セミナーやイベントの出席率を上げる方法

セミナーやイベントの出席率を上げる方法

私はセミナーやイベントなどにちょくちょく行く。ある日、行こうと思っていたイベントの日が明日に迫ってきたので、正確な時間と場所を確認しようと思った。メールを検索したり、主催者のサイトを見に行ったりしたのだが、どうもおかしい……。そのイベントの詳細がなかなか見つからなかったのだ。

「おかしいな……?」と思いながらくまなく探すもやっぱりない。

主催者のサイトにはもはや何もないと思えたので、検索条件を変えてメールを検索してみた。イベントのタイトルはまったく覚えていなかったせいもあってなかなか見つからなかったのだが、ようやく申し込んだときのメールを見つけると……。驚愕の事実が判明……。

あなたがこれからセミナーやイベント、ワークショップなどを開催するなら確実に知っておいたほうがいい話だ。

イベントの日にすっぽかす輩の言い分

なんと、イベントの開催日がすでに過ぎていたのだ……。3月21日に開催されるイベントだったのだが、間違えて3月31日としてカレンダーに入れてしまっていた。完全に思い違いをしていた。それを3月30日に知ってしまったというわけだ。カレンダーにはきっちり3月31日はイベントだということで忘れていなかったのだが、肝心の日程が違うというミスをしていた……。

ということでせっかく行こうと思っていたイベントに行きそびれてしまった。無料ということもあってお金を無駄にしたわけではないが、せっかく開催してくれた相手に申し訳ないことをしてしまった。

余談だが、無料なのはそれなりの理由があるもの。要は普通は何かしら宣伝が入るの(その日の回はおそらく本の宣伝だったと思う)。ただ、それはTVのCMと同じようなもので個人的にはなんら気にならない。そもそもコストがかかるものが無料という時点でおかしいので当たり前の話だろう。

宣伝といってもさまざまで強烈にやるところもあれば、サラッとやって終わりのイベントもある。これってセミナーじゃなくて単なる実績紹介と商品説明だよね? というのもあれば、きっちりと教えてくれるところもある。前者の場合、無料なのに文句を言ってもしょうがないのだけれど。

また、無料で宣伝のない場合もある。認知度を上げるためだとか、やった実績をPRに使いたいとかそういった類いのものはそうだし、単にやりたいからなんてこともゼロではない。

セミナーやイベント主催者側の舞台裏はどうなっているか?

一方、主催者側はどうしているか分かるだろうか? 私はこれまで1000人規模の講演会を数回、300人規模を10回以上、数人から数十人規模のセミナーは数え切れないくらい、といった具合に少なくとも延べ1万人以上の集客には関わってきた。

誰もが知っているような会社を創業した経営者を呼んで働き方に関するフォーラムをやったこともあるし、その他ビジネスセミナー、著名人の講演会、ビジネススクール、英会話スクールの説明会……など。自らリーダーになってやっていたのもあるし、裏方で関わっていたのもあるしでいろいろとやってきた。

主催した理由は商品販売につなげるためだ。セミナーやイベント単体で儲けようなんてのは厳しいものがある。

それで分かったことをいくつか。

無料のセミナーやイベントは半数近くが来なくても普通

最初に断わっておくと、何をやるか? 誰が来るか? どういう文脈で集めたか? どうやって集めたか? によるので一概には言えないのはある。

その前提にはなるが、私の経験から言えるのはこれまでのデータを見る限り、無料だと出席率は60%くらいなら普通。5000円から1万円くらいの有料だと80%くらいは来る。先日、関わった某英会話スクールの無料説明会は、56%弱の出席率だった。

いずれもネットで集客してネットで申し込んでもらっているので、紙のチラシを配ってということはやっていない。また、事前に3回リマインドした結果だ。リマインドも何もしないと、出席率はもっと下がる可能性は十分にある。

セミナーやイベントの出席率を上げる方法

冒頭で書いた私の話はリマインドがあれば防げていたもの。その日は予定があったわけではなかったので、前日にでも「明日はイベントですよ」と言ってくれれば間違いに気付いて参加しただろう。

参加者の自己責任と言われればそれまでだが、先ほどの書いたように無料のセミナーやイベントは何かを宣伝して売るのが普通。

特に我々のような小規模事業者は売るためにセミナーを開催することがほとんど(当然、英会話スクールの講義とかそういうのは除く)。来てもらわなければやる意味がないので、相手任せにしていては話にならない。

相手をコントロールすることはできないけれども、自分たちの回に来てもらうための努力をしないと、成果につながにくくなるのは当然のこと。

では、どんな方法でリマインドするのか?

