なぜ、平凡なアイデアで9億円も資金調達できたのか?
アイデアというのはビジネスには必要不可欠。ただ、ビジネスを始める、起業するとなると、すごいアイデアが必要だと考える人がいるが、そんなことはないという事例を紹介したい。
確かにすごいアイデアによってビジネスを始めて大きくしていった例はたくさんある。大々的にニュースになることも多いだろうから多くの人の目に映る。なので、すごいアイデア、画期的なアイデアが必要だという思い込みが形成されるのも当然だろう。
一方、誰もが驚くようなアイデアではなくても、うまくいく例もある。「こんなの前にあったんじゃないの?」とか「え?まだ、なかったのそれ?」みたいなアイデアでもビジネスになっているのだ。
目次
薬の服用を忘れないようにするというアイデア
例えば、薬の服用を忘れないようにするための装置を作っているAdhereTechという会社がある。特許も取得して、2014年の7月に175万ドルの資金調達に成功している。
薬の服用を忘れないようにする、これはすごいアイデアだろうか?画期的だろうか?
個人的には別に普通であるし、今さらこんなのがここまでのビジネスになっちゃうの?とも思った。
もちろん、Webにつながっていて、メッセージをその装置に表示させたり、スマホにも通知することができたりといろんな機能はあって、単にタイマーがついているだけというわけではない。また、私自身がすごさを理解できていなのかもしれない。
しかし、結局は薬の飲み忘れを防ぐという、ごく普通のアイデアである。重要なのは、だからといって価値がないわけではなく、むしろ価値があることだということ。
9億円のお金を生んだ、平凡なアイデア
他にも、長距離バスの予約サービスも注目され、9億円ほどの資金調達に成功している。busbudというサービスでカナダの企業が運営している。2013年に5人で始めたサービスが、2014年には30人にスタッフが増え、サービスがカバーする範囲も89ヶ国にわたっている。
バスの予約システムなんてすごいアイデアだろうか?1990年代ならネットで予約できるなんてすごいとなったかもしれないが、今やスマホで乗り換え案内がタダで分かって切符だって買える。
どうやって作っているかというシステム自体にすごさがあるのかもしれないし、複数国にまたがった話なのでそういう意味ではすごいとは思う。でも、私が理解していないだけなのかもしれないが、結局はバスの予約がWebでできるという、普通のアイデアである。画期的とは言えないような気がする。
これもまた、普通のアイデアだと思うが、価値がないわけではない。むしろ、大きな価値があるからどんどんスケールしている。
重要なのはすごいアイデアではなくて……
これからビジネスをやりたいと思う人の多くは、ビジネスアイデアでつまる傾向にある。何をやったらいいか分からない、思いつかない、というパターンだ。
その背景にあるのは、何だろうか?すごいアイデアで人々を魅了しないといけないという思い込み、儲かるかどうか分からない不安、失敗したらイヤだなと思う気持ち、できるかどうか分からない自信のなさ、などいろいろありそうだ。
でも、薬の飲み忘れを防ぐ、バスの予約ができる、というアイデアでも億単位のお金が集まるのが事実。誰もがiPhoneを作らなくたって構わない。
起業やビジネスにおいて重要なのはすごいアイデアではなくて、いかにお客さんの役に立つか、ということ。そして、アイデアを思いつくのも大事だけれど、行動に移してそのアイデアを実現するということ。
まとめ
結局のところ、ビジネスはお客さんという相手があって始めて成り立つものだし、アイデアだけなら机上の空論。ビジネスを始めるのにすごいアイデアはいらないし、発想豊かである必要もない(あるに越したことはないが、必須ではない)。
単に、困っている人のために何を解決できるのか?
何かを望んでいる人のために何をサポートできるのか?何を与えられるのか?
要は、他の人のことを考えられるのであれば、誰だってビジネスはできるはずである。あとは多少の勇気と行動だ。