AWAとLINE MUSICを使ってみた感想と今後のWebメディアの共通点
最近、何かと話題なのが音楽業界。例えば、オリコンによると、AKB48が5年連続でランキング上半期の1位と2位を独占したそうだ。音楽としては正直、まったく興味がないので聞くことはないが、ビジネスとして考えると、すごいことだと思える。
今や、ダウンロードの楽曲ですら売上げが落ち込んでいる中、CDなんて全然売れなくなっているのに100万枚を売るのだから。選挙目的で買う人たちもいるし、行き過ぎの感もあるとは思うが。(柏木由紀の騒動でCDやグッズを燃やすような人がいるなど)
CDが売れない時代という環境のせいにせずに、どうするかを考えて売った結果とも考えられる。その姿勢は、学ぶべき事があるように思える。
目次
Apple Music、Spotify、AWA、LINE MUSICといった音楽の定額サービス
世界にも目を向けると、音楽の業界で注目を集めているのは、定額制のサービスではないかと思う。先日、Appleが発表したApple Musicもあるし、海外ではヨーロッパを中心にSpotifyがどんどん大きくなっている。
日本でも、AWAとLINE MUSICという定額制のサービスが開始した。AWAは、音楽レーベルのエイベックスとサイバーエージェントがつくったサービスで、LINE MUSICは名前のとおり、LINEが提供している。ポイントはただのストリーミングサービスではないという点。
音楽はYouTubeで十分では?
今はYouTubeでもいろんな曲が聞ける。似たような曲を選んで関連動画として表示されるし、最近では自動再生までしてくれる(たまに迷惑だが)。他にも、iTunesのラジオでも延々曲が流れる。
なので、正直、個人的には定額制の音楽配信には価値を感じず、あまり関心がなかったのだが、世間的には関心が高まっているのは事実。そこで、自分の感覚は脇に置いて、試しに使ってみた。すると、見えなかったことが見えてきた。
AWAとLINE MUSICを使ってみたところ
使ってみると分かるのだが、AWAはプレイリストがウリになっていて、LINE MUSICはLINEでのシェアを意識しているように思える。LINEに関してはLINEという強力なコミュニケーションツールに音楽の要素が加わった感がある。
YouTubeで十分なんて思ったていたのに、実際に使ってみたら意外といいということが分かった。これで良い曲との出合いがどんどんあるなら、このまま課金してもいいかもしれないと思えた。
AWAとLINE MUSICの良いところ
使ってみないと分からなかった良さがそこにはあった。単なる音楽のストリーミングではない点が実際に使ってみて、分かったのは大きい。
人との交流がそこには存在している点が単なるストリーミングとは違っていた。今はYouTuberと呼ばれる人が生まれているが、将来的にはAWAで生計を立てる「AWAer」が生まれたら面白いなんて思ってしまった。
ただ、数年前に生まれたターンテーブルという自分が選曲してDJを味わえるサービスは頓挫したので、「AWAer」が生まれることはなさそうだけれども。
AWAとLINE MUSICの違いは?
この記事を書いている時点の、日本における音楽の定額サービスはAWAとLINE MUSICの2つがメイン。
AWAはプレイリスト、LINE MUSICはシェア
AWAはプレイリストに力を入れている。今までAWAで聞いていた曲、お気に入りの曲に合わせて、曲を提案してくれるのがありがたい。プレイリスト自体にもお気に入りの設定ができて、人気があるものは見つかりやすくなる。
LINE MUSICはLINEというコミュニケーションツールに音楽が新しく加わった感がある。プレイリストもたくさんあるので、AWAとの違いがよく分からない面もあるが、シェアすることを念頭に置いた設計になっているように思える。
音楽の好みとしてはどう違うか?
音楽の好みの面では、洋楽好きならAWA、日本の曲が好きならLINE MUSICだなと思えた。私は日本の曲はほんの少ししか聞かないので、LINE MUSICの最初の画面を見て、ちょっとがっくりきた。実際には海外の曲もたくさんあるのだけれど、日本の曲がメインという印象がある。なんといっても、日本のアーティストが目立つ。
LINE MUSICは乃木坂46がパッと出てきた時点で、関心がかなりなくなってしまい、気持ちがAWAに傾いた。
見た目が全然違っていて印象も違う
AWA(左)とLINE MUSIC(右)の見た目
なんといっても見た目の印象が全然違っている。AWAのほうが洗練されていて美しく思えるため、良さそうに見えてくる(笑)LINE MUSICはLINEの延長なので、スタンプを眺めるようにプレイリストを見ているような感覚になる。
今後の定額制の音楽サービスのポイントとオウンドメディア
AWAもシェアの機能は加えるようなので、機能としての違いはよく分からなくなる。ポイントは、どんな曲を用意してどんな曲をキュレーションする人がいるか?になってくるのだろう。膨大な数の曲から自分に合う曲を選んでくれる人がどれだけいるのか?人ではなくアルゴリズムかもしれないが、編集者が価値を決めるんだろうと思える。
今のオウンドメディアの流れも似たような形になっていくだろうなと思える。すでにバイラルメディアは淘汰されてきているようにも思えるが、しっかり記事を書いていっても、そこに違いが出なくなってきたら、価値を感じられなくなっていくだろうから。
キュレーションの価値を高めるためにも、編集のうまさやその人独自の考えなど、代替が効かないようなメディアをつくっていかないと、淘汰されるだろうなと思える。逆に、その人や企業の世界観などがしっかりと出ているようなメディアで支持されれば、残っていけるということ。芸能人みたいな感じになりそうだ。