成約率の数字一部公開、店舗でもオンラインでもたった一言で売上増につながる例
スタバでコーヒー豆を買うことがよくある。先日、いつものようにスタバで豆を買ったときに思った売上増に関係する話をご紹介。といっても、当たり前のことなのだけれども……。
実際にそれを応用するとどうなるか? というのを実体験の数字を交えてお話できればと思う。
目次
ある日のスタバでの出来事
スタバでは豆やタンブラーなどが陳列されているとろで足を止めて見ていると、たいていはスタッフが寄ってくる。スタバで働いていた人の話によると、そういう方針らしい。
その日、次は何の豆にしようかと思いつつ商品陳列棚を眺めていると、スッとスタッフの人が寄ってきた。少し話をしていると「○○は飲みましたか?」と定番のものの中から豆を勧めてくれた。
その店はリザーブ店といって希少な豆も扱うお店で、迷っていると希少な豆も紹介された。希少豆は少し高いということもあってゆるく勧める程度ではあったが。ちなみに、多少高いといっても、中には250グラムで8000円もして普通の豆の6倍くらいするのもあるのだが、さすがにそこまでは勧めてこなかった。
結局、私は定番のものを選んでレジに向かった。そこで一言、スタッフの人はこう言った。
売上増につながる些細なこと
「他にはございませんか?」
そう言われたときに、希少な豆が気になっていたせいか、「じゃあさっきの豆も」ということで、つい高い豆を買ってしまった。要はマクドナルドの「ポテトはいかがですか?」と同じだ。
私はスタバに対するロイヤルティが高いので、そのままスッと買ったわけであって、そこまで親しみがなければプラスして買わずに帰ったとは思う。少なくとも、マクドナルドでは何を言われようとまず買わない笑(別にマクドナルドが嫌いなわけではないけれども)
いろんな人がいるので、個別具体的なことは人それぞれ。ここで大切なのは、言えば売れる可能性は増えるが、言わなければ売れる可能性は減るということだ。
ウザいとは限らない
言い方によっては人によってはウザいと思うだろうけど、たいていはなんとも思わないだろう。「他にありませんか?」と言われてムカッと来るような人がいるとはとうてい思えない(いたとしたらよほどの理由がない限り、そんなのでムカッとするような輩と付き合いたいとは思わないが……)。
最近、セレクトショップのアーバンリサーチが服を見に店舗に行ったときに声をかけないでという意思表示ができるバッグを導入したというニュースがあったが、これは「声をかけないでほしい」という声が多くてそれに答えた形ということだった。が、一方で場合によっては、こちらで書いたとおり「売ってほしい」「背中をひと押ししほしい」なんてケースもある。
起業したいけど営業したくない?だったらこれは知っておいた方がいい
ちなみに、メロンパン屋さんをやっている知り合いの経営者も同じことをやる。何十店舗と展開していて儲かっているお店ななのだが、会計の前に必ず「○○もどうですか?」とか、それに追加で何か提案するというわけだ。すると買わない人は買わないけれども、ついでに買う人も一定数いる。
何も言わなければ売れなかったけれども、たった一言「○○もいかがですか?」とか「他にありませんか?」と言うだけで変わるということだ。
オンラインでも使えるか?
「ネットで売りたいので関係ない」
なんて思っていると本当にもったいない。ネットでも同じことができるのだから。
Amazonで買ったことがあれば、すぐにイメージできるはずだ。この商品を買った人は他にこんな商品を買っています、なんてのが出てくるのを見たことがあるはず。Amazonの場合には買う前から提案しているけれども、買った後も提案してくる。
これは何もAmazonで使っている仕組みを使わないとダメということはなく、Aという商品が売れたらBという商品をというように事前に設定しておけばいい。実際にそうやって売っているケースもある。
「こちらもいかがですか?」とネット上で提案すると、具体的にどのくらい売れるか?
では、「こちらもいかがですか?」的なことを、ネットでやった場合にどのくらいの割合で売れるのだろうか? 当然、一概には言えないけれども、以下は実際にやっているある商品の数字だ。
他の人の商品販売の協力をしている中で得ている数字なので、詳細は控えるが、1万5000円くらいの商品を売った後に、同額か2万円くらいの商品を売っている。この場合、このページは今回限りの提案です、ということで限定性を謳っているので、厳密には「ポテトいかがですか?」とは同じではないが、別な商品を提案しているという点は同じ。
1.5万円くらい商品購入後に、2万円強の商品をオファーした結果
1.5万円くらい商品購入後に、ほぼ同額の商品をオファーした結果
Google Analyticsの機能を使って出した数字。内容が分かってしまうのでキャンペーンのところはぼかしているが、「ワンタイム購入(目標2のコンバージョン率)」「ワンタイム購入(目標3のコンバージョン率)」とあるのが、ある商品を購入後に別な商品を提案したときの成約率に相当する(他にもいくつか計測しているので、目標2とか目標3となっている)。
なお、キャンペーンは他にもあって計測対象もいくつかあるので、文字の大きな全体の数字とその下の小さな数字は一致していないが、4%から8%は購入しているということが分かる(小さな数字が純粋な数字)。
上記2つはカテゴリーの違う商品であり、何をどう提案するかによっても数字は変わるので、倍近い開きがあるわけだが、場合によっては10%を超えることだってある。大切なのは、何もしなければこの売上はないけれども、こうして提案をすることで売上が生まれている、ということだ。
まとめ
マクドナルドの「ポテトはいかがですか?」は、売上増に役立つ有効な手段。別に押し売りをするわけではないし、場合によっては、むしろ売られるのを期待しているケースもある。勝手に自分の思い込みで売られたくないと思わないようにしたい。一方で、相手のことを無視して売りつけるのも良くないのは当然のこと。
で、別にオフラインの店舗でないとできないことはなくて、オンライン販売でも同じようなことはできるし結果も出る。やらなければ売れないが、やれば売れることはある。
ちなみに蛇足ではあるが、買った豆は「エスプレッソロースト」と「ニカラグア マラカトゥーラ」という豆。
エスプレッソローストはラテとかマキアートなんかにも入っているエスプレッソショットに使われるスタンダードな豆。何にでも合うと言われるとおり、本当にいろんなのに合う。深煎りということもあって個人的にはそのまま飲むと濃いので、ミルク類と砂糖を入れて甘くして飲むことが多い。深煎りの強い苦味と香りがしっかりしていて濃い味わいがあってうまい(ブラックで飲むとなると、豆の挽き具合を粗くしないと個人的には濃くて飲みにくい)。
スタバの希少豆、ニカラグア マラカトゥーラ
ニカラグア マラカトゥーラは希少豆として売られている。100グラム1000円くらいなので、エスプレッソローストなどの通常の豆と比べて倍くらいの値段。レッドアップルの酸味という触れ込みがあるとおり、そんな感じの香りがする。程よい酸味で苦味は普通で飲みやすくてうまい。甘くしても酸味がいい感じで混じってきてなかなかのうまさ。そして、写真のとおり、豆が異様に大きい。皿の右上にあるのが普通の大きさの豆。
コーヒーに関心ない人からしたら興味ないのだろうけど、こういうこだわりももあって勧められるとつい買ってしまうというわけだ笑