日常から分かる商品が売れる売れないのちょっとした差の例

日常から分かる商品が売れる売れないのちょっとした差の例

我々はちょっとしたことで商品を買ったり買わなかったりする。ビジネスに取り組む者としては、販売者の立場になるわけだから、ちょっとした差で売れる売れないが決まることもあるということ。

例えば、名前の付け方、値段の決め方、申し込みフォームの内容などなど。

それが分かる、ちょっとした日常の話を紹介したい。

地下鉄で起きた奇妙な現象

先日、地下鉄に乗って移動していたところ奇妙な現象が起こった。

社内はあまり混雑しておらず、席はたくさん空いていた。私は端っこの席に座っており、ある駅に着いたらちょうど対面に座っていた人が席を立ち、電車から降りていった。それは、私のちょうど正面にある端っこの席が空いたことを意味する。

次の駅に電車が止まると、若い女性が乗り込んできた。端っこの席は隣に人が座ることはない。赤の他人と隣同士になって喜ぶ人はあまりいないだろうから、人気の席と言える。なので、たいていの場合、端の席が空いていたら誰かが座る。

その女性も端っこの席が空いているのを見つけると、そこをめがけて近づいていった。

が、席を目の前にした瞬間、一瞬座るのを躊躇した。そして、座ることなく他の席に移っていってしまった。

そこに、ドアが閉まるギリギリのタイミングで電車に乗ってきた男性がやってきた。この男性も先ほどの女性と同様に端っこの席に近づいていった。

が、その席を目の前にした瞬間、動きがピタリと止まった。そして、先ほどの女性と同じく別の席に移動してしまった。

なぜ、その席には人が座らない?

なぜか座られない席

一体、何が起こったのだろうか?

「もしかして、原因は自分?私が目の前にいたから、どっかいっちゃった??」

「知らないのは自分だけで、実は私が何か変なことになってる??」

なんて被害妄想を感じてて不安に思っていたら、原因が判明。実は……。

乗客が寄りつかない不思議な席の正体

良かったことに、乗客が席に座りたがらないのは、私に原因があるわけではなかった。よく見ると、席のところに飲みかけのペットボトルが置かれていたのである。

個人的には、

「そんなもの気にせず座ってしまえばいいのに」

と思っていのだが、何かが席に置かれていると座りにくくなるのは確かだろう。

実際、私も同じ状況に陥ったら避けてしまうかもしれない。周りの目が気になってしまうから。

寄りつかない商品になっていない?

ちょっとした障害でも物が売れなくなる

この現象が意味することは、要はちょっとした障壁があったがために、席に座られることがなかった、ということだ。

これってビジネスに置き換えて考えてみると、怖いこと。ロスの原因になるからだ。

例えば、こんな“ロス”が起こる。

こうして買おうと思っていた商品が売れなくなる……

先日、スキャナーを買おうかと思ってネットを見ていた。すると、価格.comにて安いのを見つけた。欲しいと言っても、頻繁には使わないものの、あると便利なので買おうかなと思っていたのだ。

型番が同じならどこで買っても同じと考えていたので、できるだけ安いところにしようと思って検索していた。すると、とても安いのを発見した。

なぜ、他より安いのに買うのを躊躇したのか?

売れなかったスキャナー

そのスキャナーは定価だと30,000円を超えるもので、安くて27,000円くらいなのだが、なんとその店では22,000円になって売られていたのである。
安いのはありがたいのだけれど、あまりに相場とかけ離れていると、

「いくら何でもここまで違うのはおかしい・・・」

と思ってしまうものだ。

そこで、じっくりとページを見てみると、違いがあることに気付いた。型番が同じだと思っていたら、型番に2文字だけ余分についているかいないかの差があったのだ。
ただ、型番だけでは実質的に何が違うのか分からなかったので、スキャナーを製造している会社の公式サイトを見てみた。

物が売れなくなる過程

いろいろと調べはしたものの、なかなか分からない。

「一体、何が違うんだ??」

という疑問が頭を巡っていて、買うまでなかなか進めなかった。

というのも、

  • 安いのを買った後に、肝心な機能がない……
  • 実はとても良い機能が高い方にはあった

なんてことがあったらイヤだと思ったからだ。(みみっちいとか、セコいとかいろいろあるとは思うが、、、一消費者の心理として読んでいただければと思う)

そこで、ちゃんと調べるべく、もっといろいろと検索した。が、結局、違いがわからず。

だんだん面倒になってきたので、調べるのをやめて買うのも保留してしまった。そして、その話を人にしたら、同じのを持っている人がいることが判明。だったら、その人に借りたらいいじゃないか、ということで買うのもやめてしまった。

たかだか型番の文字が2文字違うだけで、結果、売れそうだったものが売れなくなってしまったということである。

ここで大切なのは、疑問があってはいけいなということ。スキャナーの場合、価格は安いのに越したことはないのだが、なぜ、安いのか?が明確にならないと、怪しいと思われてしまうこともあるのだ。

売れる売れないのちょっとした差

他にも似たような例はたくさんあるだろう。自分ならこんなの気にしない、なんてことでも人によっては気になって売れなかった、ということだってある。

例えば、ネットで何かを申し込もうとしたときに、入力が面倒になって申し込みをやめた、なんてケースもけっこうある。

EFO

EFOで申し込み率が34%改善した例

そうしたこともあって、EFO(Entry Form Optimization)という申し込みフォームの最適化なんて概念も生まれている。

実際、効果も出ていて申し込みフォームの入力項目を減らしたら、減らす前と比べて34%アップも申し込み率が良くなった例もある。どんなフォームがそうなっかたかは正確には忘れてしまったが、あるシステムの申し込みフォームで

    名前
    会社名
    肩書き
    業種
    従業員数
    競合のシステムの利用の有無
    メールアドレス

という入力項目を

    名前
    会社名
    肩書き
    メールアドレス

に減らしたら、34%の申し込み率がアップしたのだ。必要ではない項目を念のため、なんてことで入力させようものなら、去って行ってしまう人もいるということだ。

まとめ

ということで、ちょっとした障壁であなたの商品を買うのをやめてしまう人は意外と多いと思ったほうがよさそうだ。

これから何かネットで売ろうと思っているのなら、自分で申し込んでみて違和感がないか確かめたり、他人に試しに申し込んでもらって確認するといいだろう。成果につながらない障壁はとことん取り除きたいもの。

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