ティム・フェリスのTED動画と本人のブレイクスルーのきっかとなったワーク
今回はティム・フェリス(ティモシー・フェリス)の話。ティム・フェリスは「The 4-Hour Workweek」という世界で1000万部を突破した本の著者。アメリカ人。日本だと「週4時間だけ働く」というタイトルで販売されている。こちら(クリックorタップするとAmazonのページに飛ぶ)。
週4時間という短い時間しか働かなくても十分な収入(本では月収332万円とある。日本で本が出版された当初の為替レート、1米ドル83円換算)があり、好きなことをすきなときにできるというライフスタイルを確立した人。
将来のために今、ひたすら頑張って引退後に人生を楽しむのではなく、先送りすることなく今から人生を十分に楽しむためにどうするか? という考え方。そのために必要最小限の労力で望む結果を手に入れられるか? ということを追求している。
まずは、ティムに関して簡単に伝えた後に彼のTED動画を紹介したい。
目次
常識を覆して圧倒的な結果を出すのがティム・フェリス
ティム・フェリス(Timothy Ferriss)は1977年生まれのアメリカ人。学生の頃から様々なビジネスを手がけている起業家とでも言えばいいだろうか。とにかく自由に人生を楽しんでいる印象。短い時間でいかに大きな結果を生み出すか? という点において天才的な力を発揮しているように思える。
ビジネスはもちろん、語学も堪能で6ヶ国語(高校生の頃に交換留学で日本に来たそうで、日本語も話せる)を話し、散打(中国式キックボクシングだそうだ)の世界王者であり、オリンピック選手にも肉体の指導をし、タンゴのギネス記録も持っている。
ちなみに、散打に関しては素人ながらわずか4週間という準備期間しかなかったのにチャンピオンになった。詳しくは 「週4時間」だけ働く。 という本にゆずるが、ルールを研究してルールのスキをつくようなやり方で優勝してしまった。愛好者からしたら良い顔はされないけれども、ルール上は問題なくそれで優勝してしまった。
ティム・フェリスのTED動画、先送りしてやりたいことができていない方は必見
今のところ2つあるのだが、今回は2017年に公開された動画をご紹介したい。というのも、ティムが四半期に1回はやっているという“あるワーク”の話があるからだ。
何かしたらやってみたいと思っていることがあるけど、なかなか行動に移せていない、今のままではジリ貧で現状を変えたいのだけれど、ズルズルと続いているなんて場合には効果的だろう。ティム・フェリス自身が後者として苦しんでいたときにやったワークなので。
今でこそティム・フェリスは様々なすごい結果をたくさん出しているわけだけれど、2004年の頃は相当ひどかったそうだ。週7日、1日14時間は働いていて、休む暇もない状態。自分がいなくなったらビジネスは頓挫してしまい、抜けられないと思っていたそうだ。
それが、今回教えてくれている考え方、ワークがきっかけでガラッと変わった。
具体的に何なのかはこちらの動画で。
なお、日本語字幕にするには、以下の画像のように右下の黄色い丸で囲った吹き出しのような箇所をタップしてJapaneseを選ぶ。
PCの場合も同様にこんな感じで右下の吹き出しをクリックしてJapaneseを選択する。
恐怖の明確化のワーク
動画では、ストア哲学の話からティム・フェリスがやっているというワークの話が紹介されていたと思う。それをまとめると以下のようになる。
- 考える対象を決める
- 行動したとしたらどんな良いことがあるかを書き出す
- もし行動しなかったらどんな損失があるかを書き出す
これだけ見ると、シンプルでたいしたことなさそうに見える人もいるかもしれないが、やってみるのとただ眺めているだけでは大違いなので、是非やってみることをお勧めしたい。そこで、ワークに取り組みやすくするために、もう少し詳しくまとめる。
考える対象を決める(What if I…)
自分が恐れるもの、逃げているもの、不安なものを決める。やろうと思っているのにやれていないことと言ってもよさそうだ。
動画の中では例として
- 誰かをデートに誘う
- 関係を解消する
- 昇進を求める
- 仕事を辞める
- 会社を始める
といったことが挙げられている。
実際にティム・フェリスがやったのは、
“4年間で初めての休みを取って自分の事業からひと月離れてロンドンに行き友達のところにただで泊めてもらって自分を事業のボトルネックとして取り除くか会社を畳むかする”
だそうだ。
このビジネスをやろうと思うけど、なかなか進められていないなどでもいいかも。
行動の結果、起こりうる悪いことを明確にする(DEFINE)
それを行なうことでどんな悪いことが起こるのか? を10個から20個考える。
動画の例だと2つあって以下のようになる。
“1つ目はロンドンに行ったら雨ばかりで気分が塞ぎ時間の無駄にしかならないというもので2つ目は国税庁からの通知を見落として監査や捜査を受けて会社が潰れる”
