効果絶大だったYouTube広告事例から分かる売上を上げるコツ
2週間で15.7万円する商品の申し込みが6500件。単純計算で10億円の売上が立ったことになる。具体的な施策はYouTube広告でなかなか秀逸なアイデアだなと思えた。
このサイトはスモールビジネス、個人事業を中心に考えてるので、規模感としては相当大きくて意味がなさそうに思えるけれども、この広告の意味するところはどんなビジネスにも役立ちそうなのでご紹介したい。YouTube広告の使い方はYouTubeでも見てもらえればいいので、何がポイントかなのか? という話を。
なお、具体的に何を売ったのかというと銀行ローン。トルコのDeniz銀行が行なったiPhone X 専用のローン「Credit X」という商品をYouTube広告でプロモーションした(実際にやったのはFCBRAMという会社)。
目次
効果絶大だったYouTube広告の具体的な内容と機能
具体的にどんな広告を出したのか? はこちらの動画を見ると分かる。
マーケティング会社のFCBRAMによる効果絶大だったYouTube広告の解説
広告の目的はiPhone X用の銀行ローンを組んでもらうこと。その方法としてこんな広告を使った。
- YouTuberが新品のiPhone Xの箱を開けると、そこには古いiPhoneが入っている
- しかも、そのiPhoneは今動画を見ている人と同じ型のiPhone。
- 古いのを使っていないで新しくしませんか? お金がないならこちらにiPhone X向けの良いローンがありますよ
実際に広告を見ていないので最後は推測が入っているが、要は今まさに自分が使っているiPhoneが動画で登場してくることがポイントになるわけだ。
なぜ、自分の使っているiPhoneと同じ型が都合よく出てくるのか?
その仕掛けはYouTubeのDevice Targeted Adsという機能で、それを使うと動画を見ている端末に合わせて広告を変えられるから。
もちろん、スマートフォンの種類なんていくらでもあるので限界はあるが、古いiPhoneを使っている人に対して広告を出せば、マッチ度合いは100%に近くなるだろう。仕掛けを知らない人からしたら偶然一致したと思う人もいたように思える。
デバイス別に表示されるYouTube広告の効果
で、その広告は実際にどのくらいの効果があったのか?
こちらのAdGangの記事によると、21,000の申し込みがあったとあるが、英語を聞く限り(聞いたのはGoogleが、だけれど笑)、以下のように話されていると思う。
“YouTube results were amazing more than 21,000 check out the Credit X. 6,500 of them have applied for the “credit X” check out 21,000. Taking out nearly 2 million dollars in less than two weeks”
なので、Credit Xという商品(銀行のローン)をチェックした人が21,000人いた、あるいはCredit Xが21,000回チェックされた、ということに思える。で、そのうち6,500人がCredit Xを申し込んだ。その結果、少なくとも2週間で200万ドル相当のローンが組まれたというところではないだろうか。
ちなみにAppleのページを見るとこの記事を書いた時点で、トルコにおけるiPhone X(64GB)の価格は6099TL(トルコリラ)。
https://www.apple.com/tr/shop/buy-iphone/iphone-x/5.8-in%C3%A7-ekran-64gb-g%C3%BCm%C3%BC%C5%9F#00,10 より
(そのうちリンクが切れそうなので、この記事を書いた時点の価格を画像で)
この記事を書いた時点で、1TL(トルコリラ)は25.8円。なので、64GBで15.7万円くらいするわけだから、ローンの金額は200万ドル(2億円強)どころかもっとありそうではある。2週間という期限を切ったから200万ドル(2億円強)からなのか、フルローンが少ないからなのか、あるいは審査がきつくてほとんど却下だったのかは不明。
そうした細かい話は置いておいても、広告を見ている人に合わせた広告を出したら効果的だったことは間違いないようだ。
うまくいった理由
自分の持っているiPhoneに合わせて個別化された広告が出たことが結果につながったというのが結論。ただ、比較対象がないので本当に効果があったのか、どのくらいの効果があったのか? ということは正確には分からない。
もっとも、自分のことだと認識してもらえると広告でもよく見られたり読まれたりするのは当然なので、効果ありだったことは確かかなと思えるが。
こちらでも書いているとおり、顧客ターゲットはどんな人とか? 要は誰に売るのか? ということはとても大切な要素。頭では分かっていても、ついないがしろにしてしまうことがあるので注意したいところだ。
見事なターゲティングで成功を収めた反応率50.0%のすごい広告
2012年のベルギーにて、とても興味深いある試みが行なわれた。あるNGOが秀逸で巧みなやり方で、日本円にしてなんと1億2000万円の寄付を獲得することに成功した。 NGOにとっての寄付は、営利団体なら売上に相当するだろうから、ビジネスに関心のある人にとっても役立つやり方。
広告に注意を向けてみると分かることがある
自分がつい見てしまった広告や気になったメールなどを思い出すか記録しておくと、誰に訴求するか? というの大切だとがよく分かる場面に遭遇するはずだ。
個人的には、気になったバナーやメールの本文、気になったメールのタイトルなどを溜め込んでいるのだけれど、「自分のことを指している……」と思うと、注意が向くものというのは実感できる。もろちん、データでも出るケースが多い。
そして何より、広告を収集しておくことで自分が広告を出すときにアイデアの源泉にもなり得る。さすがに、そのまんま丸パクリはまずいのでやらないけれども、発想の手がかりにすることで良い広告を出せることがある。
まとめ
今回はYouTube広告の機能をうまく使った例だったが、広告の機能などはどんどん新しいのが生まれていて変化が激しい。種類も増えてきていて、常にすべてを把握することは広告を生業にしている人でも相当厳しそうだ。
だが、誰に売るのか? ということを意識するということはいつの時代も変わらないので、いつでもそこをきっちり押さえておきたいもの。
と、同時に矛盾するような話ではあるが、時代に合わせて変化するところは変化するという柔軟さも必要。こんなのがあるんだくらいのレベルでもいいので、常に新しいことにアンテナを張るのも大切かなとは思える。