「怒り」を商品にした変わったビジネス、ANGER ROOM
世の中広いものでいろんなアイデアを思いつく人がいるもの。そして、そのアイデアをもとに新しいビジネスが生まれている。例えば、他人の怒りをビジネスのネタにしたANGER ROOMというサービス。
怒り狂った人が喜んでお金を払うという変わったサービスだ。起こっているのに喜んでというのは変だけれど……。
目次
怒りをネタにしたANGER ROOMというサービス
ANGER ROOMは「Anger」つまりは怒りの感情をテーマとしたビジネスだ。
もっと具体的に言うと、部屋にあるものを破壊し尽くしてストレスを発散するというサービス。
「何だそれは……」
と思う人もいるかもしれないが、こちらの映像を見ての通りガンガン壊している(笑)
イギリスのガーディアン紙によると、ANGER ROOMに関しては2011年が始まりらしいので、少なくとも5年くらいは続いている。それだけ需要があるのだろう。
2019年の時点ではドメインが切れているので、サービスは終わったかもしれない
このインタビュー動画では破壊の対象となる物は寄付されていると創業者のDonna Alexanderさんは話しているので、仕入れはコストはほとんどないのかもしれない。
もともとは2008年の混乱期に生まれた
先ほどのイギリスのガーディアン紙によると、Anger Roomのようなサービスは最初、リーマンショックのあった2008年のアメリカ、サンディエゴにて生まれたSarah’s Smash Shackだそうだ(すでに閉店した模様)。
推測するにその当時も今も、お客さんの多くはくて仕事絡みのストレスを発散する人が主なお客さんのようだ。2008年はリーマンショック。記事によると、2016年は石油の価格が低迷していたこともあって、オイル産業の多い地域は大変らしく、お客さんの多くがオイル関係の人たちらしい。
類似サービス
他にも、カナダのRAGE ROOMや、Smash Shack、Tantrums LLC、BREAK ROOM、イタリアのCamera della Rabbia(閉鎖)などがあり、いろいろと類似サービスがあるようだ。
ちなみに、ANGER ROOMはフランチャイズ展開も。
日本でも類似サービスが開始
日本でも2019年の5月1日からREEAST ROOM(リーストルーム)というサービスが始まった(サイトはPCからだと今のところ見られず、スマホのみになっている)。公式サイトによると、場所は浅草(東京都台東区駒形1丁目2-13 B1)。
2019年5月31日までクラウドファンディングを実施中のようなので関心ある方はどうぞ。
価格は?
画像:Tantrams LLC
ちなみに、価格はTantrams LLCの価格表を参考にすると、1人当たり5分で25ドル、10分で35ドル、15分で50ドルなどがある。
画像:RAGE ROOM
RAGE ROOMの価格表だと、オプションで壊すものをいろいろと選べる。
ANGER ROOMは価格の記載がないので不明だが、似たような価格かなとは思える。
日本のREEAST ROOMはスタンダードなプランが3800円からのようだ。人数が増えると安くなる。
win-win-win
インタビューを聞く限りでは、仕入れは寄付らしいので、原価は意外と抑えられるのかもしれない。アメリカと日本では事情が違うけれども、日本なら粗大ゴミはもちろん、TVなどは家電リサイクル法に該当する物は余計にお金がかかるわけだから、ゴミを捨てたい側にとっても嬉しいし、仕入れる側も嬉しい。さらには、壊す人も嬉しい?ということで、三者ともWinでオールウィン状態な気もする。詳しく業界や状況は分からないのでなんとも言えないけれど。
うまくビジネスをやるならその周辺ビジネスということで、壊した後の破片なんかを回収する業者が儲かりそうではある。うまくやれば、タダで壊す物をANGER ROOM等にあげてしまって、後から破片の回収で稼ぐなんてこともできるかもしれない。
もし、派手に音が出たり、壊れたりするものなんかがあれば、それらを破壊対象物として納品しても面白いかも。子供の頃に割った蛍光灯はけっこう気持ちよかった記憶がある。オプションで提供したら客単価が上がりそうだ。
まとめ
ということで、なかなか興味深いビジネスが世界にはあるもの。人の感情からうまくビジネスアイデアを探していくのも、ひとつのアプローチ法としては良さそうだ。