メール

集め方にもよるのだけれど、メールアドレスと名前が分かっていれば最も簡単なのはメールだ。後述する他の手段と比較してたくさんの内容を伝えられるのもいい。

bccで送る人もたまにいるのだけれど、たいていはメルマガ配信の仕組みを使うものと思う。3回は送らないと見てくれていと思ったほうがいいので、いつ申し込んだかにもよるが、前日、前々日、5日前など複数回にわけて送ったほうがいい。

ただ、メールは読まれにくいというデメリットはある。それでも送って損はないので、最低限やるべきリマインドかと思う。

電話

これは個人や小規模事業者だとリソース不足で難しいと思うので、代行を使うのがいいとは思う。ただ、出ない人はとても多いし、留守電にすらならないこともある。

電話の内容にもよるとは思うけれども、導入してもあまり変わらなかったこともあるので個人的には意味を感じない。が、人によっては80%くらい来たなんて話もあるので一概には言えないようだ。

ただ、注意点としては電話番号を取得するということは、それだけ申し込みの際に入力項目が増えることになる。手間も増えるし、より多くの個人情報を提供することになるので、申し込みのハードルは上がる。こちらのEFO(申し込みフォーム最適化)の話でも書いたとおり項目は少ないほうがいい。

一方、そもそも電話番号すら入力してもらえないような人がセミナーで説明を受けて商品やサービスを買うのか? という話もある。意識の薄い参加者を集めても意味はない(売れないというのもそうだが、価値提供がしにくいということも)ので、電話番号くらいは入力してもらうという人もいる。

SMS

電話番号を取ってあるとSMSが送れるのはメリットだ。電話は出られないケースは多いし、迷惑電話のせいで知らない番号からかかってきても取らないという人もいる。

SMSだとスマホの画面に表示されて残ることが多いかと思うので、目につきやすいし開封もされやすいとは思う。

手動で一人一人に送るなんてのはやりたくないと思うので、SMSを送る仕組みを使うのが普通。SMS送信なんかで検索したら業者がいろいろと出てくる。

ただ、メール電話と同様に迷惑SMSもあるので知らない番号から来ても開封してくれない可能性はあるし、迷惑SMSと勘違いされることもある。

スマホアプリ

PeatixとかEventRegistといったスマホアプリを使って申し込んでもらった場合にはスマホアプリが通知してくれるので、非常に有効かと思える。セミナーの申込ページのカスタマイズがしにくいのもあって主催側としては使ったことはないが、客側として利用するととても便利。

会場でアプリを開いてQRコードを出して読み取ってもらえば、いちいち名前を言ってチェックなんてことをしなくても受付ができて楽。

なお、LINEなどもアプリといえばアプリだが、セミナーやイベントのリマインド用にわざわざ友達登録するような人はいないので、あまり現実的ではないものと思う。もちろん、やり方次第なのだけれど。

魅力ある企画にする

そもそもの話になってしまうが、いくら前述のようなことをやっても所詮はテクニックのようなものにすぎない。根本的には魅力ある企画をすることにつきる。楽しみなものは優先度が上がって忘れにくくなるし、当日になっていいや……ということにもならない。

セミナーやイベントで自分の商品がどのくらい売れるのか?

これも、そもそも何を売るのか? どんなプロセスで集めたか? どんなセミナーをしたか? といった要素が大きく関わってくるので、ものすごくバラツキがある。

数十万円のサービスでも参加者の80%が申し込むこともある。さすがに80%にもなると、20人くらいまでの少人数にはなるけれども、やり方によってはそこまで成約を高められるのがセミナーやイベント。

個人向けだと数十万円というのはあまりないかもしれないが、法人向けなら数十万円のサービスを売るなんてのは別に珍しくない。なので、高額な商品やサービスを販売するのなら、セミナーはやって損はないだろうと思う。とういよりやらないと売れにくい場合も多いと思うし、いろんなところがやっている。

まとめ

ということで、セミナーやイベントに関して主催側として見た場合の話。せっかくなにかしらやるならリマインドは必須。主催側は忘れるわけがないのだが、申込者はイベントやセミナー自体を忘れることはめずらしくない。何に期待して申し込んだのか、その理由を忘れてしまって魅力が失せた結果、欠席なんてこともあるもの。

ちなみに、どんなセミナー(イベント)かによるけれども、欠席の連絡をくれる人なんてのはごく少数。忘れている人が多いのだろうから仕方ないとは思うが、無断欠席なんて当たり前。といっても、連絡されると返信しないと……となってしまうので、むしろ来ないなら無断欠席してくれたほうがいいなんてこともある。どう捉えるかは人それぞれだろう。

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