人の購買心理をついた買いたくなる要素と売上を伸ばす1つの要素
これは、ある日、家路についているときの話。人の購買意欲というのは、こうしてかきたてられるのか、ということを体感した。あなたのビジネスにも応用できるのでは、と思える出来事だ。
その日はスケジュールがけっこうキツキツで、あまり飲み物を飲んでいる余裕がなかった。また、気温が高かったせいもあって、喉が渇いていた。
なんとなくシュワッとした感覚を味わいたいと思ったので、炭酸飲料が飲みたかった。そこで、最寄り駅で電車を降りた後、コンビニに入った。飲み物売り場に足を運ぶと、そこにはいくつか炭酸飲料が。
パッと目についたのはコーラ。
いつでもどこでもどの国でも売っている定番だけあって、さすがだ。しかし、「今日はコーラの気分じゃないな」と思って他を探した。すると、ある飲み物が売り切れになっているのに気がついた。
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妙に気になる空きスペース
何だろうと思って、空きスペースの下にある値札を見ると、明らかに炭酸飲料だと分かる名前が。ところが、売り切れなので、買うことはできない。ほかにするかと思って周りを見ても、ピンとくるものがない。
それどころか、先ほどの売り切れていた飲み物が気になってしょうがない。でも、売ってないし・・・と思い、迷っていた。結局、飲みたいと思うものがなく、そのコンビニを後にした。
でも、何か飲みたいと思う気持ちは変わらないので、もう1軒ある別のコンビニに行くことにした。そこにならさっきのがあるかも、と期待を込めて。
その別のコンビニに入るやいなや、飲み物コーナーに急ぎ、先ほど売り切れていた炭酸飲料を探した。しかし、見当たらない・・・!売り切れどころか、そのコンビニでは取り扱っていなかったのだ。自転車ならもう1軒別のコンビニに行くのだが、その日は歩き。さすがにわざわざ家に帰って、自転車に乗り、さらに別のコンビニに行こうとは思えなかった。そこで、仕方なく、妥協してこれでいいやと思った炭酸飲料を買った。
後日、ついに発見されたブツ
その日は残念だったが、後日、同じコンビニに行くと、そこには、それがあった。が、「ついに見つけた!買うぞ!」と意気揚々とレジに行くかと思いきや、そうはならなかった。
実物を目の前にして、大量に陳列されているのを見たら、別にいいや、と思ってしまったのだ。こうしてネタになるので、一応、買ったけれども、半ば義務感で買ったような感覚だった・・・。
ビジネスに関係してくる大事な2つのポイント
ここで、大事なポイントは2つあると思っている。1つが希少性でもう1つは、買いやすさだ。
希少性
1つは、いわゆる希少性というやつだ。手に入らないと思えるものは欲しくなる。売り切れだと分かったら急に欲しくなった。あのとき、売り切れじゃなかったら、あそこまで欲しいという感覚はなかっただろう。知識として知っていても、抗うことはできない人間の心理。
もちろん、興味のないものがいくら品薄でも意味はないのは、言うまでもない。例えば、私の出身の茨城では、メロンの生産量が日本一なのだけれど、私はメロンが大嫌い。味はもちろん、匂いも苦手。切ってあると近くに置いてあるだけで臭くていやなので、どんなに希少なメロンでもいらない。
買いやすさ
もう1つは、買いやすさ。欲しいと思ったときに、サッと買える。これは非常に重要な要素の1つだ。人は、そのとき思った気持ちがずっと持続するとは限らないのだ。だから思い立ったそのときに買えるというのはとても大事な要素。
最近、Amazonが決済サービスを外部に提供し始めているが、とてもいい取り組みだなと思っている。条件は詳しく分からないので、何とも言えない部分はあるが、買いやすさが向上するからだ。
今、たくさんのネットショップがあるけれども、買おうと思ったときに
「ユーザー登録をしてね」
みたいな画面になると、面倒になってくる。
いちいちユーザ名とパスワードを入力するのも、管理するのも手間。
しかし、すでに持っているアカウントが使えるなら、わざわざ新しくアカウントをつくる手間がなくなる。
Amazon決済の本当のメリット
しかも、Amazonの仕組みを使えるのがとても大きい。それは、慣れ親しんでいるケースが多いと推測できるからという理由だけではない。彼らのすごいところは毎日の膨大な買物データを活かして、常に改善している点だ。
色、文言といった細かいところはもちろん、どんな画面に遷移させたらいいか、何回、画面遷移したらいいか、など事細かにテストしている。彼らが買いやすさを常に改善している仕組みを使えるという点がとても大きいのだ。
まだ導入したことはないので、実際のところどんな形になるかは不明だが、メリットがいくつか考えられるということ。
まとめ
ということで、希少性と買いやすさという観点をあなたのビジネスにおいても考えてみると、何かしら改善点が見つかるかもしれない。
先日、近所の造花を売る店で、閉店セールをやっていた。希少性をうまくついている。しかし、半年くらいに閉店セールをやっていたのに未だに店は存続している。確かに、その日にシャッターを閉めて店を閉めれば、”閉店”とは言えるが・・・。あるいは、気が変わったのかもしれないが、住宅の多いところでやるのはなかなかの度胸。どう考えてもバレるのだから。