成功する起業のビジネスアイデアを生み出すために役立つ5つの視点
以前、下記の記事で書いたとおり、ニーズのあるもの(需要と考えて差し支えない)を用意して売れば、リスクを極力抑えて起業することができる。特に資金の余裕のないスモールビジネスを立ち上げるにあたってはとても重要。
起業の失敗を極力減らして売れる商品・ビジネスアイデアを見つける方法
このサイトでは個人がスモールビジネスを立ち上げるということを中心としている。 会社員をやりながら副業で小さく始めて、そのまま両方やって複業にしてもいいし、会社を辞めてもいいように大きくしていくのもいい。あるいは、すでに独立している人が、新規事業を立ち上げる場合も、できるだけ大きなリスクをとらないようにしたいということもあるだろう。 ということで、今回はできるだけ失敗しないようにするためにどうしたらいいか?という話。 何が売れるか予想できる!? 明日の株価を確実に当てることができる人はいないように、ビジネスも必ず当たるかどうかなんて誰にも事前には分からない。なのになぜかそう思えない人がいる。
欲しいと思われるもの・ことを商品にするのだから売れるのは当たり前の話。だが、残念ながら「これを売りたい!」という自分が扱いたい商品やサービスが先行してしまうと、当たり前のことを見失うことがある。
そうなると、「お客さんの欲しいことを優先するのは確かにそうだと思うが、そうなったらやりたいことをやれないじゃないか」という話になりそうだが、そうとも言えない。
どうしたらいいかは方法はあるのだが、それはまた別の機会にでも。今回は起業するにあたって失敗を減らして成功率を高めるためのニーズに関する注意点について。
目次
ニーズがあっても売れない商品、売れる商品
単にアンケートを取ったらニーズがある、話を聞いたら欲しいという声がある、というだけでは痛い目に遭うことがある。それは、ニーズの深さが考えられていないからだ。
ニーズには深さがある。簡単にいうとお金を払ってまで欲しいのか、無料なら使うとか、あればいいなくらいのレベルなのかということ。
具体的には次の5つがあると考えるといいだろう。
- 今すぐにでも欲しいレベル
- 検討中のレベル
- 興味ありのレベル
- 無料または通常よりも安価ならいいレベル
- あったらいいねレベル
今すぐにでも欲しいレベル
当然ながら最も購入につながるパターンが今すぐにでも欲しいという状態だ。
痛みを感じていたり、欲しくし欲しくてたまらないような状態。あるいは、買うか買わないかの検討が終わった段階で購入を決めた状態。
例えば、砂漠で遭難してノドが乾いていたら、飲みかけの水だって喜んで買うなんてのはよく聞く話。
他にも、トイレのつまり、給湯器の故障、体調悪化、カギをなくした、靴のヒールが取れた、服が破けた、などなどいろんなのがあり、お客さんは買うしかないような状況。
あるいは、新型iPhoneが欲しくてたまらないとか。なくても支障はないけれども、欲しいという気持ちが高まっている状態。
初めからこの状態にいる人を狙って商品やサービスを用意できれば売るのはとても楽になる。単価も上げやすい。
検討中のレベル
検討中のレベルというのは、ほぼ買おうとは思っていて候補があってどれがいいか迷い中といったところ。
価格.comなどの比較サイトで値段の比較をしたり、クチコミをよく見たりしている。より購入に近い行動に出ている点で興味ありのレベルよりもニーズは強い。
今すぐには買うとは限らないけれども、やり方によってはいわゆる“今すぐ客”になる。今すぐ客に近い段階であり、片足つっこんでいるくらいの勢いなので近い将来のお客さん候補。
このあたりも売れやすい段階なので、狙っていきたいニーズだ。
ちなみに商品販売ページにはできるだけ情報を書いておく必要があるのはこうしたお客さんに買ってもらうためでもある。
Amazonみたいにスッキリしていたほうが買いやすくていいなんていう人がいるが、それはたいていの場合、もう買うのが決まっている人の意見だ。
比較検討している人に対して情報不足は行動を妨げる要素でしかない。この状態の人は情報量が多かろうと、長かろうと隅々まで見るので、決断に至るまでに疑問と思われることはすべて網羅すべきだろう。
もろちん、バランスはあるのであまりにも多いのはどうかとは思うが(特にスマホだとPCより読める範囲が決まってくるので長すぎるのは敬遠されがち)。
長い商品案内ページは検討が終わって買うと決めている人にとっては冗長だが、その場合は読まなくてもすぐ買えるようにしたらいいだけの話。
興味ありのレベル
商品やサービスの存在を知ってちょっと関心が芽生えた状態。
アンテナが立った状態で、今までなら見過ごしていた情報が目につくようになる(カラーバス効果が出ているような感じ)。
