副業から会社を辞めて起業した例7選と、うまくい人いかない人の違い
会社員として働いてはいるが、ゆくゆくは独立したい。でも、収入面で二の足を踏んでしまう……という人は多いのではないだろうか?自分自身、会社員をやっていた頃、給料以外の収入が入ってくるような仕組みがあれば、もっと早く辞めて起業していたと思う。
私は「もう無理」という感覚があって後先考えずに辞めてしまったが(経緯はこちら)、中には会社員として働きながら副業でビジネスを立ち上げて軌道に乗せた後に会社を辞めた人もいる。
それが理想的だと思うし、同じように副業から始めて独立起業したいという人は多いように思えるので、どんなビジネスを副業で始めて独立した人がいるのか、その例をいくつか紹介したいと思う。
目次
副業から始め、会社を辞めて起業した事例
すべて私の知っている人の事例だ。起業するには?ということに関してまとめた記事にも書いたとおり、堀江貴文さんのビジネスマスターシークレットというDVDの中で触れている4つのポイント、
- 利益率が高い
- 小資本で始められる
- 在庫を持たない
- 定期的に売上が立つ
をだいたい満たしている。
より詳しく知りたい場合はこちらの記事をどうぞ。
個人や主婦が低リスクで起業するにはこの4つをやればいい。身近な事例とともに経験者が解説!
起業という言葉からどんな連想をするだろうか? このサイトでは個人が低リスクでスモールビジネスを起業するということを中心に書いているので、金融機関からお金を借りる、投資家から資金調達してビジネスを立ち上げるといったようなやり方は他に譲る。 ここでは、会社員、学生、主婦といった方々ができるだけお金をかけずにリスクを抑えて起業するには?ということに絞ろうと思う。 起業するだけであれば、何も難しいことはなく非常に簡単なのだが、そうはいってもやったことのないことはよく分からないだろうと思うので、こんなビジネスを起業しているという事例を多少混ぜながら簡単にまとめてみる(初稿:2016年7月20日、更新:2018年6月13日)。
ということで、いずれも大きな資本は不要で利益率も高いビジネス。たとえ在庫があったとしても限定的で原価は安い。また、場合によってはリピートする要素を満たしているケースもある。
パターンとしては自分の経験をもとに教えるというケースが多い。昔からピアノを弾ける人がピアノを教える、習字がうまい人が習字を教える、ソロバンが得意な人がソロバンを教えるというのはずっとやられてきてたわけだが、それと似たようなものと思えばいいだろうか。
株式投資のノウハウとツール販売を副業にして独立
最初は、ずっと株式投資をやっていて結果も出せていたので、そのやり方とツールを副業で販売することにした人の例。ツールは日々変わっていく株価のデータをうまく分析するためのものであり、株価は常に変わっているので、投資を続ける限りはツールに継続的な需要が生まれる。つまり、継続課金が可能なビジネス。
30代半ばから初めて3年くらいで累計ではあるが、1億円以上を販売したようだ。会社員を続けいる間は法人化しないと決めていたそうで、法人化はせず会社員を続けていた。会社員としての仕事も好きで続けていたが、やがて会社を辞めて家族とともに海外へ移住。
今はモバイルルーターのレンタルや、貿易も手がけているそうだ。
特定の業種向けの転職支援
こちらも自分の経験を活かしたビジネス。Webのデザイナーに転職した経験をもとにどうしたら転職がしやすくなるか? ということを教え、個別に転職のサポートする事業を立ち上げた。
転職なんて無料でサポートしてくれる大手の人たちがいるのに、個人が太刀打ちできるのか? と考える人もいるかもしれないが、誰もが大手のやり方がいいとは思わないし、残念ながら大手から見限られる人も中にはいる。なので、お金を払ってまで相談したいという人がいるということだ。
こちらにあるように大きな市場のひとつである転職市場において、その一部を小さくとった形になる。
起業と言っても様々。ここで扱うのは個人がリスクを抑えて立ち上げられるスモールビジネス。市場の分け方はいろいろあるが、考え方の1つとしてこれを知っておくいいかと思う。どんな市場をどう狙うべきかはこの2つの視点で分けることができる。1つは大きな市場の一部をとること。もう1つは小さな市場を狙うこと。ニッチな市場といってもいい。 このあたりの話はこちらでも書いたが、より詳しく見ていきたい。 アリの通販で月150万円の事例と起業で狙うべき市場 大きな市場の小さな一部をとる
転職は一基本的には度決まったらそれで終わりなので、リピートはまずない。なので、単価はある程度取るようにしていた。
そして、その経験をもとに今度はまったく畑違いの分野である健康に関する事業を医者とも立ち上げた。そのときも会社員を続けていたが、しばらく後に会社を辞めて独立。
バイクの乗り方を教える&ツーリングを副業にして独立
