200万社の調査で判明。生き残る会社、つぶれる会社の意外な違い
ビジネスをやろうと思ってはじめから失敗しようなんて考える人はいないだろう。やるからにはうまく成功させたいもの。
また、ライバルが激しい厳しそうな状況、いわゆるレッドオーシャンでビジネスをスタートさせるよりも、ライバルが少ないながら、市場規模もあるブルーオーシャンでビジネスを始めたいのではないかと思う。
さて、日本においては、設立から5年で85%の会社がなくなると言われている。つまり、5年続く会社は15%しかないということ。これが存続10年になると、6.3%しか残らない。20年は0.3%、30年では0.025%にまで低下する。
これらのデータのソース(誰かのブログに書かれているか、国税庁によるとという説明はあってもいつの何の調査なのかは書かれていないし、URLもない)が見当たらないので、実際のところはどうなのかは分からないが、なかなか長く存続させるのは簡単ではないということだろうか。
ただ、1つ言えるのは、どんな状況になったとしても、生き残る会社は必ずいるということ。
目次
生き残る会社とつぶれる会社の環境の違い
では、どんな環境下にいた会社が生き残って、どんな環境下にいた会社がなくなってしまっているのか?
ハーバードビジネスレビュー(2013年8月号:ダイヤモンド社)に1995年から2005年まで、イギリスにて設立された200万社のスタートアップ企業を調査した結果が掲載されていたので、それを一つの参考としてみよう。その調査はクランフィールド大学による調査で、立ち上げから2年目までにどんな環境下にいた企業が3年目も生き残っていたのか、その存続率を出したそうだ。
どんな環境下かといっても会社や業界によって様々なので、単に厳しいか普通かやさしいかの3パターンでしか見ていないが、どうなっただろうか?
1年目の競争状況 | 2年目の競争状況 | 3年目の生き残っている確率 |
---|---|---|
厳しい | やさしい | ? |
厳しい | 普通 | ? |
やさしい | やさしい | ? |
やさしい | 厳しい | ? |
さて、上記のように1年目、2年目と過ごした企業の3年目の生きる残り具合はどうなったか?パターンがいびつに見えるが、1年目に厳しい環境にいたかやさしい環境にいたかの差に注目したい。
こんな結果になった。
1年目の競争状況 | 2年目の競争状況 | 3年目の生き残っている確率 |
---|---|---|
厳しい | やさしい | 75% |
厳しい | 普通 | 72% |
やさしい | やさしい | 69% |
やさしい | 厳しい | 58% |
生き残りやすい会社の特徴
このデータを見る限り、最初に競争の緩いやさしい環境下に置かれていた企業は、厳しい競争下に置かれていた企業よりも存続率が悪いということがわかる。と言いたいところだが、初年度も2年目も厳しい競争下にいた場合はどうなのだろうか?耐えきれずに破綻していたら?それに、そもそも前提としてこんなことが書かれている。
多くの競争相手がいる市場で事業活動を開始した企業は、最初の一年で破綻に追い込まれる可能性が高いものの、この初期段階を乗り越えれば、三年目を迎える確率が高まることを発見した。
※ハーバードビジネスレビュー2013年8月号 P26 ダイヤモンド社 より
つまり、1年目でライバルがたくさんいて厳しい状況に置かれた企業はその時点でやられてしまっていることが多いと読み取れる。限られた紙面での紹介なので、詳しくは載せられないのだとは思うが、単に最初は厳しいのがいいとは単純には言えなそうだ。
ただ1つ言えるのは、競争の少ないやさしい環境下にい続けてはダメになるだろうということ。競争の緩いやさしい環境は企業を弱くするということだろう。
企業も人と同じかなということだろとうと思う。ぬるい環境から急に厳しい環境下に置かれたら、つぶれてしまう人は多いだろうし、はじめに厳しすぎる環境にいてもやっぱりつぶれてしまう人は多い。適度な厳しさの中で困難を乗り越える経験を積んで成長することが、存続につながる。企業というのは、結局は人の集まりなので、当たり前と言えば当たり前のようにも思えるが。
競合が多いと自信がなくなるのなら
とはいえ、誰もが、激しい競争の中に突っ込んでいきたいとは思わないだろう。これからビジネスをやろうと思っている人の話を聞くと、
「競合が多くて自信がない・・・」
なんてことをよく聞くし。
もちろん、競合がいないほうが競争が激しくないという意味ではやりやすいとは思うが、今回のデータを見る限り、ある程度の競争は必要だ。必要な成長の機会がなくなっしまうほうが恐ろしいことなのだろう。
競合が敵だと思ったら大間違い
それに、ライバルがいない市場といっても、いつまでそれが続くかは分からない。突如、ライバルが現れるなんてことはよくある話。だから、最初から「鍛えておく」のも良い選択だろう。
また、競合がいるということは、要は需要がたくさんあると考えることもできるし、ライバルは必ずしも敵とは限らない。お互いの商品を紹介し合ったりする仲間にもなり得る。
さらにいうと、人は似たような商品をいくつも買うのが普通。あなたの持ち物やよく買う物を振り返ってみたら分かると思う。ギターをうまく弾けるようになりたいと思う人は、似たような教本をいくつか買っていたり、雑誌や楽譜もたくさんあるだろう。結局、興味のあるものは1つだけ買うのではなくて、いろいろと買ってしまうもの。
要は、競合がいるこということをどう考えるかが重要だ。マイナス面ばかりを見たら大変そうだと思うだろうが、プラス面を見たらやる気が出るかもしれない。
まとめ
ということで、ビジネスを立ち上げてできるだけ長く存続させるには、ある程度の競争は歓迎しようということ。ライバル不在は、成長の機会をなくしてしまい、かえって弱くなる可能性があるから。考え方次第でライバルは敵にも仲間にもなるもの。同じライバルがいるという現実があるなら、うまく自分のビジネスにプラスになるように考えよう。