まだ理解しきれないないこともあってどんな選択肢があるか候補を調べ中。良さそうな商品やサービスがあれば、候補として選択肢に組み入れる。
ここも狙いやすいレベルのニーズ。
こうした人には全体像の把握が大切。何があって何を考えればいいのか? どんなケーススタディがあるか? などを伝えるといい。
無料または通常よりも安価ならいいレベル
便利でいい、あったらいいなと思うけど、お金かけてまでは不要というような状態。
これはアプリやネット上のサービスにあるフリーミアムモデルによくあるパターンかと思う。オフラインならお試しならいい、安売りならいいだろうという感じだろう。
他にもレンタルや安売りなら……というのもある。
まとめると次の3つ。
- 無料なら使う
- レンタルで十分
- 通常より安ければ買う(クーポン、割引チケットがないと買わない)
無料なら使うレベル(ソフトやウェブのサービスなど)
例えば、私の場合はDropboxやEvernoteなどがそう。便利でありがたいが必須ではないので、有料になったらよほど安くない限り使わない。
他にも、スマホのアプリやPCのフリーソフトなどたくさんあるだろう。SNSなんかは有料になった瞬間、相当の人が離れそうだ。
レンタルで十分
他にもレンタルはいいけど、買うまではちょっと……なんてこともある。例えば、都心にいると車は不要なので、持つ必要がないと思う人は多いだろう。そんな人はカーシェアリングやレンタカーですませる。
スポーツなども本格的にやらないならレンタルで十分だし、映画や音楽も買うまではいらないけど、安く借りられるなら見聞きするなんて状態だ。
通常より安ければ買う(クーポン、割引チケットがないと買わない)
また、クーポンがあれば買うけど、なければ買わないなどもある。
例えば、私が移動するときによく前を通る焼き芋の店がある。1つ300円する焼き芋だ。高いか安いかは人それぞれかと思うが、個人的には高く感じていた。
それがあるとき、1つ100円で買えるクーポンを発行した。
いつも気になっていたものの300円は高いなと思って買わなかったのだが、100円なら試しに買ってみようと思い実際に買ってみた。すると、かなりのおいしさだった。今までここまでおいしい焼き芋はなかったと思えたほど。
ただ、それでも300円出して欲しいかと言われると、ちょっと迷ってしまうレベルではあった。なので、確かにうまいし、300円の価値は十分あるとは思うが、それでもやっぱり300円ならいらない、になってしまう。
この段階だと、価値を見出してもらうのが大変か、そもそも無理なので売るのは大変。なので、この段階のニーズならやらない方が無難(茨の道かと思える)。もちろん、レンタルとしてやるなどであれば別。
売り方で変わることはあるとしても、1回ならまだしも焼き芋を何度も買うか? と言われたらNoだろう。
あったらいいねレベル
その分野に関心のない人のただの意見などに多い。
思いつきレベルや、自分が検討している商品やサービスについて話してみると「それあったらいい!」と賛同はしてくれるものの、いざ売っても「でも、そこまでは……」といって買ってくれないレベル(よくあるパターンだ)。
この場合、よほど関心をもってもらうように情報提供しないとお客さんにはなってくれない。売るのは大変だ。やってもほぼ売れないので、やめたほうが無難(もっとキツイ茨の道)。
伝え方が悪いだけなんてこともあるので、セールスのスキルをつけていないと判断は難しいかもしれない。
まとめ
ということで、ニーズのあることを商品やサービスにすれば売れやすいのは確かだが、それはニーズの中身をしっかりと見ての話だということ
。ニーズの段階は次の5つに分けて考えてみると、ビジネスになるかならないかの判断がしやすくなる。1〜3あたりのニーズでないと厳しいのは明らかだろう。
- 今すぐにでも欲しいレベル
- 検討中のレベル
- 興味ありのレベル
- 無料または通常よりも安価ならいいレベル
- あったらいいねレベル
ニーズがあるかどうかは人の声を拾って判断することになるが、お客さんの声(購入後)を聞くのと、見込みあるお客さん(購入前)の声、ただの外野の声(関心あるかすら不明な人)は質が違うので、注意が必要。
これから始める場合は、買った人の声はないので見込み客となる人の声を聞かざるを得ないが、最も良いのはすでに買った人の声。
あったらいいな、欲しいと思いながら買わないものなんていくらでもあるからだ。お金を払ったからどうかの違いはとても大きい。
なぜ買ったかということが分かれば、それに合わせて見せ方を変えていくとより売れるようになる。
注意したいのはくれぐれも関係のない外野の声で判断してはいけないということ。
意見としてはありがたいし役に立つこともあるので無駄とは言わない。だが、痩せている人から意見を聞いてダイエット商品を作っても、あるいは男性に女性の化粧品の意見を聞いても意味はないのは明白だ。