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転職12回経験者、尾原和啓著「どこでも誰とでも働ける」のまとめと書評

転職12回経験者、尾原和啓著「どこでも誰とでも働ける」のまとめと書評

マッキンゼー、Google、リクルート、楽天、NTTドコモなどなど名だたるを中心に働き、転職を12回もしている著者の尾原さんは、本のタイトルのとおり、どこでも誰とでも働ける人の代表格ともいえる。尾原さんは拠点をインドネシアに置いて日本やその他の国を行ったり来たりしていて、「どこでも」というのは、どの会社でもということと物理的な場所の両方の意味で捉えることができる。

ひと昔前の働き方がだんだんと通用しなくなっているのが今の時代というのはだいぶ前から言われているように思えるが、実際にその変化に乗って動いている人はどれくらいいるだろうか? 尾原さんはそうした時代の変化の波に乗って颯爽と好きなことをやりながら、どこでも誰とでも働く人、そんなイメージがある。

「どこでも誰とでも働ける」という本ではそんな尾原さんが感じている今起こっている世の中の変化にどう対応していくか? それがまとまっていると言える本。とても面白いしためになるのでお勧めの本だ。

尾原さん自身が転職をどんどんして会社組織とともに働いている人なので、転職が1つのキーワードになっているが、このサイトは個人事業や起業がテーマなので、そうした視点からの所感所感とともにまとめてみた。

今、起こっている3つの時代の変化とは?

この本のとっかかりとなるのが、今の時代の変化で、具体的には次の3つになる。

  1. 社会やビジネスがいっそうインターネット化する
  2. これからの仕事で活躍できるのはプロフェッショナルだけになる
  3. 会社と個人との関係が根底から変わる

社会やビジネスがいっそうインターネット化する

実にさまざまなことがインターネット上でできるようになってきているのが今の時代。10年前、20年前と昔と比べたら格段に変わっているのはよく分かるかと思う。

そしたインターネット化していく時代においては、個人の働き方というものは次のようになる。

個人の働き方は多くの人や企業と対等(フラット)の関係でつながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)形になることでしょう。

尾原和啓「どこでも誰とでも働ける―12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール―」ダイヤモンド社、2018年、P7より

これからの仕事で活躍できるのはプロフェッショナルだけになる

プロフェッショナルとは自分が何者で何ができて何ができないか公言すること(Profess)であり、自分を律して成果を出し、相手に説明して、評価してもらえること

先のインターネット化するということを考えると、確かにそうだと思えることではないだろうか。フラットにつながるためには、お互いに何ができて何ができないか、なぜそれをやるのか? といったことが明確になっていないとやりとりしにくくなりそうだし。

会社と個人との関係が根底から変わる

社会の変化(テクノロジー、高寿命化など)によって今までの前提が崩れる。

人生80年から100年になったら今までと同じ前提で社会が成り立つことはないはずだし、テクノロジーの進化によっても同じことが言える。

また、日本は言語と地理的な側面で壁があったが、テクノロジーの進化によってそれらがなくなっていくと、いよいよ世界を相手にする機会が増えることになる。

3つの時代の変化に対応していくためにどうしたらいいのか?

本では先の3つの時代の変化に対応していくためにどうしたらいいのか? ということを3つの章で解説してくれている。

  1. 12職を渡り歩いて海外で暮らしている尾原さんの経験をもとにした仕事術
  2. 人生100年時代の転職哲学
  3. 未来への備えとしてAI時代の働き方に関して

12職を渡り歩いて海外で暮らしている尾原さんの経験をもとにした仕事術

実際にさまざまな会社で(どこでも=どんな会社でも)、働く場所にも依存せずに働いている尾原さんが仕事術をまとめてくれいてる。

本に書かれているとおり、出版を通してギブしてシェアいるというところに一貫性というか秀逸さというか感じるものがある。

人生100年時代の転職哲学

今、起きている社会的な変化を考慮したうえで、個人がさまざまな会社組織で働くうえでどんな考えをもつといいのか?

もう終身雇用前提で考える人は減っているとおもうのだけれど、今の時代は会社員という概念が昔とは変わっていて、変化2で触れているようにプロフェッショナル化してくいくものと思える。雇用関係であったとしても会社で働く個人事業主であり、自分というサービス・商品を提供している起業家みたいなもの。

未来への備えとしてAI時代の働き方に関して

社会変化のうちの特にテクノロジー関係で変わる働き方にフォーカスした内容。

尾原さんの仕事術で印象的だったこと

全部知りたい方は本を読めばいいので、ここでは自分で事業を行なう、起業するうえで大切だなと思える要素と関連のあるものをピックアップしてみた。

それが次の3つ。

  1. 試行回数を増やすこと
  2. アカウンタビリティの重視
  3. ROIの意識

試行回数を増やすこと

変化の速い時代においては考えている間にどんどん変わっていってしまうので、実行してフィードバックを得て改善が最速。

そのためにもPDCAではなくDCPA、もっというとDCDCDC……と実行と確認をどんどん繰り返してくらいの感覚で数をこなすことで何が当たるのかを見極めていくことが大切。

