宝くじ高額当選者の特徴と高額当選の出る売り場が、なぜビジネスに関係するのか?

宝くじ高額当選者の特徴と高額当選の出る売り場が、なぜビジネスに関係するのか?

宝くじの高額当選者には、特徴があると聞いたらどう思うだろうか?また、高額当選がたくさん出ている売り場があるとしたら?データを見ているといろいろと分かってくる。

そして、一見するとビジネスとは宝くじは何の関係もなさそうだが、実は、ビジネスの成否に関わる重要な要素が関係してくる。一体、なんだろうか?

宝くじ高額当選者の特徴

宝くじで1000万円以上の当選があった者を高額当選者と定義して、アンケート結果から分かったことが次のこと。平成25年度のデータでは

  • 男性が64.8%
  • 年齢は60歳以上が43.3%とダントツ
  • イニシャルはH.Kが多い
  • 職業は会社員が41.6%
  • 星座は男性の場合は水瓶座、女性の場合は牡牛座が最も多い

 
 
といったことが分かった。これは、平成25年度の高額当選者にアンケートをした結果だ。アンケートの回答があった860人のデータが元になっている。こちらの宝くじ公式サイトにデータが公開されている。公開データは1年ごとに更新されるようだ。

データをもとにした宝くじ対策をすると・・・

このデータをもとにして宝くじの当選対策をするというアイデアはどうだろうか?ネタとしては面白いが、何の意味もない対策だということはすぐにでも分かるだろう。

60歳以上が多いのは、単に絶対数が多く、経済的にも時間的にも宝くじを買う余裕があるのだろう。そもそも60歳以上なので70歳も含まれる。会社員が多いのは、世の中の大人のほとんどが会社員だから。ちなみに2番目に多い職業は無職ということなので、60歳以上の人が当てはまるということだから当たり前の結果。

確かに”いろいろ分かる”ので面白いとは思うが、「へぇ〜そうなんだね」というだけの話でもある。雑学として知る分には申し分ないと思うが、宝くじを当てようという目的でこのようなデータを収集しても何の意味もない。

86人の億万長者を生み出した宝くじ売り場

先日、テレビがついていたので見ていると、詳しいデータは忘れたが、過去何人もの億万長者が生まれた横浜の宝くじ売り場が紹介されていた。ネットで簡単に調べてみると、6年間で86人の億万長者が生まれ、年末ジャンボで3億円の当選者が4年連続出ているとか。

その売り場で宝くじを買うと当たる。もしそうだとしたら、誰だってその売り場で買いたくなるもの。実際、高額当選の実績がある宝くじ売り場には、たくさんの人が買いに来ているようだ。テレビでもその様子が映されていた。

ここで疑問に思うのは、なぜ、その売り場では高額な当たりが出るのか?ということかと思うのだが、あなたはどう考えるだろうか?
 ※不正があるなら当りが多くて当然だけれど、さすがにそれはないとする。

なぜ、その売り場では高額な当たりが出るのか?

思うに答えは簡単。当りくじの抽選は、グルグルと回転している的に刺さった矢の位置で決める―。なんて光景をテレビか何かで見たことのある人は多いのでないだろうか?

実際、今でもそのように決めているかは分からないが、東京宝くじドリーム館というところで誰でも抽選風景を見ることができ、不正の入る余地はないだろう。

なので、宝くじは完全に確率の世界だということになる。であれば、 なぜ、高額当選がたくさん出るという宝くじ売り場が存在するのか? の答えは簡単。

人がたくさん来て、たくさん宝くじが売れるからだ。要は出る量が多いからというわけ。

不正がないなら「数」以外で当選を増やす方法はあり得ないはずだ。1万枚売れる宝くじ売り場より、10万枚売れる宝くじ売り場のほうが、当選者が多いのは当然。

さらに、並んでいるとそこが良さそうに見えてくるという心理的な効果もあるだろう。

高額当選者が多発する売り場ができる過程

とはいえ、最初から高額当選は出ないので、出るまでは待つしかない。が、一旦、高額当選者が出たら儲けもの。それを大々的にアピールすれば、人が集まってくるからだ。

たくさん売れれば、また当たる可能性が高まるから、しばらくするとまた誰かが当たる。そうしたら、また高額当選が出たことをアピールできる。すると、ますます人が集まってきて、高額当選の出る確率が高まる。

