです。
人生は何を基準にするかで、幸福度も変わってきます。」
ドリンクをこぼすことと人の車に衝突すること、どっちが一大事?
飲み物をこぼしてしまったことと、車をぶつけてしまったこと。どっちが大きなことだろうか?普通に考えれば、車だろう。でも、反応が全く違う。
なんでこんな話を書いたかというと、ビジネスにおいては出来事に対してどう考えるか?というメンタリティが非常に大事だから。もちろん、やり方も大切なのだが、土台にあるメンタリティが成否を分けるといってもいいと思える。
それが分かる例はたくさんあるが、その中の1つにシリコンバレーで最も有名な日本人起業家とも言われる人物の話がある。
シリコンバレーで有名な日本人起業家
飲食店の駐車場で寝泊まりしていた状態から、シリコンバレーで最も名の知られる日本人と言われるまでになった福山太郎さん。福利厚生のアウトソーシングのサービスを立ち上げ、今や1000社以上から契約がある。
日経ビジネスの記事から引用すると、こうある。
「僕も共同創業者も楽観的なところがあって、できない理由より、できる理由を探し続けていた。
英語もろくにしゃべれなければ、ビザもなかったですし、アイデアもないし、投資家もいない。
その中で、振り返ってみると、諦めることなく、やるべきことをやってきた」
何もない状態からでも、どうしたらできるかを考え行動し、起業で結果につなげている。要は、今の状況をどう捉えるか、出来事に対してどう反応するかは自分が選べるということ。
飲み物をこぼされて単に不機嫌になるのか、相手を良い意味で驚かせるような計らいができるのか、現状を見て諦めるか続けるか。ビジネスに取り組む者なら、事業の大小、業種によらず必要な資質に思える。
刺激と反応の間にスペースがある
私が初めてその考えを知ったのは、社会人成り立ての頃に7つの習慣を読んだときだったと思う。確か「刺激と反応の間にスペースがある」というような表現がされていたはずだ。当時は、そんなことがあるなんて・・・と思いつつも、確かにそうだよなと思え、相当な衝撃だった。
著者であるスティーブン・R・コヴィーさんも「7つの習慣」の最終章の中で、そのことについて
「この本の本質をよく示すものであり、その根本にある原則」
と書いている。たまたま図書館で見つけた本に書かれていて相当な衝撃的だったそうだ。
とはいえ、頭では分かっていても、現実的にはなかなか難しいもの。しかし、常に意識していれば、筋肉のように成長していって、やがて変われるんじゃないかと思える。できない理由ではなく、そうできる理由を探していったらいいだろう。