スモールビジネスの起業を失敗させないマーケティングで大切なこと

スモールビジネスの起業を失敗させないマーケティングで大切なこと

以前、バルセロナからミラノに向かうべく飛行機に乗ったときの話。左隣の席に座っていたのは金髪の若い女性だった。スリムで顔が小さく、着ている服もおしゃれな感じのキレイな女性。これは何だか得した気分だ!と思いながら離陸を待っていた。

席についてしばらくすると、飛行機は定刻通りに離陸した。離陸後、しばらくすると機内で軽食と飲み物が配られた。眠っていたのでもらわなかったが、サンドイッチが配られたようだ。

問題は、その軽食が配られた後だ。しばらくして機内が落ち着くと、突然、隣の席からおかしな音が聞こえてきたのだ……。

隣の女性から異音……

ミラノに向かう飛行機の中でマーケティングについて知る

どんな音かというと、

「ビリビリビリ……」

という紙が破けているような音。突然のことにビックリして「何だ?」と思ってチラッと左隣を見てみると……。なんとその女性は雑誌を引きちぎっていたのだ。

座席のポケットに置いてあると思われる“雑誌”をビリビリちぎっている。

「えー!?」

と思ったが、チラリと見ていたら、どうやら気になった化粧品などの写真を破っているようだ。

「次の人、どうすんのよ?読めないじゃん」

なんて思いながらも、広告を出している側にとってみたら、それで売れたら目的を果たすことになるわけだからまあいいのか?なんて思っていた。

なお、飛行機や新幹線に置いてある雑誌みたいなのは要は広告なので、日本じゃ持ち帰ってください、みたいに書いてあるが普通だろう。国は違えど広告には変わりないので、おそらくそれも持ち帰りOKというか、提供側としたらむしろ持ち帰ってほしいものだと思える。

もし、持ち帰っているならそこにないことがすぐに分かるので、次のフライトのときにはまた補充することができる。しかし、一部のページだけ引きちぎられていたら、そのままになっている公算が高いわけで、次の人が見たらびっくりだよね……というわけだ。

人は予想外の動きをする

ということで、人は予想外のことをするよな……と思えるできごとだった。ちなみにそうした予想外のことに注目すると、イノベーションにつながることがあるそうだ。なので、特殊な例だからといって無視するとチャンスを逃すこともある。余談にはなるが、その例はこちらの神田さんの本に書かれている。

ちなみに、どこかの会社では就業規則に「たき火をしてはいけません」というのがあるらしいが、誰かが過去にやらなきゃまず注意書きとして載らないようなことだろう。また、某スーパーのトイレには「ここで食事をしないでください」という注意書きがある。なんでトイレで食事をするのだ?という疑問はわいたが、お金を払わずに食べる人がいるのかもしれない。注意書きで抑制されるかは疑問だが。

などなど、人の動きは予想できることもあれば、株価や山の天気みたいでランダムでもある。当然、ビジネスにおいてもお客さんの動きは完全には予測できない。ただ、だからといって何も対策をしないのもどうかと思うし、お客さんの動きはある程度は知っておきたいもの。

ビジネスは直感も大切だがデータはもっと大切

ビジネスは直感も大切だがデータはもっと大切

そこで大切になるのがデータだ。マーケティングやセールスは、センスの良い人の直感も役立つが、数字の世界ともいえる。数字は客観的なもので人の感情に左右されない冷静なもの(それを取得する人が冷静でないと偏ることはあるが)。属人性もないので、誰がやってもうまくいくような仕組みをつくるときにも数字が指標になる。

また、数字をとらないのは現在地を確認しないまま目的に向かうようなもの。人の感覚や記憶は感情でいくらでも歪むので、あてにならないわけで、数字で判断しないとビジネスに直結する正しい判断ができなくなる。

スモールビジネスほど数字を

なので、例えば、広告を出したら必ず効果を測定できるようにするのが鉄則。大企業がやる最後にならないと何のCMだかわからないようなイメージ広告は、小規模なビジネスをやる者にとっては不要なもの。というかそんな余裕はないだろう。

いわゆるダイレクトレスポンス広告が基本になる。要は広告を出した後の反応がちゃんと分かるようにするということ。当たり前だができていない、あるいはそれ以前にやり方が分からないなんてケースは意外とある。

広告で見ること

ウェブの広告ならどのくらい表示されてどのくらいタップ(クリック)されてどのくらい売れたのか、最低限押さえるべき数字は広告負けしていないかどうか、儲かっているかどうかを知ること。

なお、大切なのは広告からどれだけ購入に至ったかという購入率は当然だが、絶対額としてどれだけ効果があるのか?ということ。率が悪くても、絶対数がとれて結果として利益額が大きくなるならどんどんやるべきだろう。広告の質より収益の量のほうが大切だ。

広告に関しては、感覚的に数字が良くないから結果が出ていないと思い込んでいたり、なんとく良い数字なので儲かっていると勘違いしてるケースは実際にある。オンライン、オフライン問わず。チラシをまいてもお客さんの数が少なくて……と嘆いている人の話を聞いて実際のところを見てみたら、単価の高い商品がけっこうな割合で売れるので、十分過ぎるほど広告費以上の収益があったなんてことは本当にあるのだ。

結果の出ていることは続ける、出ないことはやめる

数字を見てうまくいけば(儲けが出ていれば)また出すし、儲けより費用が大きくて広告負けしたら次は出さない。うまくいった広告は効果がでなくなるまで続けて出す。自分の感覚よりも数字を重視する。たとえあなたが広告の内容に見飽きたとしても、それで反応があるのなら“正しい”のは、あなたが見飽きた広告だ。

反対に、結果が出ていないなら考えるのが大変だからとか、次にどうしていい分からないからという理由でダメなのを垂れ流してはいけない。特に、最初は試行錯誤で失敗が多いこともあって、反応が出ないとイヤになってくるものだが、そこで屈しないで改善をして数字をとり続けていると、後々とてもやりやすくなる。千里の道も一歩からだ。

まとめ

ということで、人の動きは予想できないことが多々あるけれども、数字をとることで予想できることも多く、スモールビジネスをやるなら数字は非常に大切であり、どんぶり勘定は破綻への近道。

ちなみに、よく見たら女性が破っていたのは飛行機に置いてある雑誌ではなくて、自分で持ち込んだ雑誌だった……。

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