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VRの今と新しいビジネスを生み出すための量子的思考(CREATIVE HACK AWARD 2016オープンセミナー)

VRの今と新しいビジネスを生み出すための量子的思考(CREATIVE HACK AWARD 2016オープンセミナー)

前回に引き続き、「日常」をハックせよ、ということをテーマにしたWIREDが主宰するCREATIVE HACK AWARD 2016。そのオープンセミナー(トークセッション)に行ってきた。前回はMAKERというキーワードに惹かれて、今回はVRと量子的思考というキーワードに惹かれて参加してきた。会場は六本木と赤坂の間にあるアークヒルズはカラヤン広場のスペース。

登壇者は、レゾネア代表、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究家(KMD)特任教授をされている水口哲也さんとWIREDの小谷知也さん。水口さんはクリエイター、ゲームデザイナーとして著名な方。代表作は『セガラリー』、『スペースチャンネル5』、『Rez』、『ルミネス』だそうだ。ゲームをやらないのでセガラリーくらいしか知らないし、正直、どんな方なのかもよく分かっていなかったが、話はとても面白くて引き込まれた。

前回はMAKERの話で個人が製造業の分野でも起業できるようになってきつつあるという内容でなかなか面白かった。今回はVRの話なのだが、注目したいのはVRそのものはもちろん、登壇したクリエイターの水口さんの思考プロセス。起業を志す人にも確実に役立つものなので、それを中心にまとめてみたい。

前回のMAKERの話はこちら。
ものづくりでも個人起業の環境が整ってきている、TechShop、CREATIVE HACK AWARD 2016| IDEASITY

量子的思考とは?

量子的思考というのは簡単に言えば、物事をより細かく分解していってそこから何かを構築していくこととでも言えばいいだろうか。ある1の要素を分解して1つが3つになり、3つがそれぞれ4つになり……と細かく分ければ分けるほど、いろんな要素が生まれてきて、組み合わせる数がどんどん増える。

アイデアというのは既存の要素の組み合わせとすると、より細かく分解できればできるほど、今までなかったようなアイデアが生まれる確率が高まるはずだ。中には突拍子のないような発想が生まれることもあるだろう。

単に細分化していって組み合わせるということだけを指すなら、何も新しいことはないので、おそらくは他にも何か他の要素があるとは思う。が、今回のイベントではそこまでの解説はなく、少し調べたくらいではよく分からなかったのと、細かく分解していくということも大切な要素なので、ここではその意味で捉えることにする。

量子的思考をビジネスに活かすには?

では、量子的思考をどうビジネスに活かしたらいいのか?どう起業のアイデア出しなどにつなげればいいのか?

ビジネスに関心があるなら、やはり関心が向くところはそこだろう。そこで1つの例を。

ガムの売上げ低迷の意外な原因

20年ほど前、ガムが売れ行きが悪くなったそうだ。こちらのガベージニュースというサイトの記事、業界規模は3兆3254億円・お菓子の売れゆき具合をグラフ化してみる(2016年)(最新)によると、今でも売れ行きは低迷中で年々売上は下がっているようだ(データの出典元は、全国菓子卸商業組合連合会と全日本菓子協会が共同で設立したe-お菓子ねっとという団体)。

ガムが売れなくなったのは、単にガムの需要だけが減ったからというわけではなく、何か競合となるものに取って代わられたからとのことなのだが、一体何が競合となったのか?

20年前、つまりは96年頃に出てきたものということと関係なさそうな意外なものという話だったので、なんとなく直感的に携帯かと思ったが関係性がよく分からんと思っていたが、答えは本当にそうだった。

答えといっても、携帯をなくしてみて売上が戻るかどうかなんて実験しようがないので、あくまで推測ではあるとはいえ、なかなか興味深い。

そこで出てくるのが量子的思考だ。つまりは、ガムを買うということをもっと細かく見ていくと分かるということ。

浮かび上がるガムの意外な競合

ガムを買う理由は何か?人それぞれあるのは当然だが、単に美味しいからはもちろん、車を運転していたら眠気覚ましなんて人もいるだろうし、人と会うときにエチケットとして噛むとか、暇なときに噛むとかいろいろと考えられる。

そうした数々の理由の中で、ガム業界が注目したのは人と会うときにガムを噛むということ。携帯の登場によってわざわざ会わなくても電話で済んでしまえばそれでいいわけだし、もっと手軽にメール、今ならLINEで済んでしまうこともある。となると、ガムを買う必要はなくなるというわけだ。

これについてはネットで少し調べてみると、暇つぶしの時間がガムから携帯(今ならスマホ)に移ったからなんてのもあるので、いろいろと理由は考えられるものとは思う。

ただ、ここで大切なのは正確な理由よりもその思考プロセスである量子的思考。なので、理由はとりあえずは置いておいて、こうして細かく分解していくことによって人のウォンツもより細分化されて分かってくるということだ。