バイク好きの40代の会社員が趣味のバイクをビジネスにして副業を立ち上げた。時間や場所を選ばないネットを活用したのはもちろん、乗り方を教える、ツーリングを企画するといった形で土日の週末を中心に活動し、軌道に乗せて独立を果たした。
勤めていた会社の仕事も好きでやっていたそうだが、独立の道を選んだ。ただ、副業中はあくまで副業ということで法人は設立せずにいたそうだ(独立後は法人化)。
カメラの撮り方を教えるという事業を副業で開始
カメラ好きの会社員がカメラ関係の会社にいたことを武器に写真の撮り方をレクチャーする事業を副業として始めた。もちろん、会社員としての仕事とはバッティングしない形で。
やがてプロカメラマンを呼んで講習会や撮影会などを企画するようになり規模を拡大。副業で年商1億円にまで育てた後、会社を辞めて独立。副業禁止の会社だったけれども、副業ながら法人を設立していた。家族の名前を使うなどして会社にバレないようにうまく工夫していたようだ。
これは継続収入という形ではないが、お客さんが繰り返し買ってくれるように商品は複数用意している。
不動産投資のノウハウ提供を副業に
これも自分自身の経験をもとにしたもの。不動産投資をやっていてうまくいっていて、そのやり方を教えるという事業を副業で立ち上げた例がいくつかある。人によって投資の方法だったり、融資を得る方法だったり、満室にするためにどうするか? という方法だったり様々ある。
その後、コンサルタントとして独立した人、仲介もやるようにして会社をつくって独立した人などいろいろだ。
小売店コンサルティングを副業にして独立
アパレル関連で働いていた会社員が副業を始めた例もある。本業に近い形でアパレル関連の小売店、要するに服屋さんに対する売上アップのコンサルティング事業を立ち上げ、他にもアフィリエイトなどいくつかやっていて、副業を軌道に乗せて独立した。
プロデュース事業を副業で初めて独立起業
ということで、自分の経験をうまく活用した例ばかりだが、自分にはそんな人様に教えるような実績や経験はないと思う人もいるだろう。そうした人でもビジネスを立ち上げることは可能だ。
ある人は、正確には副業を軌道に乗せて独立というわけにはいかなかったが、軌道に乗らないままも独立して必死にがんばって結果を出した。今はいろんなスポーツ選手をプロデュースして月に数百万円は継続的に売れるようになっている。
プロデュースというと何だか難しそうとか、具体的になにをしているのか分からないという人もいるかもしれない。ここでいうプロデュースという言葉はその人の名前で何かを売るという意味で使っているだけの話。
例えば、スポーツ選手なら講習会や合宿を企画してお客さんを集めるとか、対面でなくてもネットでやり方を教えるなどもその一つ。
副業、起業したビジネスを軌道に乗せるにあたって大切なこと
いくつか事例を挙げてきたが、副業がうまくいったポイントは何だろうか?
自分の経験をもとにした事例が多かったが、最後の例のように自分の経験ではなく他人の経験をうまく活用する事例もある。
だから必ずしも自分自身が人に誇れるような経験や実績を持っていなくてもいいということは分かる(本人がたいしたことないと思っていても、はたから見たら「それすごいよ……」という人はいるのだけれど)。
では、何が必要か?
売る力
まずは売る力だ。ビジネスをやる以上、利益は必須なので、商品やサービスを売るためのスキルは必要。
といっても営業の経験が必要とか、営業がうまくないとダメだなんてことはない。実際、私は営業なんて会社員時代にやったことがなかった。
新人研修でアンケートをとるという名目でいろんな会社に行っただけで胃が痛くなってイヤな気分になったし、営業だけはやりたくないと思って技術畑に進んだというのもある。関心もいわゆる理系の科目に集中していたというのももちろんある。
それに会社員として働いていたときは、お客さんとは研修以外では接したことがなかったし、電話で話したことはただの一度もない。外部の人と会うなんて特許の打ち合わせで弁理士さんと会うくらいだった。
それでも、営業はやり方さえ身につければある程度はできる。といってもネットで売れば対面で何かを売る必要はないので、話すのが下手とか交渉力がないとか内気とかは不問となる。
ネットを活用すれば、対面のセールスに苦手意識があっても何ら問題ないというのは、私みたいな内向的な人間にはありがたい限りだ。
やると決める心と柔軟性
スキルだけがあってもその肝心なスキルを使えなければ意味はない。なので、メンタル面、極論するとすぐに諦めない心が特に大切。
ビジネスを立ち上げて計画どおりにことが進むことはまずない。何かしらトラブルが起こり、失敗もたくさんするもの(失敗といっても一発で致命傷になるようなものはほとんどなくて、多くの些細なことも含めての話)。
なので、柔軟に問題に対処していく必要がある。そのために大切なのは諦めずにやり抜く力が必要。やり抜く力は、何のためにやっているか? という行動の前提となること、要は目的がポイントの1つ。
目的は高尚なものでなくても構わなくて、やりたいことをやるということでも、起業の経験を積むでも、お金を稼ぐでもなんでもいいので、とにかく納得いく理由を自分の中に持つことは必要かなと思える。
