先延ばしする人の頭の中と3つの対策〜TED動画〜
先延ばし—。ほとんどの人がこれに悩んだことがあるのではないかと思う。闇雲に何も考えずにやるのもどうかと思うけれども、やろうやろうと思っても結局やらない、なんてことはよくある話だろう。
自分を振り返ってみてもよくあることだし。たまたまTEDを見ていたら先延ばしについての講演が目についた。
目次
先延ばし魔の頭の中はどうなっているか
ティム・アーバンという人が語ってくれている。
先延ばしクセのある人の頭の中
先延ばしクセのない人の頭の中には、“理性的意思決定者”がただ一人いてうまいことやっている。
一方、先延ばしクセのある人の頭の中には、それに加えて“すぐにご褒美が欲しいサル”というのがいる。加えて、パニックモンスターというのもいて、差し迫った状態になると現れる。要は、締め切りが近づいたり、のっぴきならない状態になったときに出現するアラートみたいなもの。
自分のことを振り返ってみたらよく分かる例えだ。
自分で起業する場合は期限がない
TEDの話の中でもあったが、やっかいなのは期限がないもの。例えば、自分でビジネスを始めようなんてのはその典型例の1つ。起業したいと思いつつも何年もズルズルと会社員を続けている人はたくさん見てきた。自分もそうだった。辞めた経緯はこちらに書いたので、一例としてこんな変なヤツもいるということで(笑)、気になる方はどうぞ。
会社・仕事を辞めたい、でも言えない方へ。私はこうして辞めました
リスクを伴う行為なので、何も考えずに突っ込むのもどうかと思うが、先延ばしして何もしないことも問題。
で、どうやって改善するの?
TEDの動画を見ようと思ったのは、良い方法を論じてくれているのか?と思ったから。しかし、動画を見ていてもなかなか解決法が話されない。動画の残り時間を示すバーはどんどん終わりに近づいていく。
結局のところ、最後に人生カレンダーという残りの人生が可視化できるものを見よう。どんどんなくなっているんだよ?ということで終わる。
そんなのはスティーブ・ジョブズだって似たようなことをいうわけだし、本でも映画でも幾度となく言われてきていることなんだけど……ということが頭をよぎったけれども、誰もが言うことだから普遍的なことであり、重要だとも捉えられる。
とはいえ、行動マネジメントや意思力の研究をしている人もいるので、それらの英知を活かさない手はない。いつ死んでもいいくらいの心意気で常にいたいものではあるが、人間は考える葦でもあるわけで、何かしら科学的なアプローチは可能なはずだ。
ということで、残り時間を意識しましょうという観念的というかメンタル的なアプローチと、できるだけ意思に頼らない対策を考えて実行するという科学的というかロジカルな要素を強くしたアプローチを3つ紹介したい。
- 人生カレンダーを手に入れて残り時間を意識する
- 大前研一さんの自分を変える3つの方法
- 意思力を科学的に高める(ケリー・マクゴニガルさんの教え)
人生カレンダーを手に入れて残り時間を意識する
スピーチの中で人生カレンダーという言葉が出てきたが、自分で作るのは相当骨が折れる。ということで、調べてみたら面白いのがあった。100年分のカレンダーがAmazonで売っていたのだ。自分の生まれた年を見つけて注文すれば、すぐにでも手に入る。1,000円もしないで買えるので、気になった人は手にしてみるといいかも。ちなみにサイズは、縦670mm × 横980mmだそうだ。折りたたむと縦335mm × 横245mm。
大前研一さんの自分を変える3つの方法
一方で、大前さんが言うには、人間が変わる方法は次の3つしかない。
- 時間配分を変えること
- 住む場所を変えること
- つき合う人を変えること
で、最も良くないのが決意を新たにすることだそうだ。なので、人生カレンダーなんて見て意識を変えても効果はないよ、というようにも捉えられる。
個人的には孟母三遷という言葉があるように、環境を変えるのが最もインパクトがあると思うので、そのためにも引っ越しはお金と手間はかかるが、一番てっとり早い気がする。いろんなところに住んでみると分かるが、雰囲気が全然違って影響は大きい気がする。
そして、つき合う人を変えていくと、自分の当たり前が変わっていくので、時間配分の変更も容易になるような気はする。
個人的な感覚からも、店舗経営者に対して売上アップや集客を教える人のお手伝いをさせてもらう機会がよくあるのだけれど、その集まりに入ったからこそ、結果が出たという人は本当にたくさんいるので環境の重要さは良く分かる。周りがどんどんやるのが当たり前なら、先延ばしが気持ち悪くて仕方がなくなる。
意思力を科学的に高める(ケリー・マクゴニガルさんの教え)
先延ばしというのは結局のところ、自分の意思力に依存するとも言えると思うので、精神力でなんとかするのもいいのだけれど、それができないなら科学的なアプローチもやってみるのがいいように思える。
ということで、意思力の研究で思い当たるのが、スタンフォードの自分を変える教室の著者であるケリー・マクゴニガルさんなので、彼女の力を借りることにする。
Googleにて意思力をテーマに講演した内容によると、次の5つが主なポイントだそうだ。
- フィジカル面を鍛える
- 睡眠を十分に取る(6時間以下だと意思力が低下する)
- 瞑想をする(1日10分でOK)
- 定期的に運動をする
- 低血糖食事、植物をベースとした食事(Low-glycemic plant-based diet)
- 失敗しても自分を責めない
- 自分の考えや気持ち、感情を意識すること
- 自分自身がダメだと思わず、プロセスに問題があると考える
- 批判するより励ます
- 「未来の自分」に親近感をもつ
- 未来の自分から現在の自分へ手紙を書く
- 将来の自分を想像する
- 成功よりも失敗を意識する
- 目標を意識する
- どんなポジティブな結果が生まれるのかを考える
- 目標を達成するためにどんな行動が必要かピックアップする
- 目標達成を妨げる最も大きなことは何か洗い出す
- いつ、どこでその妨げが起こるかを洗い出す
- どうやってその妨げを未然に防げるか考える
- もし、その妨げが起こったらどうするか考える
- 衝動をやり過ごす
- 自分が感じていること、考えていることを意識する
- それから逃げるのではなく、探ってみる
- 深呼吸して自分の体と脳に衝動を止めることと計画する機会を与える
- 意識を広げて自分の目標を達成するための行動を探る
上記の動画は英語なので、日本語で理解したい場合は、logmiの記事「Kelly McGonigal「The Willpower Instinct」が、ありがたいことに日本語訳してテキストにしてくれている。
まとめ
ということで、多くの人を悩ませる先延ばしの対策として、3つ書いてみた。どれか1つだけが良くて他はダメとか、1つだけやればいいとかではなく、自分に合ったものを選ぶ、併用するなど、柔軟に取り組みたいもの。