起業するにはどれくらいの資金がいる?
起業といっても様々。何をするかによって必要な金額はだいぶ変わってくる。なので、一概には言えないけれども、インターネットを使うと金銭的なリスクを抑えやすくなる。
例えば、ブログを始めるだけならお金なんてほとんどかからない。一方、ネットショップで在庫を持つとしたらその商品の仕入れ分のお金が必要になる。もし資格が必要なものを売るのなら、その資格取得のためにお金が必要になるかもしれない(資格がなくても、たいがいのものは売れるが)。
このサイトで推奨するのは低資本でできるスモールビジネス。数千円から1万円もあれば十分始められるようなもの。例として私自身が実際にやったことをもとに書いてみる。といっても、1人でやったのではなく、複数人で始めたものもある。なので、あまりおおっぴらには書けないが、参考にはなるかと思う。
目次
私が小さく起業したとき、何が必要だったか
私が最初に手がけたのはスポーツ関連のビジネスだった。その道の先生がネット上で動画をもとにいろいろと教えてくれるサービスを立ち上げた。DVDを販売したり、個人指導のお客さんを集客したりといくつか商品やサービスを用意した。
始めるにあたって必要な資源は少なかった。必要だったのはPCと先生、動画を撮影するカメラ、動画を編集するソフト、そしてレンタルサーバーくらい(※)。PCはもともと持っていたし、先生との契約は利益が出たときに払う契約にしたので、最初に支払いはなかった。
では何にお金がかかったのか?
※ちなみに、それまで撮影なんてしたこともなかったし、動画編集なんて一度もやったことはなかった。これは自慢したいのではなくて誰でもできますよ、ということ。
重要なのは動画の見た目の質よりも中身。最低限、普通に見られれば十分だ。映画ではないので、そこまで映像にこだわる必要はない。最初は家庭用のビデオカメラだったし、デジカメの動画モードで撮ったものもあった。それに、カメラや動画編集のソフトも進化しているし、いろいろと素人でもやれる。
今でこそ、業者にお願いしたり、別途マイクを使ったりはするが、その当時はピンマイクを用意するという発想すらなかった(知らなかった)。
起業から売り出しまでにかかった費用
最初は在庫が必要になる物理的な商品は作らなかった。ネットで完結する会員サービスのような形で売り出した。今だとオンラインサロンなんかはシステム利用料だけでできるので、さほどお金はかけずにできるだろう。
サロンでなくてもWordPressを使えば、プラグインで会員制サイトは作れる。もちろんWordPressではなくてもOKだ。noteの有料コンテンツでもできなくはない。
ということで、売り出しまでにかかった費用は次のとおり。
ドメインを取った費用と維持費が年間1,000円くらい(年なので月にしたら100円にもならない)とレンタルサーバの代金が月に500円くらい。どちらもランニングコストではあるが少額だ。そして、動画編集をするために買ったソフトが12,000円くらい。あとは移動に使った交通費。これくらいがかかった費用(PCはもともと持っていたので費用に含めない)。
なお、起業といっても小さな個人事業の話。それも起業であることには変わりはない。起業するにあたっては別に会社をつくる必要はない。それはこちらでも書いたとおり。なので、会社設立費用なんてのもなし。個人事業としてサクッと始めた。
個人や主婦が低リスクで起業するにはこの4つをやればいい。身近な事例とともに経験者が解説!
起業という言葉からどんな連想をするだろうか? このサイトでは個人が低リスクでスモールビジネスを起業するということを中心に書いているので、金融機関からお金を借りる、投資家から資金調達してビジネスを立ち上げるといったようなやり方は他に譲る。 ここでは、会社員、学生、主婦といった方々ができるだけお金をかけずにリスクを抑えて起業するには?ということに絞ろうと思う。 起業するだけであれば、何も難しいことはなく非常に簡単なのだが、そうはいってもやったことのないことはよく分からないだろうと思うので、こんなビジネスを起業しているという事例を多少混ぜながら簡単にまとめてみる(初稿:2016年7月20日、更新:2018年6月13日)。
では、商品を売るためのWebサイト(ホームページ)はどうしたのか?
