スモールビジネスの起業で失敗しないための“近道”をTED動画から学ぶ
どうすれば人が本当に望んでいる商品やサービスをつくれるのか?一番良いのは、お客さんに聞くこと。特にスモールビジネスなら、大企業のように上の許可を得て、なんてことは不要なので機動力があるわけだから、どんどんやってしまうのがいい。
大きなビルをつくるとか、橋をつくるといった一度、作ったら変更がきかないようなものではないわけなので。
今回、お伝えするのは、それをデザインの世界でもやっているという話で、自然現象とも言えることからその大切さが分かるというTEDの動画だ。
自分でビジネスをやる者としては、肝に銘じておくべきことかなと思える。
目次
道路の“近道”から分かるビジネスの近道
こちらのTEDの動画では、公園や大学、病院、街中といった場所に人が通る道を設計する際の話を例に、どうしたら人が望むものをつくれるか?という話をしてくれる。
動画を見ると分かるように人が望むことを提供するためには、次の3つのポイントがある。
- Design for real life(実際に役立つものを設計する)
- Launch to learn(まずはやってみて探る)
- Stay responsive(常に変化して対応する)
カッコ内は正確な翻訳かどうかは無視して勝手に意訳しているが、デザインの話もビジネスの話も同じだなと思える。
Design for real life(実際に役立つものを設計する)
動画の中では、ロンドンのハイベリーフィールズという公園に作れらた近道やブラジリアにできた近道をデザイアパスという言葉を使って説明している。多くの人が一番楽な道だと考えられる道を通っているうちに草がなくなってできた道だ。
当初の設計では、なかった道が実際に公園を作ってみたら生まれたということは、そこを歩く人たちが本当に望んでいることを当初から設計できていなかったということ。
初めから作れるとは限らないということ。そして近道をうまく利用して商機につなげるケースもある(ヒースロー空港では近道に免税店があるそうだ)。
Zの法則というのがあるらしい
Webでも人の視線というのは、左から右に流れるとか、Zの形に進むとかいろいろと言われている。
LPO研究所のテスト結果を参考にして作成した例
具体的な数字はないが、こちらのLPO研究所の記事によると、スマホの場合は右利きが多く親指で操作することが多いので、右側にボタンを配置すると押されやすくなるというテスト結果が得られているそうだ。アクションが増えるということは、、品の売れ行きや資料請求の数に影響が出ると考えていいだろう。
Launch to learn(まずはやってみて探る)
デザイアパスから分かるのは、実際に役立つものを設計する上で大切なのは作る前から完璧にするという考え自体は必要だとは思うが、やりながら修正していくという考えも持つ必要があるということ。
TEDの動画の中では、カリフォルニア大学の例がある。初めから人が歩く道を舗装してしまうのではなく、人が近道をつくるのを待ってから舗装したそうだ。
ソフトウェアの世界や我々のようなスモールビジネスを手がける者にとっては、変更がきくケースが多いので、初めからきっちり決めるのではなく、まずやってみて修正していくというのが一番の近道になる。
Stay responsive(常に変化して対応する)
デザイアパスの話とともに出てきたロンドンのハイベリーフィールズという公園の近道は、サーカーの球場ができた結果としてできたものだそうだ。その証拠に球場の建設中には道はなかったとのこと。
つまりは、人のニーズというものは変化するということ。動画の中では、病院が最初は患者の通る道を無視していたものの、途中から考え方を変えて患者の通る道を尊重して新たに道を作った。
こうした変化に対応することが必要だということ。前提となっている条件(公園の近くに球場と駅がある、病院近くのホテルがある)が変化すれば、ニーズも変化するわけで、提供側も変化するということ。
これがなかなか難しいのだけれど、ビジネスで結果を出していくには必須なので、念頭に置いておきたい。
人工知能が職を奪うだなんだという話があるが、下記の記事の最後に紹介した童話が、変化に対応する重要性を説いてくれる。
ついに人工知能が人の仕事を“奪い”始めた
まとめ
デザインの成功という側面からもビジネスの成功と同じ要素があるということは興味深い。が、考えてみればデザインもビジネスも人のために手がけるものなので、当然の結果とも言えるなと思える。
やりたいことをやってビジネスにしたいという人は、特にこのサイトを見る人には多いと思うが、あくまでビジネスを人の役に立ってこそのもの。いくら自分が好きなことでも他人が必要としないものは、ビジネスではなくただの趣味。
やりたいことをやる、の中に人の役に立つという観点が抜けると趣味になってしまうので、迷いがある人は自分が何に喜びを感じるのかどうしたいのか?は常に問うていきたいものだ。
「そんなことは無理だ。現実を見ろ。」なんて思う人もいるのだけれど、そういう人こそ現実を見た方がいいように思える(別な視点で)。今のままでいいの?という話だから。妥協の人生でいいなら構わないが、そうでないなら後悔するだけ。
良い答えが見つかる保証はないけれども、そもそも世の中の事象は考えようによっては全て保証されていないし、諦めずに探求すれば見つかる可能性はあるが、諦めたら可能性はゼロだ。
幸いなことに無理そうなことでも実現している人はたくさんいる。その一方で挫折している人はもっとたくさんいるんだろうけれども、それでもチャレンジする価値はあると思えるのだが、どうだろうか?