スプツニ子!というアーティストが一躍有名になった最初の過程
スプツニ子!というアーティストを知っているだろうか?東京生まれのイギリス人と日本人のハーフの女性でMITメディア研究ラボ助教でもある。アートの分野において名前が知られており、日本のメディアだと情熱大陸で取り上げられたことがある。
他にも、米Advertising Age誌の「2011年世界のクリエイティブ50人」に選出。伊Rolling Stone誌の「今後10年に最も影響を与えるデザイナー20人」に選出。2014年、日経ビジネスから日本の主役100人に選出。など、何かと注目されている女性だ。アートの分野で好きなことをやって生き生きとしている感がある。
そのスプツニ子!さんがクーリエジャポンの主催で講演を行なう機会があったので、参加してきた。正直なところ、クーリエで連載しているので、スプツニ子!という名前だけは知っていたが、その程度の知識しかなかった。要はあまりよく知らなかったのだが、話を聞いてみたかったのだ。何だか変わったことをやってる人みたいだけど、何してるんだろう?という疑問を解消したい好奇心があったので。
目次
スプツニ子!のアートに触れて分かったすごさ
で、実際、話を聞いてみると、とても興味深く、面白かった。面白い考えを持っていて、私の中で一気にすごい人になった(笑)
MITで研究する人だけあってさすがだと思えた。実際に話を聞いて、どんな意図でアート作品を作っているのか?という彼女の観点が分かったのが大きい。隣で話を聞きながら寝ている人がいたのだが、こんな面白い話なのに何で??と相当、疑問だった。
スプツニ子!による講演内容は・・・
で、どんな話だったのかというと、、、こんだけ引っ張っておきながらなんだが、彼女の話をまとめると相当長くなるし、まだ整理しきれていない。なので、別の機会に譲ろうと思う。
代わりに、今回は、何がきっかけで、スプツニ子!というアーティストが注目されるようになったか?ということにしようと思う。我々のようなスモールビジネスに取り組む者にとっても役立つ経緯だと思うので。
どんな過程で、スプツニ子!は一躍有名に?
まだまだ知らない人は多いかもしれないが、注目度の高いスプツニ子!というアーティスト。実は、あることがきっかけで、突如、彼女は有名になった。それが2010年に発表された「生理マシーン」という映像作品だ。
生理マシーン、タカシの場合??
その映像にはストーリーがある。女装好きの男性タカシが女性の外見だけでは飽き足らず、女性特有の生理まで体現したいと考えた。そこで、生理を擬似体験できる装置をつくり、それを装着して街に出るという作品だ。
それだけでは、何だかよく分からない内容だとは思うが、今までにない変わった内容だということは確かだ。生理って本当に必要?といった常識を疑うことから生まれたようだ。
なぜ、タカシなの?
ちなみに、生理マシーンの主人公のタカシという名前は、たまたまつけられた名前だそうだ。スプツニ子!さんがロンドンの飲み屋で見かけた店員をナンパしていた日本人の名前。その日本人が店を出る際にテーブルに自分の名前と電話番号を書いた付箋を貼っていったのを見たら、アサクラタカシという名前が書いてあってそれを採用したとのこと。
いろいろと考えているアーティストだが、ときにはけっこう適当にやるものだと思えた(笑)
なぜ、彼女の作品は大勢の目にとまったのか?
ここで着目したいのは、なぜ、それが人々の目にとまったのか?だ。その作品は大学の卒業制作でつくられた作品。実は、その作品をYouTubeに乗せたことろ、たちまち広がって大反響となったのだ。
ソーシャルでバズが起こって一気に拡散
WIRED誌などが取り上げたおかげもあって、一気に拡散した。1週間で20万回以上、再生されたそうだ。
それが東京都現代美術館の目にとまり、ニューヨーク現代美術館の目にとまり、といったようにどんどん有名になっていった。作品をYouTubeにアップしたことがきっかけで、どんどん広がっていったわけだ。もちろん、作品自体が素晴らしいということは前提ではあるが、それをYouTubeに公開したことはとても大きい。
大勢の目に触れるために必要不可欠な要素
もちろん、公開したからといって必ず拡散するとは限らないが、公開しなけりゃ、絶対に拡散しない。アウトプットするという行動が大事だということと私は捉えた。
作品の制作過程にもビジネスのヒントが
学生にとってネックになるのが作品の製作費。ちなみに、生理マシーンは製作費10万円だそうだ。それでも彼女の一工夫があったおかげで、その金額に収まったのであって、普通につくっていたらもっと高くなっていたかもしれない。
当時としては、まだ先進的な取り組みで作品制作
彼女が何をしたかというと、ネットをうまく使ったのだ。Twitterを使って
「今度、男が生理を体験するという変わった機械をもとにした映像作品をつくりたいんだけど、手伝ってくれませんか?」
といった内容の呼びかけを行なったんだそうだ。
結果、15人が集まることになり、半数以上が初対面の人同士で作品作りを行なった。
自分には何にもない?だったらこう考えてみては?
今でこそ、クラウドソーシングを使っていろんな人と簡単に一緒に何かをやれるようになっているが、当時からやっているのは先進的だと思える。
資源なんてないなんて思えば、何もない。しかし、それは1つの視点でしか見ていないから。別な視点を持てば、そこには別の可能性がある。そして、ちょっとした行動をするだけで、何かが変わることがある。
何かしらやりたいことがあると考えても、自分一人では限界があることもある。そんなときは、資源を集めることも厭わずやるのがビジネスを立ち上げる起業家。スプツニ子!というアーティストの中にもそれを見たように思える。そして、壁を乗り越えて行くには、好きなことじゃないと、なかなか難しいだろう。
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From:@ksaito54 丸の内スタバより