ただ、いくら目的を明確にしても、切羽詰まらないとやらないという人も中にはいるので、そうした人はいきなり会社を辞めてしまって背水の陣で望む例も少なくない(私がそう……)。
どうするかはその人の自由だけれど、会社を辞めるというのはあまりお勧めではないかなとは思う。会社員をやっていて独立起業したいという人は、自分の経験からも、またいろんな人も見てきた中でも、副業から初めて軌道に乗せるのがお勧め。
時間がないから副業できないという人が会社を辞めても起業できるとは限らない
あとは時間をどう活用するか。
会社の仕事が忙しくて時間がとれないという人は多いだろうとは思うが、面白いのは副業でやっていたビジネスがうまくいくようになったので、会社を辞めて副業を本業にしてフルタイムで取り組んだのに結果があまり変わらないというケースがあること。
時間が増えたのに結果が変わらないという不思議なことが実際に起こる。これは時間があればあるほど、それに比例して結果につながるとは限らないということを意味している。むしろ、時間がないからこそ、本当に大切なことが何かを考えて結果に結びつく行動ができると考えることができる。
要は時間というのは確かに大切だけれども、時間がないからできないのは言い訳になっているケースが多いということだろう。だから、時間がないからといって会社を辞めたからとしても、うまくいく可能性が増えるとは限らないというわけだ。
会社を辞めてしまうと、他の収入があるなら違うとは思うが、むしろ、収入がなくなることで不安が大きくなり、メンタルに支障をきたす人もいる。
このあたりは人それぞれだと思うので、自分の特性を理解した上で判断をするのが賢明。ただ、会社を辞めたらすぐに戻ることは不可能に近いいので、まずは会社員を続けながら副業でやってみる。それで、会社員をやっていたんじゃダメだということなら思い切って辞めてみるのも手ではある(だからといって安易に推奨はしないけれども)。
できない理由を見つける達人にならない
そして、考え方やメンタル。これが最重要といってもいいくらい重要でいくらスキルがあっても、考え方やメンタル次第で宝の持ち腐れになってしまうことはよくある。なので、先ほども触れたがここでもまた触れる。
うまくいった人は、ほぼ例外なくできない理由を探すより、どうしたらできるか? を考え行動している。
一方、うまくいかない人の中には、もともとうまくいった人は何かしら光るものを持っていて凡人とは違うなんて考える人もいる。残念ながら、それは結果論にすぎないというケースが多いのでは?と思う。うまくいったら急にもともと何か持っていた、という話になっているとしか思えないので。
それにもし、うまくいった人が何か光るものをあらかじめ持っていたとしても、それはその人の生まれながらの才能というより、それまでやってきたことの蓄積であることが多いのではないだろうか。なので、自分には何もないなんて言っている暇があったら、今からでも蓄積していったらいい。過去には戻れないので、今から何か始めるしかないわけだから。
1年何もせずに嘆いていたら、1年後何も変わらないが、1年何かしら取り組んでいたら1年後に知識と経験が手に入り、どんどん蓄積していく。私の好きなエピソードにこんなものがある。
私の母は62歳のとき、ハワイ大学で第二の学位を取得しようと決心したのだが、そのことに同年齢の女性が異論を唱えたことがあった。
その女性は母に対して、こう言った。「ルース、ばかげてるわ。学位を取るまで3年かかるんでしょう。3年たったら、あなたは65歳じゃないの」
母はその女性のいったことをしばらく考えていたが、笑顔でこう答えた。
「3年たてば、何もしなくても65歳になるわ」
私は椅子から跳び上がった。
なんと素晴らしい発想なのだろう。
結局、母はその女性の価値観に影響されて自分の目標を変えるようなことはなかった。
今後三年間の過ごし方を考えたとき、母にとって大学で学位を取ること以上に価値のあることはなかったのである。
TQ 心の安らぎを発見する時間管理の探求 P177-178より
キングベアー出版 ハイラム・W・スミス著 黄木信、ジェームス・スキナー訳
ということであり、自分のやらない理由を探している暇があったら、どうやったらできるか?を考えた方が建設的。
まとめ
ということで、いろんな副業の事例を見てきた。自分の経験を活かすことでいろんなビジネスが生まれていることが分かる。また、たとえ、自分の経験を活かせなくても、他人をプロデュースすることでビジネスを副業から立ち上げることも可能。私もそうやって他人の力を借りて小さく起業した。といっても副業からではなく会社を辞めた後だったが……。
そして、よく言われるように、できない理由を探すのではなく、どうしたらできるか? を考えるということが大切。
副業(起業)においてやり方やスキルはもちろん大切だけれど、たいていの人にとってはメンタルや考え方が及ぼす影響はそれ以上に大きいということ。