販売用のページは無料のテンプレートをもとにエディターで編集して自作した。なので0円。たいしたページではなかったけれども、テンプレートがあればなんとかなる。
商品販売用のページ(LPと言われることが多い)は今でこそ、ペライチとかJimdoとかWixあたりがだいぶクオリティ高くなっていて使いやすくなっているようには思う。なので、それらを使ってもいいと思う。当時はJimdoくらいしかなくて、しかもちょっと使いにくかった。あとはもホームページビルダー。
また、デザイナーさんに作ってもらうとしても、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングで安く発注することは可能。価格はピンキリ。どんなサイトにするかにもよるが、5万円から7万円もあれば、最低限のページはつくってもらえるだろう。
まとめると、こうなる。
- ドメイン代(約1,000円/年)
- サーバーレンタル代(約500円/年)
- 動画編集ソフト(約12,000円)
- 交通費
- ホームページ作成(無料のテンプレートなので0円)
売り出したときにかかった費用
いくら販売用のサイトをつくったとしても、それだけでは売れないのが普通。誰もその商品も販売サイトも知っている人がいないのだから当然だ。知らない物を買うなんて不可能なのだから。
まとめるとこうなるが、ほとんどが広告費ということになる。物を届けるのなら原価または仕入れの際にかかる費用や送料もかかる。私の場合、最初はオンラインで商品提供したので、それらはゼロだった。
- 広告(数千円〜数万円)
- 決済手数料(価格の3〜5%前後)
広告費
自分がつくった商品は自分以外誰も知らないので、関心のある人に認知してもらう必要がある。そこで、ネットに広告を出した。
何を売るかによって出す広告媒体は変わってくるものの、ネットで広告を出そうと思ったらけっこう限られる。Googleの検索結果やブログなどに出す広告(AdWords)、Yahoo!の検索結果やブログなどに出す広告(Yahoo!プロモーション広告)、SNSならFacebook広告(インスタグラム含む)の3つがメインになるだろう。
記事広告などは個別に交渉することもあるし、他にもやり方はあるけれども、初期費用や広告費のコントロールなどを考えると上記がメインかと思える。
私の場合、最初は数千円から数万円で出稿した。最初にかけた金額は覚えていないが、まずは1万円くらいでどうなるかやってみようといった感じだったと思う。会社を辞めて収入がなくなっていたので慎重だった。
広告に関してはどのくらいお金をかけるものなのか? どうやって出すのか? など、いろいろと疑問に思う人はこちらをどうぞ。
宣伝広告費ってどれくらいかけたらいい?目安は?広告の方法は?
いざ自分の商品やサービスを用意したとして、それを知ってもらわないことには売れることはない。そのためには、ネットで集めるなら地道に自分でブログをやって集客するというのも手だが、広告を使ってアクセスを集めるのも手だ。 このサイトでは主にネットを中心としているが、基本はどっちも同じ。紙のチラシはダメでネットなら反応が良くなるなんてことはない。店舗を抱えてやるならネットの広告よりオフラインの広告のほうが反応がいいなんてのはよくある話だ。 今まで1500人近い起業家予備群の人たちに指導をさせていただいた中で、よく聞かれる質問の1つが広告費はどれくらいかけたらいいか? という話。 ということで今回は広告費に関して。
決済システムの使用料
決済は代行会社を使ってクレジット決済ができるようにしたので、売れたときに手数料が数パーセントかかった。
決済についてもっと具体的に書いておくと、最初は、クレジットカード払いか銀行振り込みにした。個人事業主がカード決済をやろうと思ったら、当時はPayPalくらいしかなかったので、初めはPayPalを使った。今はSPIKEなど手数料が一定の水準までかからないサービスもあるので選択肢は広がっている。
あとは決済サービスといえるかは分からないが銀行振込。銀振は全国相手なら都市銀行や地銀だけでなく、ゆうちょもあると親切。ネットバンクでもいいだろう。あまり増やすと確認が面倒なので、ほどほどにしたいところだが。
その他、DVDなどの物を販売した際には代金引換も使った。
今、手がけている事例(アフィリエイト、販売代行)
今、手がけているものの1つは、ネットでの販売代行。仕入れて売る必要はなく、成果報酬として売れた分だけもらえる。いわば、アフィリエイトだ。
ただ、単に紹介して終わりでは、単発で終わってしまうし、販売代行をしている商品がなくなったら売れなくなってしまう。なので、長く収益が得られるようにしていく算段をもって取り組んでいる。
このあたりはアフィリエイトを交えて別途、また記事にしようと思う。
ところで、アフィリエイトというとネットには情報があふれている。サイトをたくさん作りましょうとか、今はオウンドメディアだとか、トレンドに合わせてブログをつくるだとかいろいろとある。
それらの情報に左右されて混乱してしまう人もいるが、要は販売代行に過ぎない。昔からあるやり方だ。ネットで代理店をやるということなのだから特殊なものでもなんでもない。もちろん、ノウハウとしてはいろいろとあるので基本は変わらないという話。
なお、アフィリエイトのメリット・デメリットについてはこちらにまとめているので、参考にどうぞ。
アフィリエイトで稼ぐ?メリットとデメリットを理解してやってますか?