アカウンタビリティの重視

アカウンタビリティとは説明責任のこと(GoogleIMEだと「あかうんたびりてぃ」と入力して変換すると説明責任と変換できる)。

自分が何をするか? ということを説明できること。相手に合わせることというのが大切な要素というのが書かれていたので、事業をやるときもまったく同じということでピックアップした。

お客さんに対してどうしたらより良く伝わるか? は売上にも納得度にも影響する。

ROIの意識

ROIはReturn On Investment。最小のリソースで最大の結果を得るにはどうしたらいいかという意識が重要だということ。

結果を意識してどうリソースを使うか? 人の助けを借りたほうがいいならそうすべきなので、早めに手を挙げるとか、悩んで時間がかかって無駄を大きくするより、相談して手を売ったほうが結果としていいということはよくある。

無料を意識しすぎるとマイナスになってしまうことも

本の内容とははずれるが、低リスクで事業をやるうえでやってしまいがちなのは、無料にこだわりすぎること。

お金をかけずにできるならそれに越したことはのは当然だが、結果を考えたときに必ずしも無料がベストとは限らない。

広告費を惜しんでチマチマとやっているより、お金を使って宣伝して認知してもらったほうが売上が上がるなんて例はたくさんある。もちろん、だからといっていきなり初めから全力疾走というわけではないし、うまくいかないこともある。

他にも無駄にお金を払う必要はないのだけれど、時間と労力を使って生産性が落ちるよりお金を払って進めたほうがいいケースはよくある。情報を得るなんて場合は、無料でもたくさん良いのはあるのだけれど、有料のほうが手っ取り早いなんてことはよくある。

人生100年時代の転職哲学で印象的だったこと

この章でも、自分なりに良いと思ったものを3つ取り上げてみる。

  1. 転職の意思がなくても毎年転職活動をする
  2. 副業、ボランティア、プロボノ活動でスキルを知る
  3. 始まりの場所を知って関わることで価値を高める

転職の意思がなくても毎年転職活動をする

同じ会社でずっと、というのが当たり前ではなくなってきているのが今の時代であり、今後はもっとその傾向になっていくものと思える。

そのために重要なのが今の自分の価値を知ること。なので、自分の市場価値を知るためにも転職活動は年に1回はやったほうがいいという話。

自分を客観的に知るということは転職に限らず起業にも役立つはずだ。自分を低く見ていたなら自信がつくだろうし、自信過剰なら改められる可能性がある。

副業、ボランティア、プロボノ活動でスキルを知る

自分のスキルを副業として提供することで何ができるかが見えてくることがある。

実際、クラウドソーシングやタイムバンクなどに登録して副業をしている人もいるわけで、その中で単価の取れそうなものを試行錯誤して見つけると自分の強い面、通用するスキルを知れる。

なにも副業をする必要なくボランティアやプロボノ活動でもかまわない。なお、プロボノ活動というのは自分の持っているスキルなどを捧げて何かに関わるボランティア活動。

始まりの場所を知って関わることで価値を高める

自分の強みを培ったり成長させたりするには「始まりの場所」に身を置くのが有効。つまりは、新しいことの黎明期に関わるということ。尾原さんならドコモのiモードが良い例。

では、どうやって始まりの場所を知って関わるか?

まず知るためには情報を得る必要があるわけだが、そのためには今の時代はテクノロジーの動向を押さえるのがポイント。

具体的にはPwC、KPMG、野村総研の作るメガトレンドの資料やガートナーのハイプ・サイクルを見るそうだ。そして、世界を飛び回って実際の状況を肌で確認。

関わるためには職にしてしまうのが一番なので、関連企業に転職するのが手っ取り早い。ただ、特に大企業なら社内プロジェクトにチャンスが転がっていることもあるので、手を挙げてみるのもいい。

職として関わらなくても、ボランティアやプロボノ活動でも良さそうな気はする。

AI時代の働き方で印象的だったこと

この章に関しても3つピックアップしてみる。

  1. 好きを追求
  2. スキルからエクスパティ、ネットワークへ
  3. ストリートスマート

好きを追求

AIの得意な効率性や合理性に強く人間が立ち向かえるレベルではないので、そうしたことはどんどん置き換わっていくものと考えられる。

必ずしも効率性の追求だけが価値を生み出すわけではなく、こだわりやその人の個性といったことも価値になる。それが好きを追求することで大きくなっていく。

好きなことが仕事や事業になるか? というの価値があるかどうかに関係してくるので、自分の好きなことがどのくらいの価値なのか知るためにも何かしら発信をすることが大切。そうするとフィードバックが返ってくるので価値の大きさがある程度分かる。

