他社商品が売れているかどうかを見分ける方法
もし、他人や他社が売っている商品が売れているかどうかが分かったとしたらどうだろうか?
ビジネスに関心のない人にとってはただの興味でしかないと思うが、自分で何かビジネスをやっているのなら話は別。うまくいっているところを参考にするのは当たり前であり、成果の上がっているビジネスから分かることがあれば、それを自分のビジネスに応用すれば利益につながる可能性が高いからだ。
そうはいっても、どうやったら他人の商品が売れているかどうか分かるのか?ということが問題になるだろう。そこで今回は、他人のビジネスが儲かってるかどうか分かるヒントの1つをお伝えしたい。
目次
特急列車の中で見つけた“不思議な物”
先日、実家のある茨城へと向かうために特急列車に乗った。今回の帰郷は法事ということもあって姉も帰るので、一緒の電車で帰ることにした。
電車に乗って席に座ると、座席に通販カタログが置いてあるのを発見した。よくあるヤツだ。おもむろに姉が手にとってページをめくり始めた。しばらくすると、
「これ、誰が買うんだか分からないけど、いつも載ってるんだよね~」
と、電車、飛行機で日本全国をいろいろと移動することが多い姉が言った。通販カタログをけっこうチェックするらしい(笑)
どれどれと見せてもらったら、まさかのこれが出てきた・・・。
こんなのと言ったら失礼だが、必要の人もいるんだろうなと思えた。家を壊したときに木があって邪魔になるというケースくらいしか個人ユースでは利用用途があまり思い浮かばなかったので。
簡単にできるのかな?と思って詳細を読んでみたら、なんと8週間から10週間放置し、途中定期的に水をかけるそうだ。なんだか面倒くさそうだし、時間もけっこうかかる印象を受ける。
なので、これが売れるのか・・・と驚きだった。それでも売れるということは、切り株をどうしても除去したいということだろう。
売れてる商品と売れてない商品の見分け方
先ほどの切り株除去剤の商品が売れている前提で話を進めているが、それにはこんな理由がある。
広告が掲載されているからといって売れているとは限らないが、長く掲載されている広告は売れていると考えていいからだ。というのも、こうした通販カタログに載せるような広告は、大企業がやるようなイメージ広告とは別物で
「ご注文は今すぐこちらから!」
といった感じの商品を直接売るための広告であり、問い合わせ件数や購入数などの反応を計測できる広告であるからだ。いわゆるダイレクトレスポンス広告というやつだ。
なので、どの広告から何の商品が売れたかを計測できるため、その数字を見て売れていれば広告を出し続けるし、売れなければ広告を出さないのが当たり前の世界。
通販をやっていたら広告の費用対効果をきっちり見るのは当たり前なので、長く掲載されている広告は成果の出ている広告といっていいというわけだ。 場合によっては契約期間があって、その間は出し続けることもあるが、切り株除去剤はだいぶ長く出ているようなので、売れているんじゃないかと推測できる。
これは、もちろんネットでも同じ。今は見かけなくなったが、「私の年収低すぎ」のコピーで女性が口を覆っている@typeの転職関連の広告は、だいぶ長い間ネットで見かけたし、それをもとにした(パクった)広告もたくさん見かけた。
意外な物が売れている
ところで、カタログを見ているとこんなの誰が買うんだ・・・というものがたくさんある。反対に、これは欲しいなと思えるものもあって何かと面白い。
例えば、あくまで私の主観的な感覚ではあるが、
- 学校で見かけたり本を自炊する人が使ったりするような裁断機みたいな大きな包丁(餅が切れるらしい)、価格は15,233円。
- 光に反応して鳴く犬の置物(体長58cm、重さ4.5kgと)、価格は12,744円。
- 耐荷重80kgの座れる巨大なウシ、ウマ、パンダなどのモフモフした置物(なんとウシの毛の模様は世界地図だ)、価格は10,584円。
などは、自分の感覚としてはこんなの売れるのか?と思ってしまう。しかも、そういうのに限ってけっこうな値段となっている商品が多い印象だ。もちろん、人それぞれ趣味嗜好、価値観は違うので、私がそう感じるだけの話だけれど。
あなたも年末年始に帰省したり、旅行したりなどで特急列車、新幹線、飛行機などに乗るならカタログを手に取ってみてはどうだろうか。定期的にチェックしてみると面白いだろう。
自分が何かビジネスをやって本当に商品やサービスが売れるか心配……。なんて思っている人にもちょうどいいように思える。何でも売れるんだな、ということが分かると思うので。
売れるかどうかにあなたの意思は関係ない
要は、売れる物はあなたが欲しくなくても売れるし、高くたって売れるということが分かる。
自分が商品に惚れ込んで人に押しつけても売れないが、自分がなんだこれ?と思うようなものを買っていく人もいる。買うのはあくまで他人。だから、売れるかどうかはあなたの思いとは関係ないということだ。
もちろん、売り手の情熱に感化されて買ってしまう、ということもある。だから自分が商品に惚れ込むことで売れるようになるということはあり得るが、基本は相手あってのこと。
ただ、それでは自分のやりたいことができないと思う人もいるが、お金をいただくなら相手に価値を感じてもらう必要がある。押し売りなんてだれだってされたくないし、したくもないだろう。
価値が与えられなければビジネスではなく趣味
価値が与えられないのならビジネスではなく趣味でやったらいい。
ただ、今回の話のように人が何に価値を感じるかは千差万別だし、あなたのやりたいことがそのまま相手の価値になることだってあるということは頭に入れておきたい。
商業目的で曲をつくるアーティストもいるとは思うが、自分の好きな作品をつくって支持される人もいるし,好きなことをブログを書いていたら人が集まるようになって収益化されることもある。
最終的にはやってみないと分からない。だからやる前から売れるか分からない不安に駆られて動けないくらいなら、サッサとやってしまったほうがいい。
ところで、通販のカタログを見ていたら、どこかで見たことがあるなと思う商品がいくつかあった。どこで見たんだろうと思い返してみると、思い当たる節が見つかった。実家に帰ったときに見かけるものばかりだ。こんなの誰が買うんだろう?の答えは身近な存在だったようだ……。