何かしら自分でビジネスをやりたいということであれば、やってみたけど全然売れずに失敗し、お金、時間、労力が無駄になるなんてことがあるかもしれない。
悪いことの予防策(PREVENT)
今度は明確化した起こり得る悪いことを避けるために何ができるか? を列挙していく。
動画の例だと以下の2つ。
“ロンドンで落ち込むことについては携帯型のブルーライトを持って行き毎朝15分浴びるということこれが鬱の発作予防に有効なのを知っています”
”国税庁の方は登録住所を変更して国税庁の書類が自宅でなく会計士に届くようにすれば済みます”
こちらも自分でビジネスをやりたいということであれば、初めから売れているものを扱うようにするとか、こちらで書いたように十分にリサーチをした上で取り組むといったことが考えられそうだ。
悪いことが起こったときの対処法(REPAIR)
そして、もし悪いことが起こったらどう対処して回復するか? 誰に相談するか? ということを列挙する。
動画の例だとこんな感じだ。
“最初のロンドンで落ち込む方は金を捻出してスペインに飛び日の光を浴びて塞いだ状態から立ち直ります”
“国税庁の通知を見落とした場合は弁護士をやっている友達か法学部の教授にでも電話してどうするのが良いか誰と話すべきか過去にみんなどう対処したか聞くというものです”
自分でビジネスをやるのであれば、すでに成果を上げている人に相談してみる。あるいは、また次のビジネスをやるとしてもいいかもしれない。
行動したらどんな良いことがあるかを書き出す
自信が付くとか、スキルの習得とか、感情的あるいは経済的なリターンがあるのか? メリットは何か? を書き出してみる。
動画の中では例としては何も挙げられていいないが、もし、自分でビジネスをやると考えると、例えば、やりたいことがやれるようになるとか収入が今よりも増えるといったところだろうか。
もし行動しなかったらどんな損失があるかを書き出す
このワークの中でも最も重要かもしれないとティム本人も語っていることがこの3つ目。日本語字幕ではcostというのをそのままコストと訳されているが、costには損失とかそういう意味もあるようなので、ここでは損失とした。コストでも意味合いとしては分かると思うのだけれど、損失としたほうがより痛みが大きくなりそうな気がする。
1つ目の質問ではやった場合にどんな悪いことが起こるか? ということを明確にしていったわけだが、それとは反対に今度はやらなかったら何が起こるのか? とういことを明確にする。現状維持を続けるとどんなデメリットがあるのか? と考えても良さそうだ。
それを6ヶ月後、1年後、3年後というスパンで考えてみる。期間を決めるのは漠然としてしまって詳細に書けないからとのこと。
もし、自分でビジネスをやるというのをテーマとしているなら、始めないことで変化のない今のままの生活を続けていつまでたってもやりたいことができない、なんてことが考えられるかもしれない。
まとめ
ということで、ティム・フェリス(ティモシー・フェリス)がTEDで話してくれたワークに関して実践しやすいようにまとめてみたので、取り組んでみてはどうだろうか?
-
考える対象を決める
- 行動の結果、起こりうる悪いことを明確にする(DEFINE)
- 悪いことの予防策(PREVENT)
- 悪いことが起こったときの対処法(REPAIR)
- 行動したとしたらどんな良いことがあるかを書き出す
- もし行動しなかったらどんな損失があるかを書き出す
実際にやってみた感想
人に限らず生物の行動原則は「痛みを避けて快楽を得ようとする」という一言につきる。それをこのワークで明確にしてみると考えることもできそうだ。
実際にやってみたところ、なかなか骨の折れるワークだった。いくつかのやりたいこと、先送りしていることについて考えようと思ったが、1時間半で1つも終わらなかった。
で、やってみて思うのは、考える軸があるといろいろと思いつくことがあってそれを紙に書くことでどんどん明確化されていくということ。頭の中でぐるぐるやっていても堂々巡りになるだけなので、紙に書いてアウトプットするというのはとても良いなと思えた。
分かっていてもたまにしかやらないので、こうした機会にやってみるのはお勧め。決断した後は行動するのみ。
最後に動画の中でも紹介されているストア派の哲学者セネカの言葉を。
我々は現実よりも想像の中でより苦しんでいる。 ―セネカ
ちなみに、ティムフェリスの本、「週4時間」だけ働く。はこちらから。分厚い本ですごく具体的なところまで書かれている。具体的過ぎるので、日本だと使いにくいとか時間がたっていると使えないということはあるけれども、真に役立つのは考え方、心構え、マインドセットであり、それが分かる点において非常に良い本。細かい方法やツール、サービスなどは自分にあったのを今の状況に合わせて調べればいいだけの話。そんなことよりも考え方や心構え、マインドセットのほうが遥かに大切だ。