TEDの「夢をダメにする5つの方法」から分かること
夢を「ダメ」にする5つのことを語ってくれているのは、ブラジルの起業家ベル・ペシという人物だ。ブラジルにて最も影響力のある100人にも選ばれているまだ若い女性。
MITで学び、MicrosoftやGoogleといった企業で働き、シリコンバレーのベンチャーでソフト開発に従事した後、ブラジルで教育機関を設立している。彼女が出版した電子書籍はブラジルで300万人以上がダウンロードしている。
目次
夢を「ダメ」にする5つのこととは?
そんな彼女が自分の経験をもとに、夢を叶える方法ではなくて、ダメにすることを話してくれている。6分くらいの短い動画で、すぐに見られる。
まとめると5つは次のとおり。
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一夜にして成功を望むこと
(Believe in overnight success) -
誰かが答えを持っていると思うこと
(Decide to settle when growth is guaranteed.) -
成長を止めること
(Decide to settle when growth is guaranteed.) -
失敗を他人のせいにする
(Believe the fault is someone else’s.) -
大切なことは夢そのものだと思うこと
(Believe that the only things that matter are the dreams themselves.)
聞いたことがあるから価値がある
どれも聞いたことがあるようなことかもしれないが、目新しさなどはどうでもいい話。できているかどうかこそが大切だし、共通して言われることはそれだけ重要だとも考えられる。
頭の中に記憶としては存在していても、やれてなければ意味がないわけで、気付かせてくれるのはとてもありがたい。知と行動が一致している、知行合一でないと。
一夜にして成功を望むこと
あの人は能力があるから、とか、才能があるから、といって自分ができないのを正当化してしまうと、そこで思考停止になってしまうように思える。その人の人生は、今までの人生の積み重ねなのだから、過去にやってきたことが活かされれば、それだけ結果につながりやすくなるのは当たり前。点で見ないで線で見たいもの。
誰かが答えを持っていると思うこと
就職活動中に、自分のやりたいことが分からない、どう将来のキャリアを決めたらいいか分からないので、どうしたらいいか教えてほしい、というような趣旨の質問がどこかのサイトにあった。
その気持ちは分からなくはないが、何でも受験や資格試験のように唯一の答えがあるとは限らない。特に自分の人生なんて自分で決めるものなのに、そこに答えを求めてしまうのはおかしな話なのだが、追い詰められているようなときはこうなりがちかなと思える。
ビジネススクールにて教えるという立場を少なからず経験させてもらっている中で思うのは、ビジネスも答えなんてやってみなきゃ分からないのだけれど、何が「最適」か、といった答えを求めてしまう人がいるということ。仮説検証の中で自分で見つけていくしかないのだけれど、それが腹に落ちるまでは、なかなかうまくはいかないだろうと思える。逆に、それが腹に落ちたらあとはやるだけなので、結果につながりやすくなる、と思う。
成長を止めること
3.の成長を止めることというのは、私が勝手に意訳している言い回しだが、欲を出すということではないと思うので注意したいところ。
というのも、
「 “そこそこ”ではダメなんです まだ伸びしろがあるなら 今まで以上に一生懸命 取り組み 更なる高みに向かうべきなんです」
と話しているからだ。
足るを知るという言葉があるように、あれもこれもと貪欲に望んでいると、いつまでたっても満たされることはない。が、ここで言っているのは、富や名声などの欲望を満たすことではなくて、成長の話。成功にあぐらをかくことなく、常に成長・進化せよということ。
自分自身、そんなに求めなくても、そこそこでいいじゃないかと思っていたことがあるが、足るを知りつつ成長していく必要があるなと思うようになった。
成長するというのは自然の摂理のように思えるし、今のような変化の激しい時代では常に成長していかないと、置いていかれるようにも思うので。
失敗を他人のせいにする
失敗を他人のせいにしていても、成長ないし、改善もしないのだけれど、自分で抱え込みすぎたり、自分を卑下してしまうのは考えもの。例えば、人間関係で何か問題があったときに、全ては自己責任というのを、他人に要求することなく、常に自分が折れることと勘違いしてしまうケースがある。
何事も他人のせいにしないのはいいと思うが、自分の責任として捉えることと、自分が我慢することは別物。それに気付かず苦労したなと思える。
大切なことは夢そのものだと思うこと
結果を重視するのはいいのだけれど、達成した瞬間、次が見えなくなるようなものだと、達成後にどうしていいか分からなくなるのもの。よくあるなと思うのが、会社がイヤだから辞めるということを目的にしてしまうケース。達成した後、何していいか分からず困ってしまうのだ。
達成することはないけれども、成長しながらそこに進むことに価値を置くようにしたいものだ。