販売員が人工知能に奪われる職の1つとはとても思えない理由

販売員は人工知能に取って代わられる?この営業はそうは無理に思えるが

私は自転車に乗ることが多いので、自分のケガはもちろん他人にケガをさせてしまった場合にも備えて保険に入っている。自爆なら自業自得いえるかもしれないが、他人を巻き込むととてもやっかい。損害が莫大で相手への補償ができませんでは、両人とも不幸になってしまう。

で、保険の更新のために担当者と電話で話していたら、見事な返しを体験した。そこそこの年齢の方でベテランの領域にいる人だと勝手に思っているのだが、この人はやりおるわ……と思えた。人工知能で販売員の職が奪われるなんて話もあるが、このレベルで営業することはいくらなんでも難しいと思えるので、まだまだ無理そうには思える。

保険の営業から分かるビジネスで大切なことの一つかなと思える。

保険の振り返りをしていると

保険なんて1年もたつとどんな内容で契約しているか忘れてしまうもの。加えて保険の内容が少し変わるらしく、更新の前に内容確認が必用とのことで書類が送られてきた。

で、改めて見てみると、だいたいが意図した内容になっていたのだが、約款がなかったのでその会社のWebサイトで約款を確認しようとページを見ていた。すると、その会社のページにある商品と保険料が違っていることに気づいた。

どう見ても同じ保険としか思えないのだが、値段が違う。よく見てみると、携行品の補償という特約があるかないかの違いに思えてきたので、携行品特約について約款を確認してみた。

この特約は名前からして想像がつきそうだが、外出しているときに携行品として持っているものが壊れた場合などに保険金が支払われるというもの。

で、携行品特約を見てみると、対象外と書かれている項目があった。それを見ると、自分に関係ありそうなのがいくつか並んでいた。パソコン、携帯電話、自転車、電子マネーなどなど。これらは対象外なのか、なるほどと思っていたのだが、考えてみたら自分が普段持ちあるくものが軒並みそこに書かれていたのだ。つまり、自分が普段外出しているときに持っているものが全部対象外ということ。

じゃあこんな特約意味ないわ……ということで、この特約は辞めようと思って担当者に電話してみた。

すると……。

ベテラン営業の返しがすごい

担当者に電話して携行品特約について確認してみると、Webで見たとおりだった。なので、「自分が持ち歩くものが軒並み対象外で意味ないですね。」と言ったら「そうですね。ちなみにカメラなんてお持ちになりませんか?」と言われた。

自分としては、カメラはスマホで十分だと思っているので

「カメラは使わないですね。妻が持ってますが」

と言ったらすごい返しが来た。

すかさず

「奥さんのカメラに万が一のことがあったら、自分のものとして請求したらいいですよ。」
「保険はうまく使わないと!」

という予想外の答えが返ってきたのだ。

これはすごい……。どうせ分らないんだから自分の奥さんのものを自分が持っているとみなして保険を請求したらいいじゃない、ということを平然と言うわけなのだから。

何か気分が悪いのでやりたいとは思わないが、ここで注目したいのは次の2つ。

  1. 味方になってくれる感
  2. 商品の使い方の提示

味方になってくれる感

こちらの味方になっているような感覚を抱かせることかなと思える。意図的にやっているのかは分らないけれども、会社と戦う営業みたいな感覚になると信頼性が増しそうだなと思う。共通の敵みたいな形になって保険金が下りるように頑張ってくれそうという感は持てるように思える。

こちらの「箱」の話にあるように、人は敏感に感じ取るものなので、感覚で取って食おうとしているのが、考えてくれているのかは、分かるときは分かる。

自分の小さな「箱」から脱出する方法を読んでのまとめと感想| IDEASITY

商品の使い方の例示

保険という商品は使い方が分らない代表例の1つではないかと思う。誰も教えてくれないし、保険会社の人もいちいち何か事故はありましたか?なんて聞いてこない。そんな縁起でもないことを聞かれたらイヤな気になる人もいるだろうし、そんな時間もないだろう。

なので、自己判断するしかないのだが、そうそう保険を使うような機会は訪れないものだろうから、火事になったときに火災保険なんかは一発で想像がつくのだけれど、そうでないのは知られていないことはよくある。例えば、熊本、大分で地震の被害が大きくなっているが、火災保険に入っていると、火事でなくても修繕する必要が出た場合に保険金が下りるケースがある。

あまり知られていないケースということもあって、そこに目をつけてビジネスを展開している人もいるほど。私自身、そうしたビジネスを知って火災保険で修繕できるんだということを初めて知った。ちなみに保険が下りたら成果報酬としていくらか受け取るようにしているようだ。おそらく今回も、ほとぼりが冷めたら火災保険で修繕費用がまかなわれますみたいなのが増えそうに思える。

というように、我々は使い方を知らないもの。そこで、こんな使い方もできますよ、と言われると「そうなの!?」となって契約につながることもある。今回の場合はカメラというところから思わぬ方向に進んだわけだが。

なお、以前書いたこちらの記事では、スーパーで食材の使い方、つまりはレシピをレシートに印刷することで、44%も売上が上がった事例を紹介している。
少しの親切で売上アップしたマーケティング施策の事例、アイデア| IDEASITY

人工知能が販売員に取って代わるなんて10年早い?

ここのところ、AlphaGoや金融の世界でトレードに人工知能を使うなんてことが話題。少し前はこの記事に書いたように人工知能に乗っ取られる職なんてのも話題になった。

機械・人工知能・AIが奪う、なくなる職業・仕事のランキング| IDEASITY

保険の営業は載っていないが、小売店販売員といった接客して商品を売る職業が含まれているのだが、人工知能で果たしてここまでできるか?は疑問だ。もちろん、人工知能はどんどん進化しているので、将来的にものすごいコミュニケーション能力をもった人工知能が出てくることはあり得るが、まだまだ時間がかかりそうな気はする。

本来ならダメなんだけど、それは建前ということで、ダメなことでも良しとする。こんな感覚を人工知能がすぐに身につけられるとは思えない。それに、文化の違いもある。

こちらの記事でも書いたように人工知能の研究者の話を聞くと人工知能にも得意不得意があって、こうしたことは不得意な分野に入ると思えるし。

人工知能にすぐ取って代わられる仕事はこれ| IDEASITY

あとポイントは、人工知能に信頼を寄せられるか?ということかなとも思える。ドラえもんみたいなロボット、人工知能なら信頼も寄せられるような気はするが、そんな時代が来るのはいつになるか分からない。案外早いかもしれないが……。

まとめ

ということで日常からもいろいろ分かることはあるなぁと思える。お客さんのことをどれだけ考えられるか、が根本にあるのでそこを常に忘れないことが基本であり、外してはいけないことだよなと、改めて思える。分かっていてもつい外れてしまうことがあるので。

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