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個人が起業するなら安売り路線はやめたほうがいい理由

個人が起業するなら安売り路線はやめたほうがいい理由

個人が小さく起業するなら常に低価格路線で薄利多売路線を進めるのはやめたほうがいい。これは利益の観点からよく言われる話で、実際に利益が出ずに苦しんでいる人も見てきた。

それに加えて、行動経済学の観点からもも調査結果によって常時安売り路線は破綻しやすいということが分かった(大手の話だが)。

なので、やっぱり低価格路線はやめたほうがいいということになるのだが、常時安売りで生き残っているところもあるのも事実。つまりは、やり方によってはうまくいくということでもあり、うまくいく可能性もあるということになる。

その答えも行動経済学の観点から言えることがあり、お客さんが買いたくなるような仕組みにもつながってくる。

ということで、今回は行動経済学の観点を踏まえてのスモールビジネスで価格設定をどうしたらいいのか? お客さんに「お買い得感」を与えられるやり方と「ボッタクリ感」を与えてしまうやり方の違い、などをお伝えしていこうと思う。

個人ビジネスが常時安売りではうまくいかない理由

その理由は2つ。1つはよく言われる利益の話。もう1つは行動経済学と実際の調査結果。

低価格では利益がとれない

低価格だと利益額もその分減るのは当然だ。うまい棒を1万本売ったって利益なんてたかがしれているわけで、利益を得ようと思ったらもっともっとたくさん売る必要がある。そのためには広告費を捻出するなど、たいていはお金がかかるわけで、個人の小さなビジネスなら無理がある。

ただし、例外がある。一部の商品は安いけれども、プラスして何かしら買ってもらえて客単価が上がるとか、継続的な収益が発生するということなら話は別だからだ。商品ラインナップのトータルで見ての利益が考慮できれば、利益は出るわけだから問題はない。

基本路線を低価格にするのはやめたほうがいいということ。

値上げできない場合

他が安いから安くしないと売れないという場合は、付加価値をつけるなどして高く売るなど何らかの対策が必要。

なお、店舗経営に関しては今までいろんな業態の人の事例を見てきたけれども、値上げして業績悪化したところはほとんど聞かない。たいていは利益増につながっている。

お客さんの数は減ったとか売上が少し減ったという話は聞くが、売上が下がっても値上げで利益が増えている。であればマイナスではないわけで、むしろ労働時間が減って利益が増えたということでもあるのだから良いこだろう。

といっても、他と同じ商品を仕入れて売っている場合は、値上げが難しく感じることもあるかと思う。だが、利益をとれる方向に変化できないのなら商品やサービスを変えるしかない。

残念ながら利益を出す工夫ができないほど固執するようなものはそもそも事業としてやるのが間違いだということになる。事業は相手あってのことであり利益は絶対なので、どうしてもそれをやりたければ他で利益を出して道楽でやるしかないだろう。

調査結果からも常時低価格路線は分が悪い

低価格はやめたほうがいいという理由のもう1つは行動経済学の話から言えること。

ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーの著書「行動経済学の逆襲」には次の記載がある。

アメリカのスーパーマーケットは商圏にウォルマートが進出してくるとどこも打撃を受けるが、頻繁にセールスをする特売価格戦略を使うスーパーは、ウォルマートのように「いつでも低価格」戦略をとるスーパーに比べて、売上高も長期生存率もかなり高かったことが、最近の調査で明らかになっている。

 
引用:リチャード・セイラー著・遠藤真美訳(2016)、行動経済学の逆襲、早川書房、P101

また、一度安売り路線で走るとそれを覆すのは大変というのもある。本には、アメリカの百貨店、メイシーズとJCペニーでうまくいかなかった例が書かれている。安売り用のクーポンを減らしたり価格の表記を変えたりして安売り路線から抜け出そうとしたものの業績は悪化し、もとに戻さざるを得なかったようだ。

もっとも、個人が小さく起業する分には認知度なんてほぼないわけで方針転換してもあまり影響はないとは思うので、そこまで気にすることはないと思う。だが、初めから苦しくなる可能性の高い道を選ぶ必要はない。

常時安売りでもうまくいく理由

行動経済学の逆襲から引用した文にある「最近の調査」というのが具体的になんなのか分からないので調査の詳細は分かっていないが、頻繁にセールスする特売価格戦略とあるように、安く売るのがダメだということではない。

