拡大するネット通販の市場規模とその裏で着実に儲けを出す業界とは?
ここのところ、日本においてずっと伸びている業界の1つに通販がある。永久に伸びることはないので、いつかは飽和するとしても、現状は右肩上がり。
2013年度のデータではあるが、日本通信販売協会によると国内における通信販売の売上高は5兆8600億円と推計されており、15年連続で過去最高を更新しているようだ。リーマンショックや震災があった後もネット通販の勢いはおさまらなかった。
これからネットで何かしらビジネスをやりたいと考え、収益面に関心があるならこれからお伝えすることを知った上でチャレンジした方がいいかと思う。
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孫正義さんがソフトバンクを創業する際に考えたこと
もし何かしらビジネスをやるのなら、伸びている業界にのっかるのが効果的だ。当たり前のことだとは思うが、自分のやりたいことだけを考えてしまうことがよくあるのだ。起業予備軍の人たちと接する機会がたくさんある関係で度々そうなる人を見かける。頭では分かっていてもいざやろうと思うと、自分のやりたいとだけに集中してしまって他人が見えなくなることがあるということ。
ちなみにソフトバンクの孫正義さんは自身の講演でソフトバンク創業前に考えていたことをこう話している。
その選んだ業種が、たまたま構造不況の業種であるという場合には自分がもし10の能力があるとして12の力を発揮したとしても、その効果は結果は5か6ぐらいしか現れないだろう。
もしその業種が、構造的に伸びる業種であったならば、自分の能力が10あったとして12の力を発揮すれば、効果は、結果は20ぐらい現れるんじゃなかろうか。
そうすると、20と5では4倍の開きがある。同じ努力をして同じ能力で結果が4倍も違うならば、それはやはり構造的に伸びる業種を選ばなきゃいけない。これは当然のことだと。
ということで、当たり前と言えばそれまでだが、ビジネスをやるなら伸びている業界に乗るのが効果的。伸びているということは、そこには人がどんどん集まってくるということ。ビジネスは人間相手にやるものなので、人が集まるところに商機がある。
儲けを生み出すゴールドラッシュ理論
このとき、その業界そのものに乗っかるのもいいのだが、それ以外にも方法がある。それが伸びている業界の周辺分野に乗っかるということ。
ゴールドラッシュ理論
ゴールドラッシュ理論という名前があるかどうかは知らないが、よく言われるのが1850年頃にカリフォルニアで起こったゴールドラッシュのときの話。
ゴールドラッシュで儲かったのは金の採掘者ではないのだ。もちろん、中には金を見つけて大成功した人もいただろうが、ほとんどの人がそうはならなかっただろう。
ゴールドラッシュで儲かったのはこんな人たち
真に儲かった人たちは金の採掘者相手にビジネスをした人たち。
成功を収めた人で有名なのは採掘に耐えうる丈夫なズボンを作り、販売したリーバイ・ストラウス。ジーンズのリーバイスの創業者。
スコップやツルハシ、金だらいなどの採掘に必要な道具を売ったサミュエル・ブラナン(サム・ブラナン)。
そして、輸送手段や金融サービスを売ったヘンリー・ウェルズとウィリアム・ファーゴといった人たちだ。この2人はビジョナリーカンパニー2にもグレートカンパニーとして分析されているウェルズ・ファーゴという銀行の創業者だ。
いずれも、金を採掘しに来た人に対して困りごとを解決することで大成功を収めている。要は、金採掘がブームだからと言って、金の採掘をしなくても儲かるということ。金採掘が悪いと言うことではない。
風が吹けば桶屋が儲かるなら、通販が好調なら何が儲かる?
ということで、ある業界が伸びているからといって、必ずしもその業界そのものに乗らなくても、流れに乗ることはできるこということだ。では、冒頭の通販を考えた場合、周辺分野にどんな業種があるのだろうか?
パッと思いつくのは、
・配送業者
・システム業者
・梱包材業者
・代行業者
といったところだろうか。
配送業者
配送に関しては佐川急便がAmazonから撤退したので、そう単純に儲かるというわけではないだろうが、配達の需要が高まるのは間違いないだろう。というか、高まりすぎてさばけなくなっているほどだ。
システム業者
システムはAmazonのような大企業の場合、自前で作っているのだろうが、全て自分たちがゼロから作っているわけではないはずだ。だからシステム開発業の需要は大きいだろう。また、開発の人材も必要になるはずだから人材派遣も良さそうだ。
個人を考えると、ゼロ円でネットショップをつくれるサービス、例えばBASEやSTORES.jpなどもシステムだろう。また、クレジットカード決済を提供しているPaypalやGumroad、SPIKEなどの決済システムや、Peatix、Dropkeeperなどのイベント開催などに強いシステムもある。
梱包材業者
商品を運ぶにあたってはそのまま配送するにはいかないので梱包材が必要。なので、梱包材を手がける業界にとっては需要増になる。
代行業者
そして、面倒な作業を代わりにやってくれるような代行業者にとっても追い風。個人でもネットで転売をする人はたくさんいる。国内だけにとどまらず、海外から輸入して日本で売る人もいれば、逆に日本の商品を輸出している人もいる。
扱う商品の数が多くなると、出品するのも大変だし、商品を保管するのも大変になる。そして、発送の手間も大きくなる。
なので、その手間を代わりにやってくれる代行業者もある。商品を預かってくれて売れたら配送までやってくれる。そうした自分でなくてもできることは外注して、自分にしかできない商品の目利きと仕入れに集中して利益を出すことに集中する。
まとめ
ビジネスをやるなら好調な業界の流れに乗ることが重要。ただ、好調な業界といっても、その業界そのものだけが潤うわけではなく、その周辺分野も潤う。
商機は人の集まるところにあるということ。通販でいうなら通販を利用する人も集まってるが、通販でものを売る人もまた集まってくる。ビジネスは困りごとを解決する、人の望みを叶える、というのが原則なので、通販利用者にも通販提供者にもビジネスが展開できるということ。