ネットを使って収益を上げる手段の一つにアフィリエイトがある。私が最初にアフィリエイトを知った頃はまだ知らない人が多かったような気がしないでもないが、ネット上でもアフィリエイトに関する情報はたくさんある。 今は本もいろいろと出版されているので、だんだんと認知度も上がってきているように思える。 そのせいか、副業に関心があったり、会社を辞めたいなんてサラリーマンの人は、収入源の一つとしてアフィリエイトに関心を持つ人が多いような印象がある。
アフィリエイトでかかる費用
この場合も、ドメイン代とサーバー代がランニングコストとしてかかるだけだ。あとは広告を出す場合には広告費。記事を外注するなら外注費もかかる。
先ほどのは自分で販売していた例だったので、決済手数料があったが、アフィリエイトの場合は紹介しているだけなので決済手数料はかからなない。報酬が振り込まれるときに手数料が少し取られる程度。仕入れもないので、そのお金も不要。
ただ、売れなければ1円にもならないのは自分で何かを売るときと同じ。売れれば、実績に応じていくらでももらえる。
この辺りの話もこちらのアフィリエイトのメリット・デメリット記事で触れている。
リスク低く個人がビジネスをやる上で考えられる費用
ビジネスといっても実に様々な種類がある。なので、ここでの前提は冒頭でも書いたとおり個人がリスクを抑えて小資本でやれるもの。そして、サラリーマンでも副業から始められるような時間と場所に縛られにくいモデルを想定する。
すると、このくらいかなと思える。
- ブロガーモデル
- アフィリエイトモデル
- 広告モデル
- 転売モデル
- コンテンツ、自分モデル
切り口が多少変わるが、この辺りはこちらの記事でも詳しく書いている。
サラリーマンが副業で稼ぐ、独立や起業を目指すならこの2つの戦略をもとに考える
会社員、サラリーマンをしながら副業をする、あるいは副業をしたい。ここのところ、そんな人が増えているように思える。 副業をやるといっても動機や目標、目的は人それぞれだろう。収入が多いに越したことはないのはあるとしても、月に3万円でも5万円でもいいので少しでも今の給料に収入を上乗せしたいという人、給料と同じくらいの収入にしたい、会社を辞める基盤づくり、起業の最初のステップとして副業なので給料以上は稼ぎたいなど。
ブロガーモデル
ブロガーといってもブログに記事を投稿するだけで広告収入でまかなっている人もいれば、自分のサービス(セミナーや講座)を販売している人、両方をやっている人と様々。ただ、たいていの場合に共通するのは、仕入れなどの費用がないということ。
ドメイン代とサーバ代だけで済むケースも多く、月に数百円からでも始められる。サーバのグレードを考えないと、アクセスがたくさん来たときにサイトが表示されなくなるので、ケチらないほうがいいが、初めからアクセスは来ないのが普通。それに月1000〜1500円くらいのサーバで、けっこうな量はさばける。そのサイトによって変わるので何とも言えない面はあるが、30万とか50万PVくらいならいけそうな感がある。
ということで、こんな感じだろう。
- ドメイン代(約1,000円/年)
- サーバー代(約1,000円/月)
アフィリエイトモデル
アフィリエイトといってもやり方はたくさんあるので、なかなか一括りにするのは難しいが、ブロガーと同様にお金をかけずにやれる方法もあるし、外部委託で記事を書いてもらって、たくさんのサイトをつくるやり方もある。あるいは、広告を出してアクセスを集めることもある。
記事を書いてもらうには、どんな内容かにもよるが一記事数百円で、そこそこの記事は書いてもらえる。私が運営している他のサイトでは500円で1000文字くらいを書いてもらっている。
ということで、こんな感じだろう。
- ドメイン代(約1,000円/年)
- サーバー代(約1,000円/月)
- サイト制作費(やり方による)
- 広告費(やり方による)
広告モデル
個人だとGoogle AdSenseあたりを使うのが主流のように思える。要は自分のブログなどに広告を貼って収益を得るということ。Googleに申し込めば済むので、簡単に始められる。ただ、そこまで収益性はよくないので、趣味で月に数万円くらいと思った方がいいとは思う。