宝くじとビジネスの関係

あなたが高額当選を狙って宝くじを買うならどこで買っても同じだということだ。当り前の話だけれど。

それでも、当たるかも?という高揚感だったり楽しさを味わいたいのが人間。なので、高額当選の出た売り場で並んで買うのも面白いかなとは思う。何でも機械的にやっていてはつまらないし。もちろん、何でも感情的にやっていては無意味なことをやってしまうこともあるけれど。バランスが必要だ。

さて、この宝くじの話は、ビジネスにも役立つ考えが含まれている。ポイントは以下の3つだ。

  1. 意味のないデータにとらわれないようにする
  2. 人の集まる心理が分かる
  3. ビジネスは確実ではなく確率

それぞれ見ていこう。

意味のないデータにとらわれないようにする

宝くじの高額当選者は、以下のとおりだった。

  • 男性が64.8%
  • 年齢は60歳以上が43.3%とダントツ
  • イニシャルはH.Kが多い
  • 職業は会社員が41.6%
  • 星座は男性の場合は水瓶座、女性の場合は牡牛座が最も多い

 
 
ただ、このデータを知ったところで、どうにもできない。年をとりたくたってすぐにできるものではないし、星座を変えることは不可能。名前を変えるのも難しい。

それに、そもそも当たり前の数字とも言える。人口分布を見たら60歳以上が最も多いし、余裕のある人の絶対数も多い。

なんと言っても、当選番号の確率に偏りのない宝くじのデータをいくら集めても意味はない。サイコロの出目のデータを集めるようなもの。それぞれの出目の確率が1/6に近づくだけで、やっぱりこうなるね!で終わりだ。

人の集まる心理が分かる

確率は変わらないとはいえ、売り場を選んだり、宝くじを仏壇に保管したりといろいろやる。人間は感情の生き物なので不合理に思えるようなことをするということだ。

人は人が集まっているところに集まるもの。「私は人と違うのがいいので」という人もいるが、大多数は人が集まるところには、ますます人が集まる。行列のできているラーメン屋とガランとしたラーメン屋なら、多くの場合、行列のできているほうに行く。

心理効果としてもそうした現象が発生することが分かっており、勝ち馬に乗ろうとする心理でバンドワゴン効果とも言う。

ビジネスは確実ではなく確率

ビジネスの世界も確率の世界と捉えられる側面がある。これは非常に重要な考えで、ソフトバンクの孫正義さんの言葉を借りるとこうだ。

事業の成功は、精一杯チャレンジを続けていれば後は確率論の問題です。失敗を恐れずに、様々な手段を次々に試していれば、必ずどこかで当ります。卵は数を生まないと、試練に耐える鮭は生まれてこないわけです。

引用:名言DB

誰だって失敗するために何かをすることはないが、失敗を怖れて動かないのはクジを引かないのと一緒。クジはひかなければ、100%確実に当たらない。それと同じで、ビジネスもやってみないと絶対に当たることはない。やってみないと分からないもの。

なので、どんどん行動に移してチャレンジしていきたいものだ。

宝くじは自分がどんな努力をしようとも、買った数しか当選しやすさへの影響はない。拝もうと、遠くで買おうと近くで買おうと、過去のデータを見ようと無意味。変わるのは当選確率ではなくて、気持ちだけ。

一方、ビジネスは違う。自分の取り組み次第で結果は大きく変わる。宝くじとは違って自分の努力が報われる可能性があるということだ。相手あってのことなので、100%努力が報われるとは限らないが、努力なくしてうまくいくことはない。

まとめ

ということで、無意味なデータに惑わされずに、人は感情で動くということと、ビジネスは確率思考で考えて失敗を怖れないことがポイント。ビジネスをやるなら感情的に取り組むことも、機械的にやることも重要だ。

ところで、宝くじは非課税。住民税がかかるなんていう人もいるが非課税なんだから「税」はかからない。まるまる自分のもの。

ビジネスでお客さんのために努力して利益を上げた分にはしっかり税金を取るのに、宝くじには非課税というのはどうなんだろう?と思ってしまう。

宝くじに税金をかけるなんて夢がないという人もいるようだが、一生懸命やった人の利益が税金でもっていかれる方がよっぽど夢がないように思うのだけれど。

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