常識に縛られないために〜5匹のサル〜

常識に縛られないために〜5匹のサル〜

ノマドワークをしながら世界の国々を全て(国連加盟国の193ヶ国)を訪れた人物。それが「常識からはみ出す生き方」「1万円起業」といった本の著者であるアメリカ人のクリス・ギレボーさんだ。

2013年4月7日。ノルウェーにいたクリスさん、大勢の人に囲まれ祝福を受けた。わざわざ別の国からノルウェーに来た人もいるほど。祝福を受けたのは、誕生日だったからというのが理由の1つだが、それ以上の理由があった。それは、彼が2006年に立てた目標に起因する。彼が立てた目標は、35歳の誕生日までに世界の全ての国に行くという目標。

国によっては入れないところもあるだろうから、彼は国連加盟国の193ヶ国に行くと決めた。仕事は普通にしながら。最後まで訪れていなかった国がノルウェーだったため、彼は誕生日にノルウェーに到着したというわけだ。

5匹のサルの話

世界中を旅しながら自分のビジネスで結果を出しているクリスさんの著書、常識からはみ出す生き方の中に面白いストーリーが紹介されている。今回は、そのストーリーを紹介したい。

檻に入れられた5匹のサル

5匹のサルが檻に入れられていた。食糧と水は十分に用意されていて食うには困らないが、それほど魅力的な代物ではない。そんな檻の中に一際目立つ魅力的なブツが置いてあった。バナナだ。

バナナは檻の天井に吊るされており、簡単には取れない。だが、近くにはハシゴが用意されていて、それに登って手を伸ばせば届く距離にある。バナナを発見したサルは当然のごとく、バナナをとるためにハシゴに登り、手を伸ばす。しかし、バナナを取ろうとすると、突然、ホースが出てきて冷水をかけられてしまう。当然、下にいる残りのサルにも水がかかる。

サルは再度チャレンジすべくまたハシゴに登り、バナナを取ろうとする。すると、またホースが登場し、冷や水が容赦なくかかる。全員がびしょ濡れになり、しかも、バナナはとれない。何度かそれを繰り返すと、状況が少し変わる。

1匹のサルがハシゴに登りバナナを取ろうとすると、なんと残りのサルは束になってハシゴに登ったサルを引きずり下ろすのだ。そして、叩きのめす。

それも何度も繰り返されると、ついにはサルたちは全員諦めてしまう。バナナは取れないんだと。バナナは存在していても取れないものとみなして、そこにないものとして捉えてしまい、1匹たりともチャレンジしなくなり、平穏な状態になる。

そんな平穏な状況下になったとき、ある変化が加わる。

檻の中にいる5匹のサルのうちの1匹を別なサルと入れ替えられたのである。すると、何も知らない新しく入ってきたサルは、バナナを見つけた瞬間、走り出す。ところが、残りの4匹がそれを許さない。そんなことをされたら、バナナは取れない上にまたびしょ濡れになってしまう。なので、新しく入ってきたサルを4匹が束になってハシゴから引きずり下ろす。

またそれが繰り返されること、再び、5匹ともバナナを諦めてしまい、平穏な生活になる。

平穏な生活になったら、また新しいサルと檻の中のサルを1匹入れ替えられる。すると、どうなるか。

当然のように同じことが起きて、新入りのサルはバナナをとろうとすると残りの4好きに叩きのめされることになり、やがて平穏な生活に落ち着く。

そして、また、新しいサルを・・・。

といったことが繰り返され、ついには檻の中にはもともと冷水をかけられた経験を持つサルが1匹もいなくなる。それなのに、檻の中のサルたちは、ハシゴに登るようなことはしない。

常識に縛られないために〜5匹のサル〜

檻の中のサルが仲間にこう尋ねる。

「おい、どうしてオレたちはバナナを食べられないんだ?」

残りのサルは肩をすくめてこう答える。

「さあね、オレたちにわかるのは、ただ食べられないってことだけさ」

この話は、「常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る 〜仕事と人生のルール〜P30~32 クリス・ギレボー著、中西真雄美訳 2012年 講談社」の話を少し言い回しを変えて書いた。

思い込みによって動けていないだけかも

理由はよく分からないけど、ダメなんだ。なんてことで、我々はどれだけの機会を失っているか分からない。

あなたにとって「理由はないけど、ただ、バナナは食べられないんだ」というようなことはないだろうか?ちょっと立ち止まってみるといいのではないかと思う。

常識や前提、当たり前を覆すには

常識を覆す方法

自分にとっての当たり前を覆すには、自分にとっての常識外の事例を知るか、自分で考え抜いて壁をやぶるかのどちらかだろう。

前者に関しては、いつもと違ったことをしてみたり、初めてのことをやってみたりするのは大事かなと思える。海外に行ってみるのもいい。当たり前が変わるので。例えば、定価なんかがいい例かと思う。露天商から何かを買うなんてときは、交渉で価格を決めるのは国によっては当たり前。定価という考えがない。

考えるにあたってはトヨタのようになぜを5回問うてみることは有効だろう。あるいは、ザ・ゴールでお馴染みのTOC(制約理論)の思考ツールも役立つ。ザ・ゴール2という本にあるように、今、問題だな、うまくいってないなと思えることを10個(最低3つ)書き出してみる。この問題だな、うまくいっていないなと思えることは、長ったらしいので、望ましくない結果ということで、UDE(UnDesirable Effect)と呼ぶ。

UDEはあまりに多いと考えるのが大変になるので、最低3つ、多くても15くらい書く。書いたらそれぞれについて、なぜそうなるのか?を考え書き出してみる。これをずっと続けていくと、UDEのつながりが見えてきて、本当の原因が分かる。自分の無意識が明確になるとも言える。

TOCが提唱している思考ツールは非常に強力であり、自分の頭で考えるために役立つので、別の機会に詳しく触れたい。

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