ちなみに知り合いとまではいかないが、何かの食事会で一緒になった大阪のデザイン会社の社長は、年間3000万円くらいAdSenseで収益が上がるそうだ。その代わり、1千万円単位で維持費がかかるそうだが、それでも黒字だ。要は、けっこうな額にもなり得るということ。
ということで、費用がかかるのは、こんなものだろう。
- ドメイン代(約1,000円/年)
- サーバー代(約1,000円/月)
転売モデル
安く仕入れて高く売るというのが転売。日本国内だけでやる場合もあるし、海外で仕入れて(輸入して)日本で売る、あるいは、日本で仕入れて海外で売る(輸出)場合もある。
知り合いはAmazonをメインに月商2,000万円くらいをAmazonで販売している(1人ではなく3,4人でやっているので、最初の前提とは反するが、一人でも数百万円はいける)。
自前でサイトを持つのではなく、AmazonやeBay、ヤフオク、今ならメルカリなどすでに用意されているプラットフォームでやる人が多いように思える。使用料はどんなプラットフォームを使うかによってそれ相応の料金がかかってくる。
売れてから仕入れるということもできるので、お金が入ってから仕入れることも可能(規約でできない場合も)。その場合は、初期費用はほぼかからない。ただ、それだとスピーディではないし物も限られてくるので、最初のうちだけとか一部の商品だけになるかと思う。ある程度、勝手が分かってきたら先に仕入れて売るという普通の商売と同じになる。
あとは売れたら配送が必要になるので、配送料もかかる(送料としてもらい受けるとは思うが)。また、倉庫に商品を置いておく場合には、保管料がかかることもある。例えば、Amazonは一定以上の期間を過ぎた在庫には保管料がかかる。
ということで、こんな感じになる。
- 仕入れの金額(物による)
- システム使用料(使うサービスによる)
- 配送料(ものによるが数百円/個)
- 在庫管理代(状況により)
コンテンツ、自分モデル
私が最初にやったような形でコンテンツを販売する場合、やり方によってはほとんどお金をかけずに始められる。
自分モデルと書いたのは、自分を商品とするため。要はコンサルティングをしたり、何かを教えるなど自分を売る場合だ。この場合、原価はかからないので、お金をかけずに始めることができる。
その他
あとはビジネスというか仕事を持つようなものだが、クラウドワークスやランサーズなどに登録して受注するやり方もある。個人で仕事を請け負って空いた時間にやるということもできる。一時的に雇われるようなものだろうからお金をかけずとも始められる。
その他、インスタグラムやYouTubeで稼ぐ人もいるが、いずれもお金をかけなくてもやることは可能だ(大変だとは思うが)。法律が変わる前はAirbnbで自分の部屋を貸して収益を上げる、なんて人もそこそこいたように思う。シェアリングエコノミーが台頭してきた今だと、スキルシェアなんかもある(個人的にはシェアではないよね? とは思うが)。
まとめ
ということで、個人で起業するとしてもさまざまなやり方があり、初期費用で数千円から数万円、ランニングコストで月数百円からでも十分に始めることはできる。金銭的なリスクはだいぶ抑えられるので、どんどんチャレンジしてみるといいかとは思う。
ただ、1つ言えるのは好きなことで起業したいという人がアフィリエイトとか転売をして好きなことができるかは疑問。それ自体が好きならいいのだけれど、たいていの人はそうではないのでは? と思えるし。稼ぐ手段ばかり見ると好きではなくても給料のために会社で働くというのと大差なくなる。
こちらで権利収入の入るビジネスをやっている人の話を書いたが、あくまでそのビジネスは対象となることが好きだからやっているわけで権利収入目的でやっているわけではない。
先日、会った人が面白いビジネスで起業していた。自分の好きなことをやっている方で自己紹介のときに「権利ビジネス」という話をした。権利収入と聞くと「ん……!?」と思うことがあるのだけれど、すぐにその良くない印象は解消された。