常時安売りの店も長く続いているところはある。例えば、行動経済学の逆襲に例として書かれているウォルマートなんかがそうだし、日本でも大阪のスーパー玉出だとか東京あたりだとオーケーストアなどは安売り路線だ。

ここでのポイントとしては常時安売りではなく、今は安くなっているということが伝わるかどうかだ。例えば、通常は定価1000円なんだけれど、今だけ700円とか。

合理的な観点から見ると常に700円のほうがいつ買っても安いわけでそのほうがいいはずなのだが、実際にはそうはならないもの。今だけというお得感があると買い物に満足してもらえやすくなる。

もちろん、定価より今だけ安いというのは1つのやり方。要は人の感情を考慮するということであり、その中の1つとして有効なのが定価と割引という話だ。

「取引効用」があると購入者の満足度は上がる

先ほどの常時安売りではなく今だけ安売りといった価格に関する効果を行動経済学では取引効用というそうだ。

取引効用とは、何かを買うときに通常の金額と支払った金額の差によって生み出される損得感。プラスに作用すると「良い買い物をした」になるが、マイナスに作用すると「ボッタクリにあった」になる。

例えば、お店の開店セールや閉店セールでいつもより安く変えたとか、ボウリング場などの自販機や新幹線の飲み物の価格設定にボッタクリ感があるとか。

お買い得感とポッタクリ感の違いを握る要素

価格に関する感じ方のポイントは参照価格というその商品やサービスを買う値段との差になる。ただ、注意点が1つあって、それが文脈が考慮されるという点だ。

先ほどのボウリング場の自販機の例でいくと、通常、自販機で買うと現在は130円が定価になっているかと思うので、それより高いと「同じ物がなんで高くなるわけ?」という納得いかない感が芽生える。

でも、同じものでも飲食店や居酒屋でソフトドリンクを頼んだら一杯130円ではまず無理だ。ただ、飲食店ならそういうものと認識している人がほとんどだろうから、ソフトドリンクが300円、400円しても頼むだろう。ホテルなら場所代もあるとはいえ、1000円近くかかることもめずらしくなくどう考えても高いが、そういうものとして考えることはできるだろう。

そうした「これをこうやって買うならこのくらいの値段だよね」というのが参照価格なので、単純なものの値段というわけではない。

「取引効用」の活用

取引効用をどう応用すると売上増につながるか? ということについても触れておく。

よくあるパターンが定価10,000円のところ、期間限定で2,000円みたないやつだ。おそらくよく見かけるかなと思う(ただし、割引前の価格で売ることはない場合は法律違反だったはず)。

あとは、こちらの記事にもあるとおり、”おとり”を使う方法もある。

100円→98円は意味がある?実験から分かる価格に潜む心理学

“おとり”に関しては、こちらで書いた雑誌、エコノミストの例もある。
売上1.4倍!商品や特典の選択肢を最適化するマーケティング方法

行動経済学のビジネスへの適用はモラル違反か

人間の心理をビジネスに適用するのは人をコントロールしているようで気持ち悪いと捉える人もいるかもしれないが、これは、お得感を味わってもらって納得してもらう手段と捉えることもできる。ポイントはお客さんがどう捉えるかだろう。当事者が気にしなければ、問題はないはずだ(常識の範囲内ではあると思うが)。

といっても、人それぞれ価値観や感じ方は違うので、100%クレームなしとか悪印象ゼロなんてのは現実的には不可能。なので、1件でもクレームがあったらダメなんてのはやり過ぎだろう。理不尽なのもあるかもしれない。

それに、マイナスの意見はプラスの意見よりも感情を刺激して大きなものと捉えやすくなるのが普通なので、少数のマイナスに隠れた多数のプラスを無視することがないようにはしたいもの。

まとめ

ということで、行動経済学の知見をもとにスモールビジネスに関してお伝えした。

ただ、行動経済学とは関係なく、小さくビジネスやるなら低価格の薄利多売モデルは利益の側面からやめたほうがいいのは分かっていることなので、あまり意味はないかもしれないが……。

ビジネスは現実世界の話であり実現がポイントなので、学問や研究の成果をどう応用するか? を考えるのは良いことだと思うので、そうした観点を持ちましょうということで。

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