ペットロック、ただの石ころを使って67億円以上の売上げを作った話

ペットロック、ただの石ころを使って6億円以上の売上げを作った話

世の中、いろんな商売をやっている人がいる。変わったビジネスをやる人もたくさんいて、その1人ともいえるのが、こんなビジネスをやった人だろう。

それは、1970年代に大ヒットとなった商品。なんとその辺にある単なる石ころを売り物にして、半年で5616万6419ドルも売ってしまったのだ(※)。

1ドル120円とするとだいたい67億円になる。何か特別な石だったかというとそうでもなくて、本当にただの石ころを売り物にした。それにもかかわらず、バカ売れしたのだ。

当然、そのままの石では売れないので、一工夫したのだが、何をしたのだろうか?

GIGAZINEによると、5616万6419ドル(約6億円)とある。これだと、1ドル10.8円くらいの計算になってしまい、ドル円の為替レートとしてはありえない数字。ちなみに、1975年当時の為替レートは1ドル300円くらい。情報ソースはこのサイト(http://www.petsdo.com/blog/pet-rock-made-man-multi-millionaire-6-months-lives)のようだが、閉鎖されてしまっていて真相は分からない。ただ、億単位で売れたことは確か。

ただの石ころに価値を付加する

ペットロックのパッケージ
画像:Dot & Bo

石ころに価値を与えたのは、アメリカのゲイリー・ダウルさんという人だ。Wikipediaによると、こうある。

1975年、アメリカ人のゲイリー・ダウル(Gary Dahl)が、ペットの飼育には楽しみとともに、ストレスや出費といった欠点をともなうことから、それらの欠点が一切ないペットとして発案した。日本でも1977年(昭和52年)にトミー(現・タカラトミー)から発売された。

商品内容は、ペットとしての石に加え、動物のペットと同じように通気孔のあいたキャリーケース、石を鎮座させるための布や藁、飼育方法や訓練方法を記載したマニュアルと血統書がセットになっている。

購入者はマニュアルをもとに、石に対してイヌなどと同様に「来い」「お座り」「伏せ」といった基礎訓練を施し、決まった時間に入浴させ、ベッドに入れ休息を与える。さらに家族、友人、恋人といったペット・ロックを一緒にさせるといった楽しみもある。

引用:Wikipedia

石ころをペットに見立てて販売したのだ。石ころ以外にも、いろいろとセットにして売ったようだが、原価なんてほぼかからないだろうから、相当な利益率だろう。

ペットロック、最初はどうやって売ったのか?

virtualpet.comによると、サンフランシスコで開催されたギフトショーにて紹介されたのがきっかけになったようだ。そこで、ニーマン・マーカスというアメリカの高級百貨店から500個の注文が入った。さらに、Newsweek誌もペットロックを取り上げ、話題となった。

その後も、順調に売れ行きを伸ばし、1日1万個を発送していたらしい。クリスマスには2.5トンもの石がペットロックとして発送されたようだ。半年でブームは去ったが、とんでもない数を売り、あっという間に発案者のゲイリーさんは億万長者になってしまった。

発案者のゲイリー・ダウルさんとペットロックの今

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画像:petrock.com

Los Angels TIMESによると、発案者のゲイリー・ダウルさんは2015年の3月23日に78歳でこの世を去った。発案者は亡くなってしまったが、ペットロックは今、19.95ドルとなって公式サイトで売られている。

アイデア1つで大きく変わるが・・・

ペットロックの例を見る限り、アイデア次第で何でも売れてしまうんだなと思える。ただ、アイデアはあってもその多くは行動には移されることなく消えていく。

だから、生まれたアイデアを行動に移したことはすごいなと思える。こんなの売れないよ、と自分が思ったり、誰かにいわれて勝手に諦めていくことがほとんどだろうから。売れたのは、ただの幸運だったのかもしれないが、行動しなければ、その幸運すらもやってこない。

ところで、こうした事例は、頭にインプットしておくと、今は役に立たなくても将来的に何かのアイデアのもとになったり、別なことに応用できたりと何らかの形で役立つことがある。

良いアイデアは沢山のインプットがないと出にくいもの。なので、いろいろな事例を知ることは、新たなアイデアを生み出す上では重要だろう。

こうした秀逸なアイデアとも言えそうなのはこちらにもまとめているので、合わせてどうぞ。
秀逸なアイデア

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