量子的思考によって表面には見えないウォンツやニーズが見えるようになる

量子的思考によって表面には見えないウォンツやニーズが見えるようになる

冒頭にも書いたとおり、量子的思考という概念を細かく分解していって明らかになった要素をもとに考えると捉えると、ニーズやウォンツがどんどん細分化されてどんな要素で構成されているのかが明らかになっていく。

水口さんの話では、欲求を因数分解するという言葉が出ていたが、そのために「なぜ?」という問いかけをたくさんしていくことで、どんどん要素が明らかになっていくという話だった。

例えば、車が欲しいという欲求なら、便利な移動手段として欲しいから、ステータスとして持っていたいから、車が好きだから、などいろんな理由がある。それぞれの理由についてもまた、「なぜ?」と問いかけることによってどんどん要素が増えていく。

そうして放射状にどんどん膨らませていって分かった要素を組み合わせると、今までにはなかったようなことが生まれる。

ハワイでのIoT体験から分かる量子的思考

量子的思考の例として、水口さんが以前にハワイ島に行ったときに、ハワイにあるコア(Koa)の木という木を植樹するツアーに参加した際の話があった。

そのツアーでは20ドルで苗木を買い、買った人がその苗木を運んで植えに行く。そのときに3Dプリンタでタグを作ってもらえるんだそうだ。そのタグがあることで、日本に帰った後も、自分の植えた苗木が度の場所にあってというのが正確に分かり、今の生長の状況も把握できるとのこと(IoTがすでに活用されてる例と言える)。

なぜ、このツアーに参加するのかということを量子的思考で考えると、そこにはいくつかの欲求があることが分かる。その前提として頭に入れておくといいのが、コアの木は生長が早くてすぐに大きくなるということ(要は植樹した後の結果が比較的早く分かる)。

それを踏まえて、ツアーに参加する動機、満たしたい欲求を考えてみると、コアの木の植樹をやってみたいという欲求は

  • 自分のやったことを後世に残したい
  • 自分のやったことが今どうなっているか確認したい
  • 人にシェアしたい
  • 後で思い出に浸りたい

といった欲求があることが考えられる。

つまり、ツアーに参加したいという1つの欲求は複数の欲求から構成されているということである。また、考えて分かったことというのは無意識下にあって、こうして改めて考えてみないと表面化されないとも言える。セールスの話で、お客さんはドリルが欲しいのではなく、穴の空いた板が欲しいみたいな話と似ているなとは思える(この場合は真の欲求を探ることであって複数を見つけることではないので厳密には違うけれども、1つの表面的な行動の下に隠れている欲求を見つけるという意味では同じ)。

ここで重要なポイントがもう1つあるとすると、1つ1つの欲求が小さく、それ単体では行動に移さないようなことでも、欲求が積み重なることで行動につながることもあるということ。

苗木の植樹ツアーを例にすると、もしかしたら植樹という環境への貢献はやってみたいという気持ちはあっても、後で自分がやったことを確認できないなら参加しなかった人もいるかもしれない。あるいは、植樹という行為を後世に伝えられるという欲求は満たされても、自分が汗を流して植えたものではなく、お金だけ払ったものなら参加しなかったという人もいるかもしれない。

量子的思考によって欲求を細かく明らかにしていくことによっていろんな欲求に対応できるようになり、満足度の上がるビジネスが作れると考えることもできるす。新たなビジネスが生まれたり、「これいいかも」と思える新たな顧客が増える可能性がある。

ところで、見方を変えるとこのコアの木植樹ツアーは、苗木を買ってもらうことでお金を出してもらいながら、出資者に動いてもらって苗木を植えてもらい、尚且つ、シェアをして宣伝までしてもらえる仕組みとも言えるということだ。つまり、ツアー提供者にとってもハワイの環境(社会)にとっても参加する人にとってもプラスになるという三方良しの形になっている面があるというのは興味深い。

ここまで計算して企画しているツアーなのかどうかは知らないが、量子的思考によって欲求を分解してその結果をもとにビジネスを設計することで新たなビジネスが生まれる、既存のビジネスが再生され得るということは言えそうだ。

どうやって量子的思考を身につけるのか?