副業やプロボノ活動を通して好きなことをやってみるのもいいかと思う。

プロボノ活動から好きなことを仕事にした人

これは本の内容からは外れるが、プロボノ活動から好きなことを仕事にした人もいる。

それが宇宙ビジネスの分野でよく名前が出てくる石田真康さんという方だ。「宇宙ビジネス入門」という本も出版している。

石田さんは社会人になったあるとき、子供の頃から関心のあった宇宙に関わりたいと考え、プロボノ活動から宇宙ビジネスに関わるようになった。

そこからどんどん先に進んで今では本業のコンサル会社で宇宙ビジネスに携わるようになるまでになった例(少人数の会合のゲストとして来ていただいて直接聞いた)。

スキルからエクスパティ、ネットワークへ

プロフェッショナルとして生きるには何かができるというスキルだけではなく、エクスパティ(専門知識)とネットワーク(人脈)も必要。むしろ後者の2つのほうが大切。

エクスバティとは専門知識のこと。単にそのことだけを知っているというだけではなく、周辺知識も含めての専門知識。

本にある例だと、消火器器なら使い方だけでなく消防法や保険の知識まであってさまざまな想定をしたうえでどう消火器を設置したらいいのか提案できるようなイメージ

エクスパティの力を実感する例

本の内容からははずれるが、エクスパティに関連して少し。

先日、お伝えしたこちらの葬儀屋の話はまさにエクスパティによって利益を押し上げている例だろう。

田舎の葬儀屋はこうして利益を出す。意外な利益の源泉を当事者から聞いた

彼岸の時期に墓参りに行こうと思い実家に帰った。 家で昼ご飯を食べ終わり、くつろいでいたところ、たまたま親戚のおじさんがやってきた(よくある架空の人物ではなく本当に親戚。叔父)。 そのおじさんは葬儀屋で働いている。地元の高校を卒業してずっと地域の金融機関で働いていたのだが、いつの間にか葬儀屋に転職していた(詳しい事情は知らない)。 私が子供の頃に比較的高級な車に乗っていたので、バブルの頃は羽振りがよかったんだな……と今になって思う。ただ、時代の流れにそのまま乗っているような気がしていて、どこにでもいそうな普通のおじさんという印象だった。

また、商品知識という観点からいうとヨドバシカメラの例がある。あまり行かないので実感はないのだけれど、豊富な商品知識で他の家電量販店とは一線を画すのがヨドバシカメラだそうだ。

買うのが決まっていたらAmazonが安いかもしれないが、迷っていたり、商品のことがよく分からなかったりした場合には、多少高くてもヨドバシカメラが最善の選択肢になり得るということ(ヨドバシカメラは高くないとは思うが)。

ストリートスマート

ストリートスマートとはそもそもの本質に立ち返る思考。反対の思考はブックスマートというらしい。

ストリートスマートは予算が100万円となったときに、そもそも100万円なの? という思考。前提を疑うところから考えるというイメージ。

課題解決よりも課題を見つける力が問われるのがAI時代。「2020年人工知能の働き方」にも書かれているとおり、人工知能は課題を見つけてくれるわけではなく、見つかった課題を解決してくれるツール。

よって、どう人工知能を使う? という問を立てられる人が必要になっていくと考えられる。

ある条件下でどうするかを考えるのではなく、そもそものところから考えられるというストリートスマートの考えが大切になってくるということにつながる。

前者はAIの得意な分野だが後者は少なくともすぐにはAIでは置き換わらないとされている。

まとめと所感

冒頭で触れた1つ目の変化「社会やビジネスがいっそうインターネット化する」が根底にあるかなと思える。

個人の働き方は多くの人や企業と対等(フラット)の関係でつながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)形になっていくだろうとというのがもとにあるからこそ、本で書かれていることがつながっていくように思えるので。

要は人として関わりたいと思える人物になる、ということになるんだと思うのだが、それを分解していくと次の3つになりそうだ。(注:勝手に3つに分類しているだけなのであしからず)

  1. 有益でメリットがある
  2. 分かりやすさ
  3. 人間的な良さ

有益でメリットがあるというのは、スキルや知識、人脈が豊富で力になってくれる、問題解決ができるといったその人の持つ人材としての実質的な価値。

分かりやすさも実質的な価値としての側面がある。店でなにか商品買うときも、で、これは何が違うの? とか、何ができるの? といったことが明確になっていれば購入の判断をしやすいが、そうでないと調べなくてはならず時間コストがかかる。

もし、間違えて買ってしまって期待とは違うとなってしまうと、お金も無駄になる。

なので、わかりやすさは大切な要素。その人を、あるいはそのビジネスをどう活用すれば、最大限に価値を享受できるのか? ということが分かれば採用されやすくなるはずだから。

また、なぜそれをやるのか? ということも分かりやすくなっていれば、無駄なトラブルを避けられるし、お互いに納得しながら進めることもできる。

人間的な良さというのは、感情的な側面の価値が大きい。
情報を独り占めしないで分かち合ってくれる、与えてくれるような人なら誰だってありがたいと思うはずだし、好きなことを追求して生き生きしているという人も魅力的に感じるはず。

これからの時代の変化はテクノロジーなしには語れないので、人工知能関連の話は押さえておくと良さそうだ。

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