起業で考えるべき2つのリスク、ファクトリエ山田さんの話から

起業で意識すべき2つのリスク、ファクトリエ山田さんの話から

ファクトリエという会社がある。アパレルの会社で日本のものづくりを変えようと山田敏夫さんが立ち上げた会社だ。

クラウドファンディングでお金を集めるところからスタート。資金は集まったもののそこからは続かず、公園で見しらぬ人に声をかけて服を行商で売っていたような時期もあり、相当な苦労をして今に至っている。

そこからどんどん成長して売上も規模も大きくなり、今や国外からも引き合いがある。ガイアの夜明けなどもに出演している注目の起業家。

こちらの記事にも書いたとおり、以前、創業者である山田さんの話を「経営者と語る朝渋」にて聞いてえらく感動したことがある。

ファクトリエを急成長させた創業者山田さんの思いと戦略

今回は先日聞いたファクトリエの創業者山田敏夫さんの話から。山田さんは2016年にカンブリア宮殿でも紹介されるなど注目されている起業家の一人。 自分の人生をこれだというものに全力投球しているような人なので、好きなことをビジネスにしたいという人に通ずるものがあるかと思う。ただ、本人は起業したいと思ってそうしたわけではないの

また朝渋主催で山田さんの話を聞く機会があり、ためになるなと思ったので、今度は前とは違った視点でまとてみる(起業に関するイベントではなかったが、このサイトが起業やビジネスについて扱っているので、タイトルには起業と入れている)。

ちなみに、なにかノウハウがあってそれでうまくいったみたいな話はない。メンタル的なところが多いく、特に行動に関する内容が多い。

それこそが山田さんの成果につながることだと思うし、大切な要素であることは間違いない。どんなノウハウがあっても行動しなければ意味がないわけだから。

ということで、行動が起因となるような話を中心にまとめる。

起業したいなんて思っているのに行動できない人は山ほどいるので、何かしら行動のきっかけになればと思う。

と同時に、自分自身もまだまだ行動が足りないので自戒も込めて。

何か行動しようと思ったときの2つのリスク

何かをやろうと思ったら何かしらのリスクがあるもの。

起業は典型例の1つだと思うが、起業に限らず転職だってそうだろうし、新規事業や方針転換などもそうだろう。

そのときにリスクとしてよく考えられるのは、やったときのリスクではないだろうか。

つまり、何かをやって失敗したときのことを考えるわけだ。

が、やらないことで引き起こされることもあるわけで、それはやらないリスクになる。

やらないことでどうなるか? ということはやっときのリスクよりも考えられないことが多い(多いというのはあくまで山田さんの体験からの話だが、確かにそういう印象はある)。

やるリスク

やるリスクについては天才的にいろいろと考える人もいるが、実は単に恐怖を感じてグルグルと同じことを考えていくだけなんてこともある。

具体的にどんなことが起こるのか? ということをしっかりと考えてみると意外とたいしたことないな、なんてこともある。

でも、気持ちの面で怖いからやらずに足がすくんでしまうわけだ。

やらないリスク

やったときのことだけを考えるだけでなく、やらなかったらどうなるかを考えることで新たに認識することもある。

なにか変えないといけないと思っていてもやらないということは、単に問題の先送りをしているだけのこともある。

山田さんが工場の人と話すときには、やらなかったときのリスクについてもしっかりと話すそうだ。

今のまま疲弊した状態が続いたとしたら将来的にどうなるか?
なにかチャレンジしないことでさらなる痛手を被るリスクはないのか?

やらないことのほうが痛みが強いなら何かしらやったほうがいいというのは明白だろう。

何かをやれば失敗することもあるけれども、現状維持がそもそも失敗なわけで可能性はないに等しい。

結果はコントロールできないが行動はコントロールできる

朝渋、ファクトリエ山田さんの話

山田さんの話を聞くと、何か行動を起こすというところをすごく重視している印象がある。

行動しなければ結果は伴わないので当たり前なのだけれど、行動への意識がとても高くて実行力もあるなという印象。

そんな山田さんが話していたことで印象的だったのは

「結果はコントロールできないが、行動はコントロールできる。」

という趣旨の話。

とはいえ、普通は結果が伴わないのに続けるのは至難の業。

山田さんの場合には好きでやっているということがあるので、好きなことなら続けやすいというのはあるが、それだって限度がありそうだ。

そこで役立ちそうなのが、「100年後から考える」ということ。

100年後から考える

長期的な視点に立って今、何をするか? 理想に向けてどんな行動をとるかということを考えることで、少しずつでもそこに近づいていると思えれば行動の糧になるはず。

また、後述のとおり、結果につながっているかどうかはわからなくても、何か行動しているということが心の支えにもなったそうだ。

先ほどのとおり、結果はコントロールできないわけで、コントロールできるのは行動だけというのもあるし。

行動するということは得たい結果を得るための可能性を秘めたもの。そうとらえることもできそうな気がする。

1日1通手紙を書くことを1000日続けた

1人でファクトリエの事業を行なっていた間はずっと毎日手紙を書くということを続けていたそうだ。

この行動は山田さんの心の支えになった。行商で売りに行ったときに今日は売れなかったけど、手紙を書くという行動はしたぞ、と。

結果として、それがその後につながることになるので、心の支え以外にも収穫はあった(有名人がファクトリエを着てくれるようになった)。

まとめ

ということで、自分の理想や、やりたいことを実現させようと思ったら何よりも行動が大切だということ。

そのためにもリスクを考えるときには「やるリスク」だけでなく「やらないリスク」も考える。

目先の結果ばかりを気にしない。結果はコントロールできないが、行動はコントロールできる。

また、長期的な視点から考えることで、短期の結果に気を取られないようにすることも大切。

ファクトリエについて

ファクトリエの思い

ファクトリエについてはこちらの記事でも書いた。

ファクトリエを急成長させた創業者山田さんの思いと戦略

今回は先日聞いたファクトリエの創業者山田敏夫さんの話から。山田さんは2016年にカンブリア宮殿でも紹介されるなど注目されている起業家の一人。 自分の人生をこれだというものに全力投球しているような人なので、好きなことをビジネスにしたいという人に通ずるものがあるかと思う。ただ、本人は起業したいと思ってそうしたわけではないの

やろうとしているのは新しい価値基準を浸透させること。

アパレルにおいては、デザイン性と経済性という2つの価値基準しかないのが現状。

自分の服がどうやって作られているかなんてほとんどの人が知らないし、そもそも関心すらない。

タグを見てMADE IN ●●となっていてようやくどの国で作られたかがわかるのが普通だろう。

そこで起こっているのはMADE IN JAPANがどんどん減っているということと、縫製工場は買い叩かれて疲弊しているということ。

またムダがものすごく多い。

生鮮食品でもないのに、つくった衣類の半分が捨てられる(国や地域、時期によるが、いずれにしても多すぎるとしか思えない)。

そこに「作り手の思い」という価値基準を付け加えられれば、服に対する意識が変わる。この工場でこうして作られているものを買いたいとなれば、買い叩かれることもなくなるだろうしムダに捨てられることも減るはず。

ただ、こうした新しい価値基準を浸透させるのはそう簡単にはいかないし、時間もかかるもの。

100年はかかると思いながらも、その理念に向かって進んでいるのが山田さん。

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