では、量子的思考を身につけるにはどうしたらいいのか?答えは簡単だと水口さんは話していた。常日頃から「なぜ?」ということを続けることだそうだ。

そのときのポイントは欲求の因数分解をするということだそうだ。1つの欲求に含まれる別な欲求の要素をどんどん出していく。水口さん自身、普段からそうしているという話だった。

VRの可能性と新しいビジネス

今度はVRに関して。水口さんの思考プロセスが量子的思考とも言えるようなやり方であり、そこから画期的なゲームがたくさん生まれてきた。

VRは2次元の映像と言葉で説明されても、あまり伝わるようなものではないのだけれど、水口さんが楽しそうに話をされているのを見て、また、体全体で音楽を感じるという話を聞いて、いろいろと想像できた。

水口さんの話の中では、記憶、記録を残すということもできるので、今から100年前のデータはそれほど残っていないとしても、これから50年後の人たちなら、今のデータをもとにいろんな応用ができそうだし、思い出を残すこともできる。

ちなみに水口さんの開発したVRのゲームはRez infiniteというもので、10月には発売されるそうだ。映像はこちらだが、おそらく映像を見ただけでは、よく分からないと思う。

これは、様々な触覚を再現できるセンサーを26個つけたVR体験用のスーツを着てゴーグルを装着して実演している様子。

他人が外から見ると映像しか見えず「何コレ?」となる人も多いとは思うが、本人の視点で見ると画面の中に入って360度全てが3D映像になっている。また触覚センサーのおかげで、音とともに足や肩など26個のセンサーから触覚の刺激があるそうだ。360度の3D映像と音、そして音に合わせたビジュアルと触覚の刺激が一遍にやってくるわけで、終わった後はその刺激に圧倒されて呆然としてしまったそうだ。

体験しないとすごさは伝わりにくいけれども、体験したらもう後戻りはできなそうな感がある。

では、こうしたVR、あるいはAR(拡張現実。セカイカメラとかポケモンGoみたいに現実の世界との組み合わせで現実を拡張する)というのは、ゲーム意外にどんなビジネスに応用できるのか?

以下は、話題になったことや勝手に自分で考えたものなので、今回のイベントとは関係ないが、載せておこうと思う。

AR墓参り

※動画はこちらからSpot message

AR墓参りなんてのが、少し前に話題になった。

特定の場所に行くと、故人の遺した映像が再生されるというもの。思い出の場所とメッセージを連動させるというのは、良いアイデアだなと思える。このアプリは墓参りに限らず、思い出の場所でメッセージを送るという用途でも使える。

謎解きゲームとか少しリアルなRPGなどとしても使えそうな気はする。

新しいアダルト関連のビジネス

アダルトの側面では間違いなく革命が起きそうだ(笑)DMMがすごいことになりそうな予感がしてならない。

すでにだいぶ話題にはなっているようで、秋葉原でイベントを開いたら来場者が多すぎて大変なことになったそうだ。

映画

映画はもはや映画ではなくなりそうな気もする。先日MX4Dという座席が揺れるシートの後ろから突かれる、霧が出る、匂いが出る、風が吹くといったように触覚や嗅覚も取り込んだ形で映画(シン・ゴジラ)を見てきた。インターステラーをIMAXで見たときに、感動的でこれはすごいと思ったが、他の感覚も刺激されるとまた違った楽しみ方もできて良い体験ができた。

しかし、VRの世界で見たのなら次元が違ってくると思える。一番の違いは、水口さんも話されていたが、フレームがなくなったこと。境界がなく360度全てが映画の世界だったとしたらどんな感覚になるのか?

プライベートシアターもだいぶ変わるだろうし、昔の映画もリニューアルされれば楽しみ方がまた増える。

個人でもVRは使ったビジネスはできるようになるか?

ただ、VRの映画のようなものをおいそれと個人がつくれるとは思えないので、個人がビジネスをする上でVRはどう使えるのか?と考えると、応用が難しそうだなとは今のところ思える。

それは人工知能でも同じことが言えるのだが、人工知能に関してはIBMの人工知能であるワトソンが開発者向けにAPI(外部からでも機能が使えるようにするための仕組み)を公開している。IBMのワトソンを外部の人が使えるということだ。もちろん、IBMと同じように完全に使えるわけではないにしても、機能の一部は開発者に提供している。これからどんどん環境は良くなりそうな気はする。

VRに関してはまだ個人ではそうは応用できないとは思うが、それはインターネットそのものだってそうだったし、昔はほぼマスコミしか不特定多数に情報を伝える手段はなかったが、SNSの発達で個人が情報発信ができるようになったのもそう。

どんどん個人でもできるようになっているのが今の時代なので、今後は、個人でもVRの技術を使って何かを生み出すことができるようになるのでは?と思える。YouTubeのVR版みたいなのができたら面白い。

まとめ

ということで量子的思考とVRに関して。

VRはゲームのイメージが強く、ゲームに関心がない自分としてはそこまで関心はなかったのだが、今回の話を聞いてとても面白そうだなと思えた。そして、その可能性の大きさも興味深い。

VRはやがては個人でも活用できるようになるのでは?と思っているので、量子的思考を身につけて今までにないような発想をもとに新たなビジネスを生み出せるようになったら面白いものだ。

いつだって人の欲求を満たすことがビジネス成功の鍵になるのだから。

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