鋭い視点の継続課金(サブスクリプション)モデルの起業例8選+1
継続的な利益を生み出す仕組みはビジネスを安定させる上でとてもありがたいこと。
スモールビジネスを起業する場合にも、当然ながらできれば押さえておきたい視点だ。
要は定期購入や月額課金、横文字でいうとサブスクリプションというやつが実現できればいいわけだが、なかなか思い付かないケースも多いように思える。
そこで、継続的に買ってもらえることを期待できる継続課金・定期購入の例をいくつか。すぐに思いつくようなものは面白くないので、ちょっと変わったものや新しいものを中心としてお伝えしたい。こういうのも定期購読になるんだなという事例として知っておくと、自分のビジネスに何かしら応用できたりヒントになることもあるだろうから。
目次
食器洗いに使うスポンジの定期購入
1つ目はSponge Clubスポンジの定期購入だ。台所で食器を洗うときに使うあのスポンジ。確かに料理を多少なりともするなら、毎日使うものの1つであり消耗品なので、定期的な需要はある。だが、洗剤ではなくスポンジに着目するのは個人的には面白い視点だなと思える。
月額4.88ドルで毎月新しいスポンジが届くらしい。スポンジには贈答品(粗品みたいなイメージだろうか)としてメッセージを記載することができるそうだ。メッセージを入れるのは個人利用も多少はあるだろうが、不動産管理会社やオーナーがテナントに配布するようなケースが想定されているので、ノベルティや粗品といった使い方なのかなと思える。
服の月額レンタル
ここ数年でたくさんのサービスが生まれているのがファッション関連のレンタル。バーティに使うといった単発のレンタルではなく、月額課金で借り放題みたいなのもいくつかある。
ドレスを貸し出すレント・ザ・ランウェイ
その1つがレンタルドレス界のAmazonなんて言われることのあるRent The Runway(レント・ザ・ランウェイ)だ。
単発のレンタルが主体だったと思うが、月額固定でレンタルし放題もある。
靴のレンタル、shoedazzlet
こちらのshoedazzletは靴がメイン。
男性ファッション用の月額固定レンタルサービス
女性に限らず男性用もある。それがleeapという月額固定で服をレンタルできる仕組み。事前のカウンセリングで何が良い何がイヤというのを選んで、担当者にコーディネイトしてもらうようだ。
なお、レンタルした商品は購入することも可能。先の2つのサービスもおそらく同じかとは思うが英語で読みにくいので、こちらを中心に調べたら、一般的な店頭価格の半額近くで安く買えるのもあるようだ。視点を変えると、お金を受けとって試着してもらっているとも考えられるので、その意味で考えると秀逸だ。
※参考:7,800円で全身コーディネートをレンタルできる「leeap」を使ってみた
ルナルナ、生理・妊娠といった女性特有のサービス
ルナルナ(ルナルナのサイトスマホ用、ルナルナのサイトPC用)は女性の生理現象に特化したサービス。毎月1度訪れる生理に関連して体調のサポート、妊娠のサポートなどを提供するサービス。生理的に毎月来るものに目をつけて女性の悩み解決にフォーカスするということは、男性目線ではまず思いつかなそうだ。
ところで、スマホ用とPC用に分けていて検索で両方見つかってしまうのはどうなんだろうか……。レスポンシブにするかJavaScriptでも何でもいいので画面サイズに合わせて変化させればいいのにと思うのだが。個人的には理解不能だが、何か理由があるだろうか?検索して見つけたらPCでは表示できませんと出るというのは、ちょっとどうなんだろうと思ってしまう。
簡単にレスポンシブにできない何か理由があるのかもしれないが、利便性がよくないし、信用につながるような気もする。
カミソリの替刃
女性の生理現象に特化したサービスがあるなら男性の生理現象に特化したサービスも。それが、ひげ剃りの替刃を定期的に送るDollar Shave Clubというサービス。この会社がきっかけとなって他にもいろいろと類似サービスが出てきたそうだ。
替刃は単価だけ見ると高く感じるもの。女性は買わないので分からないだろうけれども、8枚入りなんて買おうものなら2500円とか3000円近くするので。そこそこ長く使えるとはいえ、高く感じるのは否めない。
そこに切り込んだのがDollar Shave Clubだ。定期購入にして、ジレットやシックなどの大手より安くして販売した。
替刃だけでなく、クロスセル(ついで買い)もでき、それも定期購入候補
シェイビングクリームとか保湿クリームなど他の商品もクロスセル(ついでにこれもどうですか?というやり方。マックのご一緒にポテトもいかが?と同じやつ)でき、さらにそれらも消耗品で継続使用が見込める収益の観点から考えると素晴らしいなと思える。
日本の替刃定期購入サービス
日本にもTokyo Shave Clubというのがあるようだ。名前を見る限り、物の見事にDollar Shave Clubを真似してそうだけれど、それが悪いとは全く思わない。必要な人にとってみたら日本で提供してくれているわけだからありがたいだろう。
また、こちらのLINEの話でもあったが、ライバルが増えるということは認知が増えるということ。このカミソリの例は国が違って対象となる顧客が違うので意味はないが、一般的には競合が増えて驚異になる一方、より認知されてパイが増えるとも考えられる。
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オモチャ月額使用サービス
画像:pley
オモチャの月額課金サービスを提供しているところもある。それがpleyというサービス。Techableの記事によると、2013年に創業したそうだ。
2016年9月現在、月額12.99ドルか29.99ドルのプランがある。違いは選べるオモチャの範囲など、いくつかあるようだ。ただ、FAQを見ると2つのプランとも一度に1つしかオモチャを送ってもらうことはできないようなので、使い放題とはちょっと言いがたいようなサービスかなとは思える。一度に2つ以上、おもちゃを送ってもらいたい時には複数アカウントをとる必要があるとのこと(FAQより)。
ちなみに、レンタルだけでなく買うこともできるので、気に入ったものを手元に置いておくこともできるようで、これは服のレンタルなどと同じ。
子供のオモチャなんてどう考えても一時的にしか使わないので、サーキュラー・エコノミーが叫ばれる今の時代の流れにも合っているように思える。
消耗品の販売ではなく、使用量で継続課金にしたモデル
サーキュラー・エコノミーのところでも書いたとおり、タイヤを販売しているミシュランでは、タイヤの買い替えで課金するのではなく、走行量で課金するようにしたそうだ。タイヤにチップを埋め込んで走行距離を計測し、一定の使用量に達したら新しいタイヤに交換するというモデル。
使い捨ての大量生産、大量消費から変わってきている時代の流れに合わせた発想の転換は面白い。大手の話ではあるが、我々のようなスモールビジネスを手掛ける者にも役立つ例だとは思う。
まとめ
ということで、時流に乗っているもの、ちょっと変わったもの、言われればそうだけどそこに目をつけるのはなるほどと思えることを中心に、継続課金・定期購入ができるビジネスの例をまとめてみた。
ビジネスは儲けが必要不可欠なので、こうした継続的に利益の上がる仕組みはできるだけ導入したいものだ。