ビジネスアイデアなしで成功する人、あっても失敗する人

ビジネスアイデアなしで成功する人、あっても失敗する人

優れたビジネスアイデアは初めからなくてもビジネスは始められるし、初めから遠くまで見通しを立てなくても、ビジネスは始められるし、軌道に乗せることもできる。

いきなりすごいアイデアが見つかるなんてことはあまりないんじゃないかと思えるので、そのあたりの話を。

あるサラリーマンの会話

先日、ルノアール(東京にある喫茶店)にいたら、隣の喫煙席から漏れてくる煙とともにサラリーマンと思える人の愚痴が漏れてきた。

「明日は日曜なのに会社なんだよなぁ」

こんな感じで少なくとも楽しく会社で働いてはいない様子。

私は会社員だった頃、「俺は絶対に土日は働かない」と決め込んでいたが、そうもいかない日もあるものだ。

私がプリンタに組み込むソフトの開発をしていた頃、なかなか再現しないのだけれど、発生すると致命的なソフトの不具合が見つかり、ゴールデンウィーク中に延々、印刷していたことがある。土日ではなくても、工場で製造が開始してしまったのに、ソフトの設計ミスが見つかり、組み込んでいるソフトの書き換えを延々やったこともある。OEMで他のメーカーの実機を作っていたときは、他社さんに出向いて修正した。

会社を辞めて独立したい

こんな感じで会社に振り回されることは、会社員なら誰にでもあることかなとは思う。そうした不自由さであったり、そもそもやりたいことをやれていない、やりがいがなかったりで、なんとか会社を辞めて独立したい、と思う人は多いと思う。

また、何かしら自分でビジネスをやりたい!という思いはあっても何をしたらいいか分からないため、なかなかスタートできずに止まってしまっている人もまた多いだろう。

ビジネスアイデアがないという壁

ビジネスアイデアがないという壁

そうした人たちを何人も見ていると、動けない最も大きな原因は「ビジネスアイデア」がないことのように思える。要は、何をビジネスにするか決められないことだ。加えて、どうやってそれを実現するかというやり方も分からないということもある。

両方大切なんだけれども、やり方を学んだとしても、肝心の“何をするか”がなければ、何もやりようがない。だから、まずは何をするかが重要と考えるのは普通だろう。が、決められずにいたのではいつまでたっても前に進めない。そこで、もしあなたも良いビジネスアイデアがない、なんて思うならこんな話が役立つと思うので紹介したい。

シリコンバレーで会社を立ち上げて軌道に乗せた人たち

どうも、
「ビジネスでうまくいった人は良いビジネスアイデアを持っていた」
「何かしら新しいことをやるには素晴らしいアイデアが必要」
と思っている人が多いようなのだが、そうとも限らないのが事実だ。

たとえば、代表的なのはGoogleだ。Twitterなんかもそうだし、映画、ソーシャルネットワークを見たら分かるが、Facebookだって初めから巨大なSNSを見ていたわけではない。AppleだってまさかiPhoneやiTunes、Apple Musicなんて当初から考えてはいなかったはずだ。(Twitterはうまくいっているかは今の状況を見る限り疑問はあるが、多くの人に普及し、資金調達にも成功したという意味では成功と言える。利益をきっちり出さないと事業としてはダメだけど……。)

Googleの最初は図書館の検索改善から始まり、Twitterはとあるごく普通の会社が始めたサイドプロジェクトがスタート。

もちろん、シリコンパレーに限った話ではなく、もっと身近な例でもそうだ。私なんかはスポーツ関連の事業を最初にやって手放した後、また別な形でスポーツに関わるようになった。

初めから遠くまで見えているとは限らない

初めから遠くまで見えているとは限らない

全てのビジネスが初めから今のサービスが見えていたわけではないのは、先ほどの例でも明らか。最初から良いアイデアがあったわけではなくても、やっていくうちにだんだんと見えてきて軌道修正した結果、すごいのが生まれたということ。

もちろん、ソフトバンクの孫正義さんのように10代の頃から志を持って目標を掲げていた人もいるのは事実。だが、大枠はあったとしても、そこまで具体的にはしていなかったはずだ。そもそも時代の変化によって状況はめまぐるしく変わるのだから、それに合わせらる柔軟性も必要。

要は、先のことなんて分からないながらも進んでいった結果、いろいろと見えてきて軌道修正をしながら現在に至っているというのは、普通のことだということ。

少しずつ進むからやりたいことが見えてくる

いきなりパッと全体が見通せて、すんなりと進めることなんてそうそうないように思える。よく、目的地まで車で行こうとしたときに、全ての信号が青になってから行こうとする人なんていない、まずは目の前の信号が青になったら前に進むよね、という話を聞く。

まさにそんな感じで、もしこれだ!というのがなければ、なんとなくやれそう、やってみたいというところからスタートしていって方向を調整しながら進んでいくと、いろいろと見えてくるものがあって、やがてこれだ!につながっていくのかなと思える。気がつくと、これ面白いね、みたいな感覚だろうか。

先日、聞いたマザーハウス創業者の山口絵理子さんの講演でも同じようなことを山口さんが話していた。

なので、もし、今何をやっていいかわからないと思うのなら

  • 会社の同僚がこんなことを言っていたな、
  • 自分だったらこんなサービスが欲しいな、
  • そういえば、友達がこんな困りごとを持っていたな、

といった、世の中のニーズを調べてみたらいい。

自分がこれをやりたい、だと独りよがりになる可能性があるので、世の中のニーズは何か、ということから始めるのがポイントだ。ビジネスは相手あってのことなので、独りよがりはビジネスではなく趣味と心得ないといけない。

その中で、何となくこれやったら面白いかも、と思うものをどんどんやっていたらいいと思う。

今と違う結果がほしいなら違うことをやる必要がある

どうせ初めからビシッとアイデアが決まらないなら、何でもいいから始めたら今とは違った何かが見えることは間違いない。それが望んでいるものかどうかは分からないが、何も変わらないよりは可能性が高まる。

ちなみに、私が講師として指導をさせていただいていたビジネススクールの受講生の中には「これにしなよ」と半ば強引にネタを決められた人がいる……。で、そのネタでビジネスを進めた結果、サラリーマンをやりながらでも、会社員の給料以上の収入を得られるようになった。ずっと副業で続けていたが、2015年の3月に20年以上、勤めていた会社を辞めて独立した。趣味としてやっていたことで独立したので、とても楽しんでいるようだ。

まとめ

ということで、何事もやってみないとわからないもの。やらなきゃ失敗はせず、安全かもしれないが、何も変わらないから現状のまま。それに、長期的に見たら時間という貴重な資源を無駄にしたという失敗が待っている可能性はある。

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